ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

習作としての言葉たち。

「続けるだけじゃどこにも辿りつけない」

船を降りる直前に彼は言った。
いや、以前から言い続けていた。
「続けるだけじゃ意味が無い、希望を提示しなくてはならない」。

それに加えて私自身が学んだことは、
「続けることによって在ったはずの美しさが根こそぎ破壊されて思い出せなくなってしまう危険がある」。

今船を降りれば、あるいは丁寧に時間をかけて船を修理して、もう1度海原を走らせることは可能かもしれない。その可能性が微かでも残っているのならば、おそらくは降りるべきなのだ。
修理すべき時を見誤り、帆も舵ももはや修復不能となり船底からの浸水に船体が大きく傾き、底知れぬ海中へと引きずり込まれてからでは遅いのだ。あるいはもう少し船を走らせれば、地上の楽園のような島に行きあたるのではないかという根拠なき妄執に囚われてはならないのだ。


私はそれを、理解する。
私自身の経験として。
そして、思いを馳せる。
全く見当外れかもしれないけれど、それでも触れられたような気になる。
それでいいと思う。
だって私は今、泣いているのだから。

俺は泣いているのか。