ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2017年映画の旅②

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2017年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

LION/ライオン~25年目のただいま~ ★★★★☆
ニコール・キッドマンの。彼女の存在に。もう、ひたすら、凄まじかったです。あの圧倒的な雰囲気。世界とは、歪なパーツの集合体である。

パッセンジャー ★★★★☆
私もさ、思ってたよ。予告編観てね、「美女と2人きりなんて運の良い奴だ」…って。
……違った\(^o^)/ 運じゃなかったスゴイ!!! もうね、その瞬間にすっごい納得しちゃって!! あーすごく良いって思っちゃいました(笑)。いやね、人でなしなんだけどね、けっきょくは起きなかったら何も知らないまま死んじゃってたわけだしね!??
てゆーか、当たり前なんだけど、登場人物が超少なかったけど、主人公2人を支える彼らがとても味わい深くて良かった。ロボットバーテンのアーサーには、スクラップになるその日まで彼らの物語を語って欲しいと、そう思うよ。
それにしても久々に宇宙もの観て、しょっぱなスクリーンいっぱいに宇宙船の画が映し出された時に、「やっぱり映画ってこうでなきゃ!!」って思いました。

ライフ・イズ・ビューティフル ★★★★☆
ラストの5秒で涙腺決壊しました。もう、他に言うべきことは無いです。緻密な計算の積み重ねのような物語がその最後に辿り着いた、理屈抜きに涙溢れる、あのセリフ。
確かにもうあざとさしかない物語なのかも知れないけど、午前10時の映画祭の事務局オフタイムで言っていた、「どストレートに〝これを撮るんだ!!〟という気骨がある」という、たぶんその気持ちが全てを完成させている。

ムーンライト ★★★★☆
観る前は「しんどいかもな~、しんどかったオブザイヤーになりかねないかもな~~」と、かなりドキドキしましたが…。で、観る人によっては確かに相当にしんどかったオブザイヤーに名を連ねかねないという印象もまた事実なのですが…。
各々の演技を観ているだけでただただ感動いたしました。マハーシャラ・アリに関しては、もうスクリーンに現れたその一瞬に「あ、なんかもう凄い。これは凄い」という、有無を言わさぬ説得力の固まりでした。ここまで個々人の演技が際立って切々と輝くなんて。圧巻。

裏窓 ★★★★☆
もーねー! リズよ、じっとしていたまえ!! …って感じでしたけども、もはやこの映画の見所はグレース・ケリー演じるリズが主人公の部屋を訪れるたびに違ったものを身につけているその衣装です!!!(断言) かつて青春時代を週6で映画館で過ごした私の母は言いました、「衣装ばっか観てた」。わーかーるー!!! そりゃあこんなん見せられちゃ衣装ばっか食い入るように観るわ(笑)。古き良き時代の着道楽って、本当にこう…芸術ですね。まぁ映画ですから、惜しみなく素敵な衣装を用意しているわけでしょうけれど。それにしたって!
ラストシーンはウィットが効きまくっていて、グレースの着ているバレンシアレッドのシャツも印象的に、にやっと笑ってしまいましたが。その前。事件の最終局面。あれが「え? で、やったの? やってなかったの!??」って混乱いたしまして。劇場を出る際に前を歩いていた老夫婦でもそのような会話がなされていたので、手掛かりを求めて聞き耳をたてたのですが(オイ)分からずじまいで。で、いまちょろっと検索で他人の見解を見てみたりもしたのですがやっぱり分からずじまいなので、こうゆうことはグレーにしておこう!! と思いました(笑)。やってる証拠なんてなーんも無いよね?(笑)
後半はもうハラハラドキドキで手に汗握るでしたが、前半は小さい笑いが各所にちりばめられていて、劇場内で笑いが漏れる場面が何度かあって、あーこうゆう雰囲気すっごい好き! って思いました。

フリー・ファイヤー ★★★★☆
冒頭の制作者からのメッセージを読んだ瞬間こそ「お、おぅ・・・」とうろたえましたが(笑)。登場人物そこそこ多くて、しかも割と似たような顔があって(笑)、「え? この人はどっちの一派なの!??」って多々なりましたが、そんな細かいことは本当はどーでもよいのです(笑)。密室でただひたすら、最終的には何かもうむかつくからってだけの理由で撃ちまくる。この映画に関しては、ただそれだけでいいのです! いやマジで!!
あと、月曜日の仕事帰りで観に行ったんですけど、曜日の割にお客さん入ってたけど自分も含めて全員1人で来てて、なんかもーすごいやる気ないけどある意味本気みたいな何とも言えない空気感で良かったです(笑)。作品とも相まってね(笑)。

アンタッチャブル ★★★★★
中盤からむせび泣き続けて、このまんま外に出られないよと思ってエンドロールの最中にずーっと涙をぬぐっていました!! 男には男の世界がある、そんな映画です。そしてこれこそがハードボイルド。観る前はショーン・コネリーに釘付けだろうなぁって思っていましたが、蓋を開けてみたら若き日のケヴィン・コスナーがめっちゃめちゃ素敵でした。

メッセージ ★★★★☆
難解な含みを持たせたラストの解釈、エンドロールの最中も迷い続けていましたが、劇場から一歩出た瞬間にハッと理解できたような気がして、とても足取りも軽く帰路につきました。観る前はカール・セーガン原作でジョディ・フォスターが主演した『コンタクト』を彷彿とさせるなって思っていたんですけど、まぁ割と傾向は似てると思いますが。やっぱり、SFってすごい。SF小説ってすごい。人類の想像力。そして、〝想像できることは実現できる〟のでしょう。

光をくれた人 ★★★★★
アリシア・ヴィキャンデルレイチェル・ワイズという、完全にキャストにつられて観たのですが…。予告編を観た段階ではそんなに期待していなかったのですが……めっちゃくちゃ良かった。すっごいもう、めっちゃくちゃ良かった。アリシアは『リリーのすべて』だと成熟した大人の女性だったけど、本作だとまだあどけない少女みがあってもうほんと流石。
あの光景だけで伝わる土地の持つ寂寞感。ただそこにある海を、岩を映し出すだけの画面の圧倒的な説得力。これは映画館で観るべき1本。

※トコロデ。この期間に『ハードコア』観たいなぁって思っていたのですが。1分半くらいの予告をPCの画面で観て酔ったので諦めました(笑)。三半規管が弱いんすよ…酔い止めで画面酔いって起こらなくなるのかなぁ(笑)。

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2017年映画の旅①

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2017年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。


沈黙 サイレンス
 ★★★★★
上映が終わり、客電がついてからも劇場内を帳のように覆ったあの、沈黙。それがすべてを物語っていたように思います。
原作は読んでいないのですが、なぜ古来から人々が何らかの信仰に縋らなくてはならないのか、「獣のように生きて死ぬ人々には、美しく死ぬことはとても容易い」というその言葉に何たるかを教えられた気がしました。それと同時に日本人として、仏教キリスト教について「似ているから、それぞれでよいではないか」「日本人は自然の中にしか神を見出せない」という、迫害弾圧する側の言葉にシンパシーを強烈に感じました。
途中で一切BGMとしての音楽が使用されていないことに気付いた瞬間の戦慄(讃美歌や読経はなされ、祭囃子は響く)。劇中曲の不在で「エンドロールはどうするんだろう…」という疑問がよぎったのですが、そのエンドロール。あの、エンドロール。劇場中の息を殺す気配。素晴らしかったです。

ネオン・デーモン ★★★★☆
「お譲ちゃん! そんな下着みたいな恰好で夜道を歩いてたらそりゃ危ないことになりますよ!!!?」って気持ちでした…(笑)。いやでもね、ルビーみたいな素敵なお姉さんにだったら許そ!? ね!!? とも思いました(オイ)。
てか、ルビーがガウチョパンツ履いてて、アメリカでも流行ってるんですねって思ったり。モデルたちの胸がぺったんこで、しかも「仕事のために胸を減らした」みたいな台詞があってあ~トレンドとは~~ってなった。だからエル・ファニングの太ももがちゃんとボリュームがあって、太ももはこれくらいがいちばん艶があるよね~~などと何かすごいこの感想ドイヒーだな(笑)。いつも割とそうだとしてもアレだな(笑)。
極彩色のネオンと、大音量のクラブ・ミュージック。美への執念と妄執、底なしの悪夢。

マリアンヌ ★★★★★
マリオン・コティヤールほっそ! ほっそい!!! …って心の中で叫びながら観てました(★5つつけといて最初の感想それかよ)。なんてゆうか、ブラット・ピットには昔からそんなにときめかないもので…。マリオン・コティヤールは去年『マクベス』で観たんだけど、こうやって再会を重ねると、昨年から始まった私の映画強化生活もそこそこ続いてるんだなぁと実感。彼女みたいなクラシックな美貌が好きなんですね、あたくし。その細身の美貌をタイトなドレスに包んで機関銃ぶっ放してるのたまりませんでしたね!!
…本題。てか、冒頭に頭の中で「仏領モロッコ、ナチスの旗、パリからの…OK、ドイツ軍にフランスが占領された後ねOK,OK」って確認しながら観ていたのですが、おそらくはこの作業が滞るとけっこう分からなくなってしまうのではないかと思った時に、特に歴史ものに関しては知識があること前提で作られているからとっつきにくいと感じる人がいるのか…と今更ですが思いました。私は歴史もの大好き人間なので、むしろ戦時下のロンドンでの生活があんな感じだったのか~っていうところを興味津津に観ていましたが。
「彼女はドイツ兵だらけの酒場のピアノで、ラ・マルセイエーズを弾いたんだ」「あなたは空襲の夜に生まれたの」。

マグニフィセント・セブン ★★★★★
昨秋に『七人の侍』を観て、多大な衝撃と共に号泣した身としては「どうかな~」と思って観たのですが(『荒野の7人』は観たことないです)…とても、とても良かった…。てゆーか、デンゼル・ワシントンがカッコ良すぎて吐きそうだった…。あとイ・ビョンホンがそれはもう素敵だった……。
7人のメンバーが人種・国籍バラバラなのがとても現代的で良かったと思います。それに関して執拗な描写が無かったところもね。なんとなく『ヘイトフル・エイト』を彷彿とさせたけど、真逆の方法で同じことを描こうとしているような印象も受けたり。あーあと私は本当に純粋に、西部劇の衣装が好きです(笑)。本作でイ・ビョンホンにぼーっとなった最大要因はそれだと思う(笑)。で、なんで西部劇の衣装が好きかって言ったら、西部劇じゃなくて『スター・ウォーズ』のハン・ソロなんだけど(笑)。

ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち ★★★☆☆
いろんなギミック・トリックが凝っててすごい楽しかったんだけど、やっぱり私はこれを観るには歳を取り過ぎた!! いや、あるいは私にはこれを観るのに適した歳とか無かったかも!! って思いました(笑)。『バックトゥザフューチャー』観た時とおんなじ感覚かも。

お譲さん ★★★☆☆
官能美に特化した映画かな~と思って呑気にそういったことを楽しんでいたらすっげーミステリーだった!! しかしお嬢様の衣装が見事すぎてため息ものだし、女同士の情事は、なんというか潔癖だよね。天女のもののような。

ラ・ラ・ランド ★★★★★
“映画の魔法があなたを包む”――ああ、まさしくだ!!! って思いました。開始4分の3までは想像の18倍くらいお気楽で楽しかったし、最後の4分の1の胸張り裂けんばかりの圧倒的な美しさ!!
往年の映画監督たちは、こういうシーンを描きたくて、でも技術がまだなくて、いざ技術が出現した時には、映画監督たちはもう違うものを表現しようとしていて。長い年月を経てついに辿り着いたのではないか。そんな気がしました。
夏目友人帳』で有名な漫画家の緑川ゆきさんが、15年以上前に自身の抽象的な表現方法の限界に挑んだ『花の跡』という短編作品があって、私はそれを思い出しました。だからたぶん、色々感じる人といまいちピンとこない人に分かれそうだけど、それは何て素晴らしい。人生は何て美しい。


アサシンクリード ★★★★☆
博士をマリオン・コティヤールが演じてたことに、観終わってから作品HP観て知った\(^o^)/ 雰囲気違いすぎて分かんなかった…(笑)。すっげぇ印象的な瞳だなぁとは思ってたけど。とーちゃん博士役のジェレミー・アイアンズに関しては「どっかで観たことあるんだよな~~」って思ってたら、『ある天文学者の恋文』の天文学者だった。なるほどね!
いやもう、何の不安も緊張感もなしにアクション楽しめたし、途中から「こうなれ! こうなれ!!」って念じてたラストに雪崩れ込んでくれてスッキリ爽快だったし、あわよくば続編作りたいよ!! ってゆうの見え見えなのもすごく良かった(笑)。
ただ、キーワードになる過去が「1492年、スペイン」って冒頭でクレジットされた瞬間に「ああ、グラナダが陥落してレコンキスタイベリア半島における、キリスト教徒によるイスラム教徒からの国土回復戦争)が完了して、コロンブスが新大陸に到達した年だ」ってパって思いつくかどうか、まぁつかなくてもぜんぜん大丈夫だと思うけど。ついた方がやっぱりワクワクするんだよなぁって西洋史オタクは思いました(笑)。今更過ぎるけど、歴史ものもSFも大好きすぎるな私!!!

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2016年 映画の旅④

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。
「2016年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。
あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

七人の侍 ★★★★★
圧巻。もはや何も言えない。全てにおいて、凄まじい。『シン・ゴジラ』が平成で描こうとしたものと、きっと同じなのだろうなぁとも思いました。久右エ門の婆様に圧倒されたのですが、ウィキペディアで演者のことを知って更に圧倒されました。観れて良かった、本当に。心から。

五日物語 3つの王国と3人の女 ★★★★☆
すべて大人の愚かさを切り裂いた、1人の少女の美しさが鮮烈でした。朝イチの上映回で観て、その後にもう1本何か観てもいいなぁ~と気楽に考えていたのですが、もうこれだけでいっぱいいっぱいになってしまった…。てゆーか、でも、ノミ好きだわ(笑)。なんなんだよお前は(笑)。

ローグ・ワン ★★★★☆
ルーク~~~がんばってくれよ~~~~、お前は新たなる希望なんだよ~~~~~…って思いました(笑)。エピソード4を作った時点では、まさかこんな重いバックボーンが後々制作されるなんて誰も思ってなかったためノリの落差は凄まじいけれど、圧倒的スター・ウォーズ世界でした。座頭市(勝手にそう呼んでる)カッコいい。そしてこの作品を見た数日後にキャリー・フィッシャーの訃報に接しました。レイア姫をありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。

めまい ★★★☆☆
20年ぶりくらいに観ました(当時はもちろんちっちゃいブラウン管で)。しかして記憶にあるのはクライマックスシーンだけでござったが…。「ああ、そうだった。や、こんなだった??」って思いながら観ていましたが、とりあえずスコティがぜんぜん良い男じゃないし!! ミッジ賢明なのに踏み誤って可哀想!!! ってなっておりました(そういう映画じゃない気は多々している)。ヒロインのマデリンが26歳設定だったことが最大の衝撃(36歳くらいかと思ってた…)。
そして唯一記憶にあったクライマックスシーン。その20秒前までぜんぜん話の流れ覚えてなかったからもうむしろ自分すごいなって思ったけど、最後だけ出てくる老齢のシスターが吹き替えだとものすごいおばあちゃんな声だったけど、本物は澄んだ綺麗な声だったなっていう…本当に最終シーンだけ鮮烈に覚えてたんだなって思いました。

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2016年 映画の旅③

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。
「2016年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。
あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

インデペンデンス・デイ:リサージェンス ★★★★☆
あはは~、ちょー面白かった~(笑)。痛快明快爽快ハリウッド大作ここにあり。そして特筆すべきは、私が人生で初めて劇場のスクリーンで観た外国映画は前作『インデペンデンス・デイ』(1996年作品)だったのです。
いやね、だからと言ってね、すごい軽い気持ちで観に行ったの! 『スター・ウォーズ』とはぜんぜん違う気持ちで観に行ったの! 映画観てる最中ってあんまりもの食べないんだけど、片手に抱えるポップコーンとコーヒーを持ち込んだよね、それ齧りながら観るに相応しかったよね!! 「映画にはポップコーン」が似合う映画だった(笑)。
けど、往時の懐かしいキャラクターに…そりゃあハン・ソロほどの高揚がそこに無くたって…「えーっとこのおっちゃん誰だっけ??」って思ってたら博士が「ダディ!!」叫んで「あー! とーちゃん!! そーいやとーちゃんいたわ!!!」って(笑)。人類が最後に勝つのは分かってるから、すごい安心して観てられるし。あと、球体ちゃん可愛かった(笑)。

シン・ゴジラ ★★★★★
ストーリー、技術、その他すべてに対して日本の底力を感じました。日本映画界の矜持を観た気が致します。そして特筆すべきは、私が人生で初めて劇場のスクリーンで観た映画は『ゴジラVSモスラ』(1992年作品)だったのです。
てか、ワタクシ、いわゆる平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)以前のゴジラ作品をほとんど鑑賞しています。おもに小学生時代だったので記憶が鮮明とは言いかねますが、仮面ライダーや戦隊ものでなく、私はウルトラマンゴジラで育ちました。円谷作品にて育ちました。つい先日には、この『シン・ゴジラ』鑑賞直前にたまたまTVで放映していた1作目の『ゴジラ』を20数年ぶりに観たんですが、その造形と鳴き声はすでに完成されきっていて驚愕でした。
そして、2016年夏。あの1作目の『ゴジラ』以来の、引き継がれてきた確固たるメッセージを現代日本に還元して描き切った、『シン・ゴジラ』。作り上げたすべての方々に敬意を。これは新たな到達点。
新幹線が走り出した瞬間、本当にワクワクして、あのシーンは怪獣映画に延々流れてきた血脈を感じました。あれがあったからこそ社会ドラマじゃなくてゴジラになった気がする。

ゲッタウェイ ★★★☆☆
スティーヴ・マックィーンをちゃんと観たことが無かったのですが、なんだか自分はすごくトキメクんじゃなかろうかと思って観に行ったのですが、そんなにはときめかなかった…(笑)。内容的なものもあったからかもしんないけど。
ダメ男とダメ女の逃避行でした(笑)。それよりも何よりも、ハロルドの件についてはもうヤバさしかなかった。そこに関しては圧倒的な悲劇だけど、本筋とは一切関係が無い。けど、もうハロルドだよ。

アンナとアントワーヌ 愛の協奏曲 ★★★☆☆
イメージし得る限りの全力のフランス映画だった…と共に、若い頃は自分は絶対にフランス映画なんか観れないだろうと思っていたけれど、きちんと観れるようになったというか(笑)。最後の4人で話し合うシーン、「あ~~そりゃあまぁそうなるよね~~。そしていつも強いのは女なのだね~~~」って思いました。アントワーヌととーちゃんの関係がすっごい素敵だなってしみじみしてる。その父子愛がいちばん素敵。

コロニア ★★★★☆
く、くたびれた・・・。あぁ、でもとても良かったです。チリにこういう歴史があったこととか全く知らなかった。エマ・ワトソン演じるレナもだけど、ヴィッキー・クリープス演じるウルセルが心に響いきました。「彼は生き延びられなかった」「置いて行けない」、そしてあの結末。けれど、例え一瞬間であったとしても、あれは彼女の人生で何よりも幸福な時間であり必要な時間であったと思うのです。静謐な存在感でした。こういう作品を観るたびに、歴史は空恐ろしいって思います。本当に。

高慢と偏見とゾンビ ★★★★☆
やーもー発想が素晴らしいですよね!! そんでもって見目麗しい女の子たちが上等なドレスヒラヒラさせながら暗剣やら拳法やらでためらいなくゾンビどもをぶっとばすのは観ていて爽快ですね!! うちの母が、「映画では衣装ばっかり観てる」って言ってたけど、ほんとソレ。リリー・ジェームズ演じるエリザベスが美し過ぎた…。加えて大仰な音楽も良かった!

キング・オブ・エジプト ★★☆☆☆
いや~~、世界にはね、やっぱりもうこういうハラハラドキドキも一切しないしなのになぜか無駄に金がかかっていて、でも繰り出すCGはもはや逆にアニメだね!!? みたいな…何も考えずにただダラダラとポップコーン齧りながら観るための映画が必要だと思います。とゆーわけでそういう観方をして来ました。どーでもいい映画オブザイヤー(褒めてます)。

ある天文学者の恋文 ★★★☆☆
期待しすぎたのが敗因…。私、『海の上のピアニスト』が吐くほど好きだからさ…。「ケータイは! マナーモードに! しようぜ!!」って思いました(笑)。時代劇が好きなんだろうね、私。

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2016年 映画の旅②

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。
「2016年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。
あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

マクベス ★★★☆☆
しんどかった・・・(笑)。ただ『レヴェナント』と違うのは美人(マリオン・コティヤール)がおわしましますことと、尺が短い(120分だから標準なんだけど、『レヴェナント』が3時間あったからさ…)こと。でも重厚であるのはシェイクスピアであるからにして、シェイクスピア史劇に手っ取り早く触れられます。ワタクシめなどは『マクベス』と聞いて真っ先に浮かんだあらすじがどー考えても『リア王』で、「違うな…??」と気付いて次に浮かんだのが『オセロー』という酷い有様でしたが、これで『マクベス』が何たるか分かったよ!! 荒野の魔女たちの瞳が印象的でした。

マイ・フェア・レディ ★★★★☆
オードリーは本当に素敵だなぁ…。しかしそれよりも何よりも序盤の不快な喋り方の怪演ヤバかったなぁ……。やっぱり時代は感じるんだけど、でも各所で笑いがこぼれていて、笑いの間って時代も国も越えるんだなぁと実感いたしました。上映中に休憩があったのは『風と共に去りぬ』以来の2度目の経験でしたが、その間に劇場内に売り子さんがフードとドリンク売りに来てそれもなんかとても良かったです(笑)。

ヘイル、シーザー! ★★★☆☆
古き良き時代の映画を観た直後にこちらを観ました。そういう形で観ることができて良かったなぁと。劇中劇『ヘイル、シーザー!』は『ベン・ハー』へのオマージュなんでしょうけど、その『ベン・ハー』リメイクの報を聞いて「あうへはぁあ~~??」って気持ちです(笑)。

ロシュフォールの恋人たち ★★★★★
私! こーゆーの! すごく! 好きなんだ!! ってこの歳で初めて気付いた(笑)。ぜったい苦手だと思ってたし、だからと言って別に避けようとするでもなく、よっぽど積極的にならないと出会えないよねぇ。かなり遅まきになってしまったけれども、とにかく出会えてよかった。大音響でずーっと大仰な音楽が鳴ってるのすごーい楽しい。演出も衣装もちょー可愛い。ミュージカル駄目って人がいるのもものすごくよく分かるんだけど、なんかもうずっと楽しかった(笑)。あのラストシーン観たら、やっぱりフランス人ただごとじゃないなって思いました!!!

神様メール ★★★★☆
すべてが無茶苦茶なんだけど、映画も漫画も小説もこのくらい荒唐無稽であって欲しい!! すべからく切実なことは物語の形を取って語られるべきだし、それは思いっきり現実離れしていて欲しいの。私にとってはその方が、沁み込むように受け入れられるから。ビリ・グロワーヌ演じるエアが超キュート。私自身は宗教的には日本の土着信仰(アミニズム逞しい野性的な神道)と大乗仏教と無宗教をないまぜにした思想なんですけど(どんなだよ)、クリスチャンの人とかその他宗徒の方はどう感じるんだろう。最初の歴史を語るシーンとか世界観いろいろ飛躍しまくっててすごかった。

ロイヤル・ナイト 英国王女の秘密の外出 ★★★☆☆
サラ・ガドンが美し過ぎた…。ドレス姿が美しいのはもちろんなんだが、軍服。あれ、あれヤバイね……。「他言無用よ」って、あれ、あれな…!! 物語としてはちょっと辛めの『ローマの休日』であり、戦争という時代背景があるために主人公たちはアン王女たちよりも大人で分別があり、そして悪戯心がある。それにしても歴史上の有名人、特に生まれた時から宿命づけられた王侯貴族は存命中からこうやって描かれるから大変だなぁって思いました(笑)。本作で言えばマーガレット王女とか、損な役回りよね(笑)。まぁ、彼女はすでに他界しておられますが。冒頭に実際の当時の映像が使われているんだけれど、それがすごいぐっときました。

素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店 ★★★☆☆
すっごい素朴なメン・イン・ブラックみたいな(違う)。で、しっかり泣かせられるって言うね(笑)。それにしても字幕色分けは初めての体験だった…。オランダの作品だから、ただでさえあの国って言語が入り乱れてるんだよね。ナチュラルにぶっ込んでくるよね、困惑だよ(笑)。ヒンドゥー語きたときは本当にぶっ飛びました(笑)。

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART1 ★★★☆☆
子供の頃に観てたかったなぁ~。この歳まで1度たりとも観たことなかったんです、なんでだろう。さんざんTVとかでやってただろうに。わくわくしたし面白かったんだけど、たぶんこの歳で初見じゃなくて10歳の頃観た感覚を思い出しながら再びスクリーンで味わいたかったので、なんか悔しい。悔しすだよ。

ブルックリン ★★★☆☆
「忘れてた ここはそういう街だった」、その一言の後に走り出すヒロインにぐっときました。人生はそうであっていいんだよって背中を押してくれる。ヒロインの周りの男性陣にはいっさい惹かれないんだけど(笑)、女性陣の強さと美しさがたまらなく魅力的でした。大人の女性があどけない女の子をちゃんと導いてあげるの、素敵よね。あと本筋には大きく関係ないのだけれど、アイルランド移民の貧しいおじいさんの独唱が胸を衝く。あれはなんだろう。美しい佳作。

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