ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

写真はイメージです。

すべてはイメージです。
インタビューで余裕でご本人がぜんぜん違うエピソードなどを喋ってるの、ありますし、、、
いわば、そう、渡會さんのソロ曲の詞の中に、FoZZtoneと竹尾さん(Gt./FoZZtone)を探す連想ゲームです。他人が描いた物語の中に、自分だけの物語を見出せるからこそ、ひとは今も万葉集に感動できるわけですし、、、(そうなの???)

※大前提としての歴史の話ですが、2015年2月28日にFoZZtoneは活動休止しています。そしてこのあとの文章はもう、私の二次創作だと思って読んでください。

After Fork in the Road(2017年『After Fork in the Road』収録)
竹尾さんへの私信過ぎる。この曲における「君」は100%竹尾さんです。
「ただ一緒に傷付いた」って詞を聴いたとき、互いにそれぞれに、じゃなくて、「一緒に」だったことにめっちゃくちゃ感動したことをはっきり覚えています。そう書いてくれたことが本当に好き。あんなにバラバラに見えたのに。
「今夜も月は出てるんだぜ」の月はもちろんFoZZtone『フラッシュワープ』で君と一緒に探してた月。ライブの時に何回かアウトロで、「すごいぞエスパーのように俺ら」って歌ってもくれた。全面的竹尾宛お手紙楽曲。
「君はいったいどこにいるんだろう」。

カントリーロードアゲイン(2019年『Walk & Foods』収録)
FoZZtoneもっかいやってもいいかもしれないな、な曲。ここで彼が辿るカントリーロードFoZZtoneです(いや、一部は幼少期の実際的カントリーロードではあるんですけど、それにしたって)。君は竹尾だし(ホントかよ)、君と暮らした街は当時のお客さん――FoZZheadsです。これはもう、ほんと、聴き方の問題なんで!

ただ、2019年6月2日の渋谷クアトロでのワンマンのMCで、「もう1回ロックと向き合おうと思う」みたいなこと言い出した瞬間に「このひとFoZZtoneやる気では…??」って思ったし、同年9月の熊谷モルタルレコードでの弾き語りで、FoZZtoneの鎮魂歌みたいな『風によろしく』の「きっと一人になって一人の未来について考える時なのさ そう言って君を置いてゆく」の歌詞を「そう言ったのにまた君に会いにゆく」って歌われた瞬間、めっちゃ狼狽えた。し、めっちゃくちゃ嬉しかったなぁ。あぁ、竹尾さんに会いに行ったんだって。

Bonfire(2021年『NEW SCHOOL』収録)
なので、これは普通に渡會さんも公言してますけど、1回FoZZtoneを再開させようとしてるんですよね。2019年12月8日の自身のソロライブでメンバーを揃えて(ドラムはセカイイチの響ちゃん)、恐らくその後のコロナ禍の最中に、インスタのストーリーでも見て取れたんですけど(なのでもちろんもう残ってないんですけど)、竹尾さんと連絡とって色々やってたんですよね。だけどまぁ、ご存じのとおり、ダメだった。

「いつか消えた火が一瞬光った」=FoZZtoneを再開させられそうだったその時に。「水は凍り 溶けそうもなかった」=でもとても、止まった時間を動かせなかったという事実に。「湿気ったストーリー炙り、煙に 泣いている」=絶望したというのなら。
胸に刺さる夜というはFoZZtoneだし、影に焼き付ける過去ももちろんFoZZtone。それが怪物のように伸び、呪縛となる。ちっぽけな僕はけれどFoZZtoneを引き抜き火にくべて、ただ開いた(空いた)穴を埋めることはしない。今となってはもはや、穴があってこその自分だと。FoZZtoneを欠いたまま、もう1度時間が動き出す。
聴くたびに、悲しい歌だなぁと思う。たとえ再出発の詞であれ、このひとはいつも何かを失っている。「二度と戻ることはない さらばYesterday」。

Yes it is(2021年『NEW SCHOOL』収録)
※インタビューではコロナ禍の音楽シーンに対して…等々、ぜんっぜん別のお話をされていますので、ご本人の言葉を確認したい方は是非ともそちらをお読みください。この先は…ってゆうか、さっきからずっと私の同人誌なんで!!(爆)

「王国は崩れ去り 夕暮れに滅びゆく」=FoZZtoneですね、はい。『NEW SCHOOL』は基本的にだいたいずっと、FoZZtoneです(暴論)。「ずっと見上げてきた希望」=FoZZtoneですし、だけど「電池切れ」になっちゃったんですよ。「出会ってから十数年 君は未だ宇宙」の君は竹尾さんです。宇宙人なので(暴論)。
FoZZtoneを再開させることは叶わなかったけど、でもだから、もう一度サポートメンバーと一緒に仕切り直して始めよう、と。この曲はメロとかアレンジも敢えてFoZZtoneに寄せてるところがすごいあって、あぁ渡會さんは本当にもう1回FoZZtoneをやりたかったんだなって、やらなきゃいけないと思ったんだなって感じて、すごい胸締め付けられます。

ブラウンシュガー(2021年『NEW SCHOOL』収録)
で、FoZZtoneというよりも竹尾典明について歌ったのが、この曲です。この曲でも「宇宙」って単語が出てきますが、同じメタファーです、竹尾さんです(略)。
でも、FoZZtone活休から「時が経ったから 少しだけ分かる」、再開できなかったのは「それぞれの今に しがみついただけ」だってこと。「気軽に明るい未来」=FoZZtoneの再開を「語る人は減ったけど 歩き続けてる 僕ら」。そこで歌われる「認め始めてる 僕ら」は本当に救い。
だけども、「別れ際に もう一度だけ振り返る」んですよ。そして「宇宙」=竹尾「を見上げる」んです。おまけにもう1回見上げる。

この、渡會将士と竹尾典明の関係性というのをね、バンド時代にリアルタイムで観ていた時がね…本当に胃が痛くなる、この…まじで端で観ててすら超ストレス……。活休ツアーの時は「あぁぁあああぁ……」ってこと、多数。最後、本当に辛かった。終わるべくして終わるなぁ、もう2度と観ることはないんだろうなぁって。かつてあんなに美しかったものが、眼前で崩れていくのは、やっぱりしんどかった。
だから、こんな風に、2回目の破局を経てこうやって歌ってくれるのは、本当に大人になったなぁと思う。と同時に、曲しないことには昇華できないんだろうなぁとも思う。だからこそ、強く惹かれるんです、私は。

ほつれゆくニット(2024年『写真はイメージです』収録)
これはほんとに妄言だと思っていただいた方が良いんですけど、9年経って、初めてこちらを見てくれて、すごく嬉しかったです。私たちは明確な意志をもって、呪いをかけるつもりで、あの冬の日にあなたにニットを着せたので。赤坂BLITZの裏手で、随分と重いものを手渡した思い出が蘇る。

――『写真はイメージです』でも感じたんですが、以前から渡會さんについて“大人になった”と思った瞬間はたくさんあったんですけど、今回初めて“このひとは齢を取ったんだ”と思いました。それは私も齢を取ったからかもしれない。だけど、間違いなく、今回はターニングポイントだと思う。

そう、すべて言葉はイメージで、私の二次創作です。

2024年映画の旅③(仮)

※先に『オッペンハイマー』分だけ公開しておきます。
 9作揃い次第でまた改めて公開します。

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2024年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。また、基本甘口評価でいきたいタイプです。
※過去に感想書き済みの場合は、インスタ画像にあっても割愛してますん。

オッペンハイマー ★★★★★
「物理学300年の集大成が、大量破壊兵器なのか?」――
180分、一瞬も緊迫感が途切れることが無い。それでいてあっという間の180分でもある。役者も素晴らしいのだと思いますが、こういうことを思ったのは本当に初めてなのですが、監督が完璧なまでにすごい。
世界史上、唯一戦争兵器としての核で被爆した国に生まれたものとして、やはり広島・長崎への原爆投下が実行に移されるシーンについては胸を刺されるような思いがあります。果たしてこれは日本人以外が共有できる感覚なのかはまったく分からないのですが、クリストファー・ノーラン監督が史実の中で共有させようとしていることは伝わってきます。「いつか歴史に裁かれる」ということを、おそらくその時から薄々気付いていた。それが贖えない罪であるということを、日本に対してではなく、全世界で生存するすべてに対する罪であるということを。

贖罪は決して叶わないということ、後年称えられたとしてそれは本人のためではないということを表現するという脚本のバランス感覚は本当にすごい(現代ではよく見られるようになった感覚ではありますが、それにしても)。そしてそれは『ゴジラ-1.0』に非常に通じるものがあるなと思いました。あの作品の戦争への語り口に近しく、『ゴジラ-1.0』がアメリカで高く評価された一因は、実際この作品の対と見なされたというのはあると思います。本作はあくまでオッペンハイマーの人生なので、実際的な戦禍の描写はほぼ無いのですが、その戦禍を『ゴジラ-1.0』はあくまでもフィクションのオブラートに包みながら最も苛烈な表現で描いているということが、相補的と見なされたのではないか。そんな気がいたしました。

理論については本筋ではないんですけど、私はド文系ですが趣味で物理学(量子力学相対性理論・物理学史)の本を色々と齧っていたことがあり、その程度のうっすらした知識ですが物語の流れを咀嚼するのにだいぶ役に立ちました(ボーアやハイデルベルクを始めとして、物理学者の名前は半分くらいは分かったので)。アインシュタインも出てきますが、彼が若き日に打ち立てた相対性理論はあまりに有名として、その後の量子力学の発展については「神はサイコロを振らない」と言って最後まで批判的かつ懐疑的であり、そのために物理学の第一線から零れ落ちていったということは知っておいた方がこの映画を観る上でだいぶ理解が早まるのかなとも思いました。
そう考えると、物理学の本を読んでいてもオッペンハイマーの名前って出てこないんです。だから作中でも語られた通り、おそらく「今では物理学者ではなく政治家だ」ってゆうのは本当なんだろうなと感じたのです。彼の政敵との攻防の末にその争いをゼロに帰する人物としてジョン・F・ケネディの名前が圧倒的な破壊力を持ってたった一言語られるということをもってして、それが破格に表される。
IMAXで観ました。IMAXで観てください。座席が延々と揺られる、あれは核の爆発が迫る恐怖そのものでした。そしてその悪夢は――あるいは絶対的な現実は――、最後に明確に視覚化されてこの映画は幕を閉じます。これが、今の私たちが生きる世界です。これが、私たちの物語です。

2024年映画の旅②

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2024年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。また、基本甘口評価でいきたいタイプです。
※過去に感想書き済みの場合は、インスタ画像にあっても割愛してますん。

ネクスト・ゴール・ウィンズ ★★★★☆
実話をもとにだけど、自分でちゃんと「ちょっと盛ってるけど」って言っちゃうのがすごい好感大爆発でした(笑)。
なんというか、すごくちょうど良くて、泣いたし笑ったしすごく良かったです。そして例え多少盛っていたとしても、ジャイヤという人物の存在は本当に奇跡的。

コヴェナント 約束の救出 ★★★★☆
実話ではないんですね?? たぶん実話ではないんだと思います(だとしたらクライマックスの銃撃戦はまじ無茶苦茶だからね!)、実話ではないのですが、圧倒的に実際の戦争(直近の)を舞台としてエンドロールで語られるのは、確固たる事実。
「人間の歴史は戦争の歴史である」というあまりにも有名な言葉がありますが、我々は紛れもなく今もその世界を生きている。

愛と哀しみのボレロ ★★★★★
上映時間185分。それは、絶対的に必要な185分。
これだけ映画観てくると、数行のあらすじとタイトルと1枚の写真で自分の好みの映画か直感でおおよそ見当がつくんですけど、そこで私の直感は告げたんだです。「これ絶対観なきゃだめだ…!!!」。
そのため休日にもかかわらず5時半に起床し、洗濯して朝ゴハン食べて、7時前に家を出て8時10分からの回で観てまいりました。そして本当に、それだけのことをして観て良かったと心の底から思うのです。
この世界には、生きた人の数だけの人生が確実に存在する。誰に見届けられなくとも、誰に語られることが無くなっても、それは確かに存在した。ロシアの悲しい大地に呑まれて死んでも、フランスに上陸する前に撃たれて死んでも、あらゆる時代のあらゆる理不尽の泥濘の中で息絶えようとも、それは間違いなく存在した。過ぎるほどの重さと哀しみと愛情を持ってして。
アンヌの人生は本当に完璧なまでに美しく悲しすぎるし(彼女の友人の黒人のダンサーさんも素晴らしかった)、カールの時代の切っ先の上を歩まざるを得なくなりながらも成功に辿り着く人生にも胸を打たれたし(多くの脚色を除いても、カラヤンってこうゆう歴史を持った人だったんですね)、エヴリーヌのあの時代の生き方を一体誰が責められようかと思うのです。
だけどどうしたって、私の好みはタチアナちゃんなんですよねー!!!(爆)
もうほんと、最後の方とかずっと号泣しながら観てたけど、最初の号泣ポイントはタチアナが独り戦地へ慰問しに行ってるシーンでした……。あんな華奢な肩であんな重そうな毛布みたいな軍服着てさ……(そのアンバランスさを可愛いというのは不謹慎なのでしょうね)。苦難の末に育てた息子は亡命してしまうけれど、だけども息子のその行動も分かりみしかないのですよ。そりゃあさ、亡命もするよ。人生なんだよ、簡単じゃあないんだよ仕方ないんだよってゆう、その圧倒的な説得力。
けれどひとつひとつのその人生は、決して軽んじられることは無くとも軽やかに揺るぎない美しさで描かれていくので、観ていてまったく暗澹たる気持ちにはならないです。割と使っちゃってる言葉であれなんだけど、でもやっぱり、これこそが映画であって、人生はこうあるべきなんだと思い知る。そんな映画でした、紛れもなく。

ARGYLLE/アーガイル ★★★★☆
ちょー面白かった!!!!(笑) やっぱこーゆうの定期的に摂取したくなるんですっごく助かりますホント!!
もうほんと、演出過多なんだけど、やるならここまでやらなくっちゃ!! ってゆぅ突き抜け方が本当に気持ちイイ。原油の上でのフィギュアスケート銃撃戦はまじ笑っちゃったしめちゃアガった(笑)。3部作の予定らしいので期待してます!!

海の上のピアニスト ★★★★☆
4年前くらいに人生2度目の鑑賞をしてこの場にもしたためましたので、今回は割愛しようかと思ったんですけど。なんか2度目の時よりも大号泣してしまってってゆうか、あの冒頭(まじ冒頭10秒すぎる)の「アメリカ!!!」ってシーンでもうぐっずぐずになってしまいましたので、今これを記している次第です。
ほぼほぼそれだけを書きたかったんですが、まぁ~あ美しい寓話です。あの襤褸船の中で最後どうやって生活してたんだろうもはやあの時点で幽霊?? みたいな気持ちになってきました、3回目にして。そういうところが特に本当に美しい寓話の極致なんですよね。

デューン 砂の惑星 part2 ★★★★☆
私、なんか、無意識に今回で完結するもんだと思ってたんだけど……
続くんですね!????
前回はかなり導入みたいな感じで、まだ掴みどころがない部分もあったんですが、今回はかなりクリアになってポールはアナキンだし別口でトチ狂った皇帝みたいなひと(※スターウォーズの皇帝みたいなひとという意味で、今作中での皇帝というわけではない爆)も出てきて相当イイ感じです。IMAXで観たんですけど、流石の映像美でした。次回も楽しみにしてます!!

ピアノ・レッスン ★★★★☆
最初にこれだけは言いたいんですけど……。
ホリー・ハンターが美しすぎる……、もうそれだけ観るためだけでも良い……。
――原題は一言、『ピアノ』なんですね。あの鉛色の荒波打ち寄せる海辺に1台置かれたピアノのその画だけで、すべてが完璧すぎる。あんな美しい絵が存在するなんて、今まで知らなかった。
登場人物のすべてが苛烈。ただ、あまりにも偉大なエイダの強烈なキャラクターの美しさについてはもはや語る言葉が無いです。「呼吸を止めると決めたら成し遂げる」ほどの意志の力を持つ、というその一歩間違えれば喜劇的なまでの悲劇的な強さ。
クライマックスのあのシーン、私はエイダが1度はピアノと心中しようとしたと思ったんですけどどうなんでしょう。それでもやはり愛した男と生きたいと思った。そう見えたのでそう思っておくことにします。1度死んで、そして新しい人生を獲得した。

2024年映画の旅①

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2024年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

バベットの晩餐会 ★★★★☆
「世界中の芸術家たちの叫びが聞こえる。“最高の仕事をさせてくれ”」
究極、物語の幕切れにバベットが告げたこのたった一言。この一言に辿り着くためだけにすべてがある。全財産をはたいてでも創りたいものがあり、彼女は大切はひとたちのために迷わずそれを創り上げる。その様の、圧巻の凛と立つ美しさを。

劇場版 SPY×FAMILY CODE White ★★★☆☆
友人の誘いに乗って知らないアニメを観てみようの回。
でもヨルさんが可愛くって素敵でした!!(※原作は1巻だけ読んでます) 口紅って、半分はアブラなんだってゆうのは新知識。トイレネタについては「引っ張りすぎ~~~」って思ったし(笑)、あと、「冬の海でそんなに水被ったら凍死しちゃうよ~~~!!」って思いました(笑)。

哀れなるものたち ★★★★☆
大人のお伽噺。伝えたいことは非常に分かりやすくて、そして結末も『オズの魔法使い』とおんなじで「けっきょくおうちがいちばんでした、めでたしめでたし」で、新しいことをしてそうでものすごく古典的。可愛らしい物語はけっきょくそこからは乖離できないのかなってゆう悲しみもあります。エンドロールですべてが朽ちてゆく映像がとても美しかった。

ショコラ ★★★★☆
ジョニー・デップが純粋に美しかったあの頃……(書き出しこれでええんか……??)
だけどまじで、息を呑むようなジョニー・デップ……。そんでもってジュリエット・ビノシュは本当に可愛いなぁ。カロリーヌめちゃくちゃ綺麗だなぁこの役者さん誰だっけッて思ったらキャリー・アン・モスだったなるほど!(髪色がトリニティと違ってて分からんかった) でもやっぱり成長度合いと相まって、いちばん魅力的なのはジョゼフィーヌでした。ほんとにカッコ良かった。
『ショコラ』の名に恥じない甘さと苦さの物語でした。でも最後はとびっきりに甘くて本当に良かった。“こんなにハッピーエンドでいいんだ!!”ってゆうのは本当なんだけど、それでいいんだ!! ってゆう、ね。

スケアクロウ ★★★☆☆
もう本当に使い古され過ぎたありきたりな映画の宣伝文句があると思うんですけど、「驚愕のラスト!!!」。
これ、これです。もう本当にこれでしかない。まじで開いた口が塞がらないまま客電が点いた、あまりにも暴力的な(実際に暴力的なわけでは無くて、物語の終わらせ方が圧倒的に凶悪な)幕切れ。99%の驚愕のラストって、だけど、あ、終わるなって予兆があって終わるんですよ。そんなもの、この作品にはミリも無い。もう、驚愕の方向性はぜんぜん違うんだけど、真実の驚愕というのは、物語をぶっ壊すことで生まれるんだなという。強烈でした。あと、若いころのアル・パチーノはやっぱカッコ良すぎんのよ。

ゴールデンカムイ ★★★★☆
原作読んでない組としては情報量~~!!! って部分はあるんだけど、おそらくちゃんと丁寧に作ってあって良かったです。相当序盤なんよね、これね、読んでないんだけどね、原作ね。だから物語の盛り上がりとしては弱いんですけど(これから来るべき山場に備えている感じなので)、だから続きがんばって作って欲しいです!! 山崎賢人さんいつもありがとうございます!!

ボーはおそれている ★★★★☆
いろんなこと思った。それはもういろんなこと思った。いろんなこと思って、最終的に観た2時間後くらいに「フランツ・カフカかぁ……」って思い当たって、もうそれでしかなくなったな……。“「お父さん、お母さん、ぼくはいつもあなた方を愛していました」そして手を離した。この瞬間、橋の上にとめどない無限の雑踏がはじまった”(フランツ・カフカ著/池内紀訳『判決』岩波文庫)
未来世紀ブラジル』以上の、脳の処理が一切追いつかない情報量です(だって3時間あるからねぇぇぇ!!)。脳みそでろんでろんになりました冗談抜きで!!! まじでもう最終盤はまだこれに重ねんのぉ???!? 無理ィ~~~ってなりました(笑)、あぁぁ疲れた(笑)。あと、ママの訃報が届く以前から街の治安が死んでるのマジなんなん(笑)。

2023年映画の旅⑥

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2023年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ナポレオン ★★★★☆
いやもうほんとね、ずっとね、「金かかってんなぁ~~~!!!!」って思いながら観てました(笑)。
だってさ、ダヴィットのあのどでか絵画に描かれた豪華絢爛極まれりな戴冠式のシーンひとつとってね、衣装からセットから何から何までこれでもかってもはや過剰に執拗に金が投じられてんのがね!! もう疑う余地がないわけですよ!!! そんでそのシーンが一瞬で終わんの!! やー、すご!!!(笑)
ストーリーとしてはナポレオンの半生をもれなく追っております(だから戴冠式が秒なんだが)。まぁざっとナポ史については知ってたけど、あぁ~こういう時系列でこうか~~ってゆう、学び。しかしてジョゼフィーヌをもっとバリバリに描くかと思ってましたら、それはもう強烈で儚い複雑な愛憎関係でございました。
リドリー・スコットホアキン・フェニックス主演でナポレオンを撮るって聞いたときには、あまりにもらしすぎて何か笑っちゃったけど、やっぱり劇的でした。まぁ今作もナポレオンがバキバキに英語喋ってますけど、そこはもうそれで(笑)。

翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~ ★★★★☆
「埼玉にもタワーがある」って言い出した瞬間、あれ、もしかして……って思い出してしまった自分が……。日本地理に詳しすぎる(理由:自分の足で行っているため)自分が……。でも羅列された千葉のタワー、相当数分かんなかったな千葉出身だけど……(爆)。
とゆーわけで、第2弾です(笑)。関西土着ネタ、王道は分かるんだけどやっぱ細かいところの刺さり具合は関東の時より弱かったから、前作を他の地域の人が観るとやっぱりよう分からんのだったんだろうなってゆう(笑)。でも琵琶湖とその水害の歴史を語られ出した時になんか泣けてきちゃったから、疲れてるのかもしんない(笑)。とても楽しく拝見できましたし、魔夜峰央御大は今回もカッコ良かったです♡

ブラック・レイン ★★★★☆
高倉健が…鬼カッコ良かった……鬼カッコ……。松田優作がすごいって評らしいんだけど、もう高倉健に釘付けだった……。あと若山富三郎しゅごご……。そんで神山繁もすげかった、みんなすごい……。
とゆーわけで初めて観ました、1989年作品。思ってたのの5億倍完璧なヤクザ映画で客層渋すぎたけどそれはもうはちゃめちゃに惹き込まれちゃったな、みんなカッコいいしケイト・キャプショーちょー綺麗だし(てゆーかスピルバーグ夫人なのか!!)。
そのケイト演じるジョイスが最後に言った「愛憎関係は意外と長続きするのよ」って台詞は、今年1、2を争うくぅ~~~!!! って唸らされる美しさでした。こうゆうのやっぱりたまらんね!!

カサンドラ・クロス ★★★★☆
一言で表現するとしたら、「なんじゃこれ???!!???」ってゆう(笑)。すべてがなんかハチャメチャに雑なんだけど、それを力技で納得させようととにかく盛りまくった結果、なんかもしかしたらそれっぽくなったような気がする感じの映画でした(笑)。
詐欺師のおじいちゃんのエピソードとか胸に迫るし、ひとつひとつキラキラしてるんだけど、もうめちゃくちゃに欲張りもりもり。あとは“カサンドラ・クロス”ってゆぅ言葉の響きの持つ圧が強引にまとめ切ったバイオテロ鉄道アクション陰謀恋愛戦争映画(これが嘘偽りなく実態なんよ……)。ほんとにそれはソフィア・ローレンのやることじゃないのよってゆう(笑)。




2023年映画の旅⑤

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2023年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ザ・クリエイター/創造者 ★★★★☆
『ローグ・ワン』の監督最新作! って宣伝文句でやってて、そこで押す?? って思ってたんですけど、なんか観たらめちゃくちゃ納得しちゃった(笑)。なるほど確かにあの世界観でした。
とにかく掃討兵器ノマドの造形が与える生存への恐怖が凄まじい。

ドミノ ★★★☆☆
予告の時点から予測できてたけど、こうゆう映画ってなんかこうなっちゃうんだよね、知ってる~! 知ってて観たからいいんだけど、ほんとにやっぱりこうなるもんなんだなぁって思いながら観てました(笑)。私が口癖のように言ってる「こういう映画も必要だよねぇ~」ってゆう、ポップコーン映画です(笑)。そういう心持で観ると、とても良いと思います!!

男と女 ★★★☆☆
いやなんだろう、分かる、分かるよ。アンヌが感じるあのあれ…あの感じ!!(語彙力) あの感じが分かるあたりに、何か自分の女性性を感じましたね。
殆どただそれだけの映画です。それと切に美しい音楽と。ほんとに教養としての映画鑑賞という部分は大きいのですが、映画館で観なかった映画はものすごい確率で永遠に観ることが無い映画になるので、できるだけきちんと向き合っていきたいです。

ゴジラ-1.0 ★★★★★
これを書いている時点で2回観ています。日曜日に観て、次の水曜日にはもう2回目の鑑賞をしました。そして、今すぐにでももう1回観たいくらいには。私は間違いなく、この物語に、あまりにも強烈なリアリティと完璧な虚構の入り混じった圧倒的なこの物語に、完全に憑りつかれています。

1954年版の初代『ゴジラ』を観たのは、たぶん8歳とか9歳くらいの時なんだと思うのですが。当時の小さなブラウン管、戦後復興した東京のミニチュアセットの街と、その中で暴れるアクターの演じる水爆怪獣と、超兵器オキシジェンデストロイヤーを抱えてその怪獣と共に海に消えた芹沢博士と。
それから色々なゴジラを観ました(実際に人生で最初に観たゴジラは8歳の時の『ゴジラVSモスラ』です)。それはそれは本当に多様なゴジラだった。そしてそのどれもがゴジラだった。ただ、『シン・ゴジラ』が本当に新しいゴジラだったのに対して、今回の-1.0は、その舞台が初めて1954年以前であるということもあり、原点回帰であると共に更に深いところまで抉ってきたというのが。ゴジラゴジラとして存在する唯一の理由。反核そして反戦というその一点をひたすらに、狂おしいほどに純粋に掘り下げた。
1954年版と同じく銀座に上陸したゴジラが、その頃とは比にならない熱線を発しゴジラ史上最悪のキノコ雲を画面いっぱいに描いたそのシーンに。咆哮する主人公の上に降り注いだ黒い雨に。国も軍も無い、物資も人も乏しい民間人組織だけで現実解釈版オキシジェンデストロイヤーを携えて、54年版と同じく海での決戦に挑むその物語は、原点でありながら更にその先だった。だからこそ、海に消えた芹沢博士の二の舞は決して描いてはならない。だからこそ、敷島浩一は絶対に生きて帰ってこなければならない。

エンドロールが終わったその瞬間、「もう1回観ます!!!」ってなりました。戦争末期から戦後直後の日本を、山崎貴がもはや流石としか言いようのないVFXで描き切ったその景色の中で、息の詰まるまでの凄絶な熱演で全ての俳優たちが命を吹き込み、そして有無を言わさぬ反戦映画としてのゴジラとなった。
機雷ひとつについても、あんな撤去作業を行っていたことを初めて知りました。すべてやり場のないその悲しみと貧しさと怒りとが、あまりにも真実だった。だからこそ野田が決戦前に語った「生きるための戦い」という言葉が、本当に胸に迫る。
そんなこの映画いちばんのカタルシスは、でもどうやったって伊福部昭が遺した日本映画音楽の金字塔と言って差し支えないであろうあのメインテーマが本編でたった1回だけ流れ出したあの瞬間(1回だけって過去最少ではなかろうか)。あの音楽さえ流れればすべてがゴジラになる圧巻の説得力。
シン・ゴジラ』の後にこれを撮ったのは本当に素晴らしいです。この2作立て続けの後に日本でゴジラを撮れる人が出てくるのかという話だけど、いつかまた誰かが時代に呼ばれて撮るんだろうなと思います。今作で「国は当てにならない、自分たちでやるしかない」と語られたその物語は、結果的に今この時に呼ばれたからなのだと思うのです。

暗殺の森 ★★★☆☆
教養としての映画鑑賞。公開期間の最中がほんっっっとに仕事が忙しくて(ゴジラなかなか観に行けなかったのもそれが大きい)、休日の朝がぜんぜん起きれなくて、滑り込みで海老名まで行って最終日に観てきました。有識者が「物語を追おうとしてはいけない!」と言ってて、難しいことを言う…! と思いましたが、確かに。
最初は極限までぼんやりしていた物語自体も、回想と分からない回想が進むにつれてうっすらと輪郭が浮かび上がってくる。くるんだけれどもそれでけっきょく主人公の何が分かるのかとなるとほぼほぼ何も分からない。ただ明らかな手触りをもってひしひしと伝わってくるのは、重苦しい時代の空気感。時代というのは、いつであろうとそれぞれに悲劇的なのだと私はいつでも思ってしまう。本当に、世界は難しいですね。

ボルサリーノ ★★★☆☆
アラン・ドランを初めてちゃんと観ました。こいつぁ…カッコいいわ……。途中からめちゃくちゃ長瀬智也に似てんな、だとしたら長瀬智也すげぇなってゆう訳分からん感想になってきたけど、いやぁカッコ良かったわ……。いるだけで画面が出来上がっちゃうのもはやウケるな……。
ねぇほんとに作中当時の治安ってこんなだったん!?? ってゆぅ永遠の疑問はあるんですけど(『アンタッチャブル』とかはまじでそうだったんだろうなって切迫感があるからそうだったんでしょうけど……)、それにしたって最後の洒脱さは流石すぎる。脱帽。

ロスト・フライト ★★★★☆
ジェラルド・バトラー主演作の、この、実家のような安心感……!!!(こんな物騒な実家嫌すぎるが)
とゆうわけで、すごく面白かったです(笑)。ぜんぜん名作じゃないし映画史に名も残さないし、特におススメもしませんが、とにかくスタンダードに面白くって良かったです、なんじゃそりゃって感じだけど(笑)。



2023年映画の旅④

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2023年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

キングダム 運命の炎 ★★★★☆
3作目だけど、1作目からの諸々をすべてきっちり守りながら作り続けていてすごいとしか。今回も完全にそうなんですけど、1話完結シリーズものじゃなくてほんとに続きモノをこの規模でやり続けるってことがね。
1作目の頃は吉沢亮カッコ良すぎるとか大沢たかおヤバすぎるとか申しておりましたが、ここまでくると主演で支え続ける山崎賢人が凄すぎんかってなってくる山崎賢人すげぇよ……。彼には本当に頑張って続けていただきたく……。次作も楽しみにしております!!

アルゴ探検隊の大冒険 ★★★☆☆
話としてはまじでどうでもいいです(笑)。主人公が最初に出てきて「王を殺しに来た」って言っちゃった瞬間に、「君はバカなんですか!????!!?」ってなりましたよね!???? その王様ももちろんマヌケだし、謎に制約された手助けしかできない神々もマヌケだし、「ああぁぁあ~~~???」ってマヌケ展開しかないですが(笑)。映画技術の歴史を学ぶための1作だそうです(笑)。今の技術って本当に凄まじいんだなぁ~。

ミツバチのささやき ★★★☆☆
ギレルモ・デル・トロの『パンズ・ラビリンス』は1年くらい前にアマプラで観てて…でも1人で観る勇気が無くて友達と同時視聴して…「痛! いたたたた!!」とか言いながら観てたんですけど……。あれも比喩的な部分が色々ある作品でしたけど、本家本元の観念性は並じゃないなってゆう……。こういった映画の噛み応えは凄まじいですな……。アナ・トレントの過ぎるほどに美しい瞳が希望のすべてでした。

ステロイド・シティ ★★★★☆
「もう戻れないのだから、新しく試してみるべきなのよ」という、モノトーンの画面で語られたその台詞の美しさ。物語を読むということは、その中に自らを見出して必要な知啓を掬い上げる作業であるとするのなら、私にとってこの映画はおそらくこの一言に集約される。その言葉に出会えて良かったという、そういう物語でした。あと、宇宙人のデザインがヤバくて良かった(笑)。

名探偵ポワロベネチアの亡霊 ★★★★☆
ケネス・プラナー版ポワロ第3弾。なんだかんだでぜんぶ観てる。前作『ナイル殺人事件』で連続殺人の可能性というものに対して考えが及ぶようになったので、何人か死んでも気持ち強くいられました(笑)。ミステリーを小説で読むのがなかなか大変なタチなので、このシリーズにはめちゃくちゃ助けられてます。

劇場版シティーハンター 天使の涙 ★★★☆☆
最近になって映画というか映画館に行くということに楽しみを見出した友達が、私のまったく通って来てない系アニメを中心にガンガンに誘ってくるので……ある程度流されて観に行っているのですが……。シリーズものってそれまでの話を分かってなくてもちゃんと理解できるようになってるもんなんだなって感心してます(笑)。いや、分かってた方が感動ひとしおなのは重々承知なんですけど(笑)。なので、面白かったです!

ショーシャンクの空に ★★★★★
ずーっとずーっと、なんか辛そうな話っぽいよなぁ……と思って避けて通ってきたのですが……。たぶんここで観るべきなんだろうなぁと思いまして……。まぁ最初から辛みはあるんですけど、耐え忍ぶ間もそこまで凄惨には描いていないというか、とても抑制されたトーンで静謐に描いてくれており、ちょっとした、本当にちょっとした癒しをいくつも挟みつつ。染み渡るように自然に物語に惹きこんでくれてそりゃあだからみんな良いって言うよなぁって思いましたわよね……。カラス可愛い……。
ずーっとずーっと見かけてきたポスターのあのシーンが訪れたその瞬間に。あぁ、こんなにも力強い物語だったのかと思い知ったその瞬間に。そして今まで壁を映し続けたスクリーンに太平洋が映し出されたその瞬間に。涙が溢れて仕方が無かった。
思い切って向かい合えて良かった物語でした。あと言うまでも無いけど、まじでモーガン・フリーマンのあの佇まいは何にも増して素晴らしい。

グリーン・マイル ★★★★★
ずーっとずーっと、なんか辛そうな話っぽいよなぁ……と思って、避けるでもなく観ないできたのですが……。まぁもう思い切って観ましょうここまできらたら……ということで観てきました。まじで辛みはずーっとあるってゆうか、劇中で流されるあの活動写真が再びスクリーンに映し出されたその瞬間からもはや涙腺崩壊でぐっちゃぐちゃになったんですけど、それと共に『ショーシャンクの空に』とは決定的に違うのは、この物語は圧倒的にファンタジーだということ。
現実を抑えて描き切ったショーシャンクだけど、それは現実を辛くしちゃうと辛くしかならないからで、『グリーン・マイル』はファンタジーだからこそ誇張された醜悪さが必要だったということ。醜悪さが凶暴であればあるほど、その存在のすべてが謎でしかないジョンの美しさが際立って輝く。
上映時間が180分あると基本的にかなり観るのに気合が要るんですが、執拗なまでに描いたすべてを最後に結実させた物語は見事としか言いようがない。トム・ハンクスとかが素晴らしいのはもちろんなんだけど、悪役組の怪演が凄まじく残り続ける。
“ひとは皆、それぞれのグリーン・マイルを歩んでいる”――。