ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

坂東三十三所巡礼9日目 慈光寺

2021年5月2日(日)

⑮第九番 都幾山 慈光寺
住まいのある神奈川県内9か寺の巡拝が済んでしまったので、いよいよどこを選んでも大変になってまいりました。これ以降は雨の季節もやってきますし、三十六不動尊巡礼もありますし、たぶんペースが落ちるんじゃないかと思います。思いますが天気が良ければ出かけるかも知んない……。とはいえ、ぼさっと起きて行ける距離でもなくなっているので、決め打ちで目覚まし時計かけなきゃなんだよなぁ……。

しかしながらこの日は前日から大気の状態が不安定と言われており、山に行くにはかなりの不安がございました。早朝の神奈川県内はキレイに晴れてる。だども前日も前々日も午後だったり夕方から急に天気が崩れて雷雨になったりとかしてた。山はリスキーだぁ、どうしよう……しかし今の勢いで行くのが良い気がする……、と悩みに悩みつつもえいやと出発です。目指すは八高線の明覚駅。人生初の八高線突入です。いやぁ~、行きは本当に長く感じましたなぁ。こんなに遠いのか、埼玉のこの辺。今後おそらくは秩父三十四ヶ所にも挑みたくあるのですが、いやはや~~。

そしてやっとこ辿り着いた明覚駅。空は一応青空が見えるんだが、山の方には不穏な色味の雲が所々……。しかし我はここまで来てしまったのだ。もちろん折り畳み傘はリュックに入っているし、念を入れて合羽も持ってきた。本当にもう観音様に祈る気持ちで駅から一歩を踏み出します。
そう、この日は本当にストイックです。なぜなら、3月末までは運行していた慈光寺方面行の路線バスが土日は完全に廃止になってしまったのです(平日も早朝に数便あるのみ)。タクシーを呼ぶか、歩くか。ええ、歩きましょう片道7km山登り付き! 山登りとは言っても、ちゃんと舗装されて車が上がれるような道です。ぜんぜん行けます。行けるのか……? いや、だからここまで来たら行くしかないのです。頑張るよ!!

とゆーわけで頑張りました。おおむね道中は広めの歩道がありまして、複雑な道順もなくほとんど1本道なので苦労はそんなにしません。途中から慈光寺の位置するときがわ町の由来である都幾川と並行して進み、非常に清々しいです。天気もまだもっていてくれています。と同時に驚いたのですが、ロードバイクで走る人の数がめちゃくちゃ多い。さっき調べてみたら屈指のヒルクライムポイントっぽく、大会などの舞台にもなっているそう。なんかこうして今まで訪れることのなかった場所を歩いていると、世界は広くて人々は多様であるっちゅーことをライブ遠征で日本全国飛び回ってた時よりすごい感じるのは、きっとこうして歩いている時間が長いからなんでしょうね……。
余談ですが帰り際に駅の近くでロードバイクにまたがった3人のおじさんが「いつもより全然人少ない」と話していたので、普段はもっと走っているみたい。

駅からすたこら歩いて確か70~80分で慈光寺入口(山の下らたへん)に到着。事前に調べていたショートカットの道を見落として川沿いそのまま歩いてしまったのと、直前にそれこそロードバイカーやハイカーのための公衆トイレがあったので立ち寄った時間も含めます。片道100分の予定でいたので、まぁまぁといった感じでしょうか。登り始めて直後に女人堂がありますので、もう本当に真剣に天気のことをお願いしましてから、本格的に登り始めます。

車は時々やってきますが、道も広いしすれ違うのに困るような場所もあまりなく、その辺の苦労は無かったです。路面は前日の雨と最近まで咲いていたであろう八重桜の花びらで少々滑りやすかったですが、あーここも桜の季節は本当に素晴らしいんだろうなぁと思い馳せましたわよね。でも桜の季節は短いから難しいわよね……。
しかし、満開だったのはシャガ。群生地ということで本当に道なりにずーっと咲いていていてくれました。この巡礼を始めてからシャガの花を意識するようになったなぁ。お寺さん周りには本当にこのお花が多い。

しかし、なんとこの山道の途中で遠く雷鳴を聞くのであります、マジかよ……。気合を入れてペースを上げます。入口の石碑が見えた時には本当にほっとしたわよ……。門に向かう階段で1匹の猫さんが現れて、こちらを気にするでもなくすたすたと前を歩いてくれたの嬉しかったなぁ。門前で「あら~、お帰りね~」って抱き上げられていたので、完全にお寺さんの子ね。きゃわ……。
いの一番に観音堂に向かいお参りを済ませ、本堂で御朱印をいただきます。この際、ご本尊はじめお堂内をご覧ください、こちらもどうぞとご案内いただきました。ありがたやー。

ただ、あまりゆっくりもしていられないので(なぜならまた全行程徒歩で駅まで戻らねばならないため)、お昼前くらいに下山を開始します。なんということでしょう、下りってちょーラクだし早い……。もうすぐ下の道路に出るというくらいでぽつぽつと降られましたが、本降りにはならず。帰りはちゃんとショートカットの道も使って、日差しと青空にも恵まれて駅前まで辿り着きました。観音様ありがとうございました……。

次の電車まで1時間近くあるので、近くの古民家カフェを覗いてみたのですが待っている人もいるようだったので却下。駅前の廃墟のような見た目(まじで)のデイリーヤマザキで自家製サンドイッチ他を買って、駅前のベンチで食べることにします。サンドイッチは美味しかったし、すっかり晴れ渡った空の下は清々しかったし、駅前なのに人はぜんぜんいないしでちょー気持ち良いランチでした。でも本当にデイリーヤマザキの見た目は廃墟でした。写真とかは流石に無いので、興味のある方は明覚駅前のデイリーヤマザキに行ってみてください。中は普通にキレイで清潔です。分からん、この直後に改修されてピカピカになるかも知らん。

そうして1時間後にやってきた電車に揺られて帰る時間は、行きよりも短く感じたのでございました。はぁ~、本当にストイックだったけど面白かったです。たぶんこういう回があと何回か発生する気がします。が、がんばるぞい……!

 
 
 
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坂東三十三所巡礼8日目 勝福寺・光明寺 / 関東三十六不動尊巡礼1日目 清瀧不動

2021年4月24日(土)

⑬第五番 飯泉山 勝福寺(飯泉観音)
天気が良かったので(毎回それ言ってんな……)、いそいそと東海道線に乗り込んで小田原の1コ手前の鴨宮駅へ。初めて降りてホームから見える富士山の大きさに感動。ここまで小田原に近いんだから当たり前なんだけど、山ひとつにここまで感情を揺さぶられるって、山頂に白雪を戴いた霊峰富士は本当に素晴らしいとしか言いようがないし、この山を信仰の対象にした人々の気持ちはとてもよく分かるのです。

飯泉観音を目指して20分ほど住宅街を行けばそのお姿は家々に隠れて見えなくなったのですが、非常に穏やかなその街並みを抜けて辿り着いたお寺さんもまたゆっくりとした時間が流れている静かな場所でございました。天然記念物のイチョウの巨木が境内にそびえていて、秋の黄葉も見事そう。

ーーさて。飯泉観音にお参りを済ませたワタクシは鴨宮駅には戻らず、伊豆箱根鉄道大雄山線(こんな路線があったこと自体を今回初めて知りました……)の五百羅漢駅まで20分ほど歩きます。なんとまさかの、タイトルにあります通り、新企画勃発です。

第二番 大雄山 金剛壽院 道了尊 最乗寺(清瀧不動尊
はい、関東三十六不動尊巡礼、ここよりスタートです。こちらの巡礼をすべてブログに書くだけの力が残されているのか私には少々自身が無いのですが、今回は坂東さんと抱き合わせになったことですし、発願回にもなりましたからこちらにしたためさせていただく次第。
三十六不動尊巡礼自体は1970年代以降に日本各地で次々と制定されていった霊場で(関東は1987年制定)、西国や坂東に比すると歴史は無く、現代に改めて寺院に人を呼ぶために制定されたフシがあります。ので、特に坂東が長い月日の果てに寺院同士の格差が大きく開いてしまっているのに対し、こちらはそこまでのことは無いんじゃないかなぁと思っているんだけどまだ始めたばっかりだから正直分かんないよね!

大雄山線の終点・大雄山駅から路線バスに乗り込んで(最近、路線バスの使い方がうまくなってきた気がするよ!)、終点の導了尊最乗寺へ。本堂他、大きなお堂が多い立派なお寺さんでございます。このお寺さんにお伺いしようと思ったきっかけはSNSで見たとんでもねー階段の写真だったのですが、その階段は奥の院に向かう際にありました。奥の院があると行かずにはいられない、階段があると登らずにはいられない、この謎の性。とはいえ、一直線の階段でここまでの段数は初めてだったかもしれない(もとより、それ以前にそこそこ階段登ってきてる)。ここは本当に凄まじかった……。登る価値、めちゃくちゃあります。階段お好きな方には是が非でもお勧めしたい。てゆーか書きながらの今気づいたんだけど、私たぶん階段萌えなんじゃろなぁ……。

そんなこんな奥の院まで無事にお参りできて、小田原に戻ってきて駅ビルで立派な天丼食べてめっちゃお腹いっぱいになったところで坂東さんに戻ります。

 
 
 
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⑬第七番 金目山 光明寺(金目観音)
小田原駅から今度は小田急線に乗り込みます。この日はものすごいあっちゃこっちゃ路線を乗り継ぎまくりです。向かったのは人生初の秦野……そしてすぐさま戸塚駅行の神奈川中央バスに乗り込みます。この辺の地域ではお世話になりまくりよカナチュウバス、乗り方も慣れた……。
そんなバスで少し走ると、景色は徐々に畑が広がる少々山なゾーンに突入。完全な思い込みだけど、このあたりってずーっと住宅地だと思ってたので心が和むとともに、え、じゃあ思ってるよりか山ん中のお寺!? と少々焦る。

しかして辿り着いたのは住宅街の中、とても心地よい水音を響かせる金目川のほとりのこじんまりながら非常に凛と美しいお堂。近所の子と思わしき男の子が自由に遊んでおりまして、日常の一部なんだろうなぁ。君が水琴窟の竹筒に耳を当ててくれたおかげで、私も水琴窟の聴き方が分かったよ……。金目川と相まって、とても水の印象が強いお寺になりました。小さな小さなご本尊(秘仏)は金目川下流で見つかったという伝承のあるお寺ですものなぁ~。

もう少し川沿いでその水音に耳を澄ませていたい気分でもございましたが、ゆっくりできるような場所が無くて完全なる歩道にいるしかなくなってしまうので、少々後ろ髪引かれつつもバス停に戻り、そのまま戸塚駅まで抜けます。時刻表とにらめっこしなくてもすぐにバスが来てくれるの、まじめちゃくちゃ有難い。しかし確かに小田急とJRの間のこの地域だと、公共交通機関はバスに頼るしかなくなりますし、これだけ住宅が広がっておりますものね。
そんなこんな、神奈川西部を縦横無尽に駆け巡った坂東8日目、そして関東不動尊1日目でございました。この日も良いお参りだったなぁ~ってしみじみ思えるよね!

 
 
 
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坂東三十三所巡礼7日目 安養院・岩殿寺・弘明寺

2021年4月18日(日)

⑩第三番 祇園山 安養院田代寺(田代観音)
おうちでお昼ご飯を食べた後、あまりにも天気が良かったので(前もそんなこと言ってなかった??)、おもむろに出発。午後に家を出ることなんてもう2度と無いだろうし、にもかかわらず3か寺もお参りすることはこの巡礼においては決して無いな……。

そんなわけで、7日目は遅めのスタートで発願の地である鎌倉に今再び向かいます。ほんとは安養院には名物のツツジが満開の頃合いを狙いたくて、日夜SNSで現状の開花状況を調査しまくっていたのですが、でもこんな午後から出発して行けるお寺さんはもはや鎌倉に残されたここらた辺しか残っていないわけで……まあ、いいか。
昼下がりの鎌倉の町中をふわふわと15分ほど歩いて辿り着いたそこは、まぁツツジは3分咲きくらいだったけど、でも品種によってはもう終わりかけの木もありましたわね。満開になったらお寺回りも賑やかになりそうだし、この日の限りでは非常に落ち着いていて良かったです。本堂の裏手に回り込むと、伝北条政子の墓がございます。鎌倉の町中は市議選もやってて賑やかでござんした。

⑪第二番 海雲山 岩殿寺(岩殿観音)
安養院を出て鎌倉駅には戻らず、そのまま逗子市方面へとずいずい歩いていきます。もしかしたら人生初・逗子かも知んない。それにしてもトンネルを徒歩で抜けるのって常に命の危険を感じるよね。いくら歩道があっても怖いよね。そんな市境のトンネルを抜けた逗子市に二番のお寺さんがあります。事前に地図を確認した際、だいぶ入り組んでる道だな~と思っていましたが、複雑な住宅街の中、曲がり角やら十字路やらあらゆる個所に“岩殿寺⇒”って立札があるからめちゃくちゃ助かる。辿って行ったら無事に着いたわよ!

観音堂までそこそこ階段を上がりますが、こちらの階段は段が適度な高さなのできつくは無いです。山奥にひっそりと佇む……という表現が非常にしっくりきます。鄙びた、おそらくは少々手入れが行き届いていないであろうというその雰囲気も相まって。
やっぱり坂東さんって鎌倉時代に成立した霊場ゆえに、多くが7-9世紀ごろ創建という長い歴史を持ち得ながらも、以後800年の激動の歴史の中でまさに栄枯盛衰があったのだろうと思うことが多々あり、この道中で私の頭の中にはずーっと『平家物語』のあの冒頭の一節がぐーるぐるしております。祇園精舎の鐘の音。可能なら30年後くらいにまたこの道を辿ってみたいと思うようになっております。あと30年でまた歴史が刻まれる気がするんです。

⑫第十四番 瑞応山 弘明寺弘明寺観音)
さて、岩殿寺をお参りしたも鎌倉方面を背にして、そのまま京急の逗子・葉山駅を目指します。適当に雰囲気だけで歩いてたらうすらぼんやり迷ったけど、今はスマホに訊けばすぐ道を教えてもらえるからホント便利な世の中よね! 断然紙の地図派だったんだけど、持ち歩くこともぐっと減ってしまいましたなー。
そんなこんなで京急線に乗っかって、弘明寺駅で途中下車。駅名を冠してるだけあって、これはもはや駅直結。やばいくらいすぐ。16時過ぎくらいの時間帯だったせいもあって、商店街も賑わってて何とゆうか浅草をすごいスケールダウンさせた感じで超良い雰囲気。地元の方なんだろうなぁ、すっげーパンクな格好をしたお姉さんが門前を通り過ぎる際に一礼をされていったのがとてもとても印象的でした。ここは本当に門前町なんだ。

ちょっと駆け足だったけど、でもしっかりと好天の中、近くのお寺を改めて巡り歩いた良き日になりました。軽やかな、そんなお参り。今後どんどん大変なところが残っていくからこんなことは本当にもうできないなぁ~(笑)。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼6日目 星谷寺・長谷寺

2021年4月11日(日)

⑧第八番 妙法山 星谷寺(星の谷観音)
春の18きっぷに追い立てられて、それによって2~5日目は遠出しまくっておりましたが、最後の1回は4月10日の最終日に実家に日帰りすることで晴れて消費いたしました、やったね! 「ネコキトク」って報を受けて急遽帰ったんだけど、ねこ生きててまじ良かった、実家に17年いるねこほんと可愛いねこ……。

とゆうわけで18きっぷから解き放たれたので、しばらくは近場を回ります。居住地の神奈川県内。前日に千葉のそこそこ果てにある実家に普通電車日帰りという荒業をしたため身体はバッキバキでしたが、あんまりにも天気が良いので午前10時くらいにとりあえず第八番に行こうと家を出ました。でもなんか近場だと思っても普通に1時間くらい電車乗るのよね。そんでもって、座間。

米軍のキャンプ座間がある。
それがこの日以前までの私の座間知識のすべてです。あんな普通電車しか止まらないのどかとしか言いようのない駅だと思いませんでした。もう、超絶フツウ。駅前の市営住宅っぽいマンション(イメージです。実際に市営なのかは分かりません)の脇を抜け、日本中にありふれた穏やかな住宅街を少し歩くと、すぐに第八番の星谷寺です。
この日は非常に天気が良かったものでしたから、山門に囲われるわけでなく青空の下に力強くたつ仁王像が青空に映えておりました。新緑の葉をつけ始めた大銀杏もとっても見事。観音様にお参りして御朱印長をいただきます。なんてスムーズな展開。

じゃあ六番のお寺さんに向かうかなぁと来た道を少し戻ったら、神社に伸びる長い階段を発見。私、そーゆうの、好き。だので、嬉々として、登る。こじんまりとしたお社が建てられていたのでご挨拶する。でもここも先ほど訪ねた星谷寺の観音様にまつわる伝説のある神社だったのでお参りできて良かったです。
それでトコトコ今度は階段を下って行ったんですが、その付近にあった案内板を見たら、これはなかなか広そうな公園の端っこに位置しているらしい。急ぐ旅ではぜんぜんないので、それにこの先もう1度座間に来ることなんて無いかもしれないし、せっかくなので寄ってみることにして入口の方へと向かってみる。

座間谷戸山公園。それがその公園の名前でした。そして本当に美しく広大な公園でありました。整備された里山の風景というのは本当に、何にも増して素晴らしいのだなと思いました。お近くの方、また通りすがりの方は是非。けっきょく1時間くらいふらふら歩き回ってた。こういう出会いを大切にしながら旅を続けたいと思う次第。

 
 
 
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⑨第六番 上飯山 長谷寺飯山観音
坂東には、「長谷寺」が3か寺あるのだなぁ……。読みは「はせでら」「ちょうこくじ」があって、ここはたぶん(たぶん?)「ちょうこくじ」ですが、私の納経帳には「はせでら」ってルビふってあるなぁ……。
そんなわけで、座間から小田急線で3駅の本厚木から、路線バスに乗って20分ちょっと。神奈川県に……こんなところがあったんだ……。あぁ山が近い、そうかこの山(坂)の東を指して坂東というわけかぁ……。そんな、そんな実感を得る山の中。やぁ~、厚木って大昔の就活中にセミナーかなんかで遅い時間に来て、なんか治安悪いって思った印象しか無かったんですけど(失礼)、今回でガラッとイメージ変わりました。すご~い! バスでちょっと走っただけでこんな光景に出会えるんですね!!

トコロデ。まだ9か寺しか詣でておりませぬが。現時点での階段オブザ坂東、ぶっちぎりでこちら飯山観音様です。車で近くまで上がっちゃえばそこまででもないと思うんだけど、バス停からの徒歩勢としてはここはマジやば。段数もさることながら、絶妙なその段の高さ。背の高い人なら1段飛ばしの方が楽だと思うが、私くらいだとそれはそれで高いし、かといってこの小刻みな段はすごい……くる。
しかして桜の名所。18きっぷで巡るには向かない場所だったため、染井吉野に遅れて今時期の訪問と相成りましたが、その名残を見るに盛りは本当に素晴らしかろうという風情。染井の合間の八重桜が数本、ちょうど満開でお出迎えしてくださったのが嬉しかったでございます。シャガも山吹も見頃でございました。やっぱり花の季節は楽しいね!

帰り際ってゆうか参拝後、白山のハイキングコースにちょっと入ってみたんだけど、思ったよりも人気のない山(キレイに整備してくださってます)と、過酷な階段とタイムスケジュールにより、途中のベンチでおにぎりを食べて下山してしまったとですが、山頂が割とすぐのところだったらしくて、もしも次の機会があるなら頂上まで行きたいですね……。厚木駅行のバスに乗り、また小田急線でトコトコ家路につくのでした。バスですら大して時刻表気にせずに動けるのはラクだわ~。
それにしても18きっぷから離れて近場を巡る旅に、ここまで旅情があるとは思いませんでした。素敵な出会いの連続ね。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼5日目 中禅寺

2021年4月3日(土)

⑦第十八番 日光山 中禅寺(立木観音)
この日は……最寄り駅を6時6分に出ました……。すげー偉い……。
日光。数年前に東照宮近辺は行きましたが、中禅寺湖となると小学校の修学旅行以来です。小学生のクラスは私含め13人でした。13人1クラス6年間一緒って今考えるとけっこう特殊よね。ありとあらゆる行事をその13人で回したわ~。ミニバスレギュラーがんばったし走り高跳び出場したしアコーディオン弾いたわ~……。

そんな遥かなる小学生時代以来です。だから私はすっかり忘れていたのです、中禅寺湖のことを。いろは坂があんなにスペクタクルアトラクションなことも。そんでもって、中禅寺湖がまだ冬だってことも……。
いやほんとね! いろは坂まじですごかった!! あんなとんでもねー勾配にあんな坂を敷いて、そこをぐんぐん登る路線バス。いつもありがとう路線バス。紅葉の季節などはここが大渋滞というのはけっこう恐ろしいなとも思い、すいすい登れる今時期に来たのはまぁ良かったのだろうけれど、でも確かに新緑や紅葉の季節に来たくなるのは分かる。素晴らしいのだろうなぁ。

とゆうわけで、日光駅から路線バスに50分くらい揺られて辿り着いた中禅寺湖は霧にかすみ、下界とはまったく違う季節でした。同じバスから降りた人が「こんなに人がいない日光は初めて」と言っており、少々寒々しいくらいではありましたが、ともかく第一の目的地である中禅寺まで歩き始めます。中禅寺があるから中禅寺湖なのであって、きっとその逆では無いのでしょうね。
そんな中禅寺湖のほとりを15分ほど歩いての中禅寺です。立派な門構えです、観音堂含め建物は新しめだけど(明治時代に土石流被害に遭ったんですね)。そんでもって完全に檀家を持たず参拝者からのお布施や寄進などに支えられているだけあって、拝観料は必要ですがお坊さんがいろいろ手厚く解説してくれます(お守り等の営業もしてくれます)。784年からこの場所に立ち続けていらっしゃるという立木観音様は、割と年月を感じさせないつやつやしたお姿であらせた。しかして秘仏が多い坂東三十三霊場の中では、ここまで全面的に直接仏様を拝ませていただけるの有難し。なんせ偶像崇拝の徒なのでね私は……。

それにしてもやっぱりこの気候でお堂などに長居すると冷えてきちゃってね。そろそろお昼時だしあったかいもの食べに行こうと来た道を戻ります。事前にガイドブックで見かけて気になっていた超絶オシャな湖畔の洋食屋さんに入ります。たぶん平常時だとすごい混んでるんだろうなぁと思うんだけど、お昼時にすんなり入れました。1人でお店の前のメニューをちょっと覗き込んでたらすぐに店内からどうぞ~って声かけて下さり、流石でございました。そんでもってお味が本当に……本当に素晴らしかったです……。一押しのビーフシチューをいただいたんですけどね、もうね、何事かってレベルだし自家製のパンもめっちゃくちゃ美味しかったですわ……。メープルというお店です。

そのあと身体もあったまったので湖畔でちょっと遊ぶ。遊ぶというようなバリエーションは無いが、とりあえず水際まで行って腰かけてなどみる。しかしてそれにも限界がありますので(なんせ寒いし)、四半世紀ぶりに華厳の滝を見に行きます。滝。上から覗き込んでも見えて、「あれ? こんなもんか??」って思ったけど、お金払ってエレベーターで降りた先から見たその光景はやはりその名に相応しい神々しさ。那智の滝のが真下から見られるからやっぱり迫力は負けるかなとも思うんだけど、真正面から眺める威容はやっぱり圧巻です。この時期だと水量はピークじゃないだろうなぁ。
雪が残って色のない世界だったから、新緑でしたり紅葉でしたり憧れ~~でも混んでるんでしょうねぇ~~~。

そうして再び一大スペクタクルいろは坂を下りまして(このとき車窓から覗き込んで眺めた遥か山麓に続く坂の光景は本当にすさまじかった。行より感動した、しゅごい……)、帰り際にせっかくだからと二荒山神社などお参りいたしました(東照宮はお値段高めで人も多かったので……外から拝みました……)。もう完全に修学旅行!!
いや~~総括するといろは坂ほんとまじすごかった。ただね、やっぱり流石にくたびれたわよね、朝6時発で帰ってきたの20時とかだったから(笑)。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼4日目 円福寺・龍正院

2021年3月27日(土)

⑤第二十七番 飯沼山 円福寺(飯沼観音)
この日ももちろん18きっぷだよ! 土曜日にせっせと早起きして、今回は千葉県へと向かいます。
当方、現住所は神奈川県ですが、生まれも育ちも不動の実家も千葉県です。とは言え、実家は房総半島の半ばの港町ですので、銚子を訪れるのは推定27年ぶり……(白目)。いやたぶんね、なんかね、小学生の頃に家族で来た覚えがあるですよ。記憶にあるのは水族館と、おそらくその近くでお弁当を食べたことだけなんだけど、その水族館が今はすでに無きものとなっているのは知っていたのですがね、今回の旅で廃墟を見た時に「こんなんだったっけ……??」ってなったのは飯沼観音をお参りした後の話……。

というわけで、銚子です。乗換アプリに言われるがままに千葉駅で銚子行の電車に乗ったので、果たして成田回りなのか東金回りなのか分岐するまで分からなかったんだけど、東金回りでござんした。どっち行ったって行き着く先は銚子なんだども、帰りは成田回り予定なので東金回りでようござんした。たぶんね、東金線初めてなんだよね、私。千葉県でもまだまだ未踏の路線が多いのだな(小学生の頃は車で来た気がする)。

銚子の駅前に降りたって思ったのは、想像の4倍くらい道が広くて(歩道は8倍広い)、空が広い(高い建物が無い)。そして漂う南国感。これは群馬や茨城には決して無かった空気感だ……。飯沼観音の最寄は銚子電鉄観音駅ですが、JR銚子駅からでも徒歩20分くらいなのでとりあえず歩く。てくてく。そのうち五重の塔が見えてくるので、そこがそれです(雑)。いや、見事でございますよ。太平洋戦争で伽藍は1度灰燼に帰したそうですが、そこからの復興という観音堂と山門、そして千葉県唯一という五重塔(お坊さんに教えて頂いた)。観音堂内にも案内頂き、坂東・西国・秩父霊場すべての観音様を描いた天井画も拝見させてもらいました。畳の上に横になれるの有難し。
そして境内には桜も咲いておりました。花の季節は良いですね。

飯沼観音のお参りを終えて、しかしてやっぱりはるばる銚子まで来たんなら犬吠埼はマストだよね! 嬉々として灯台登りたいよね!!
とゆーわけで、最寄の観音駅から銚子電鉄に乗り込んで、いざ犬吠埼。途中、「緑のトンネルで~す」みたいなアナウンスに盛り上がる車内をよそに、「一瞬だけ利根川の河口が見えま~す」にブチ上がる我。千葉県に生まれたからには、1回は利根川の河口見てみたくないですか?? できればこの足で河口のほとりに立ちたいよね~~。今回はホントにちらっとしか見えなかったけど、でもなんか感動しました県外の人には絶対に分からない感覚だと思うってゆうか、千葉県人にも通じるのかなコレ……。

犬吠埼。何があるかと言われれば、青い海。白い灯台。割とキレイなお土産屋さん。だけれども、もういくらでもいられるな!!! 予定してた帰りの電車1本遅らせたもの(この土地における1本ごとの間隔は非常に長い)。それでも足りなかったくらい。楽しいなぁ、岬。何があるわけじゃないのにテンションだだ上がる、それが突端。
海っぺりの小さな空き地みたいなとこの隅っこに、菜の花とキャベツとあとソラマメかなぁ植えてあって。母親の実家も海の目の前なんだけど、猫の額みたいな場所にやっぱりサヤエンドウとか植えてあって、海辺の民の畑への執着ってどこも同じなんだなって……。

⑥第二十八番 滑河龍正院滑河観音
後ろ髪引かれつつも銚子を後にし、今度は成田回りで帰途に就くのですが、その成田のちょっと前くらいにある滑川駅から徒歩で20分くらいがこちらのお寺さん。本当に坂東巡礼を始めなかったら決して降り立つことのなかったであろう駅。ほんと~に何にもない駅なんだけど、帰りの電車の時間にどこからともなくわさわさと人が集まってきてけっこう利用されてるんだな~と感心。
街の景色は特に変わり映えしませんが、上空に飛行機が随分と近くに見えて、ああここは本当に空港のふもとのなんだなぁと実感した次第。これは成田に行った時には決して感じえない感覚だったなぁ。田園風景、単線の線路の踏切、その上を大きく横切る飛行機。

そんな道中を経て、桜の花びらが舞う滑河観音に到着。ここは本当に桜の季節に来れて良かったなぁ。他にもずっと桜の名所として名高いお寺さんが坂東にはいくつもあって、このタイミングで18きっぷを使ってどこに行くかってけっこう悩みどころだったんだけど。そして結果として桜を押し出していないこちらの2寺の参拝と相なったのですが、ちゃんと縁を結んでいただいているんだろうと思っていたいものです。ささやかながらもとても美しい桜でした。
それにしても決して有名とも豪勢とも言えない田舎町の夕刻迫るお寺さんに、それでも1人また1人と入れ代わり立ち代わり参拝者がみえるのが坂東三十三所巡礼の力なんだろうなぁと感じました。

そしてまた先述の駅に戻り、ぽつぽつと集まってきた人たち(人々は何用でこの町に来て、そして何処に帰るのか……)と一緒に成田線に乗り込み、家路を辿るのでありました。いやほんと、良いお参りでございました。ありがとうございました。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼3日目 正福寺

2021年3月20日(土祝)

④第二十三番 佐白山 正福寺(佐白観音)
前の週にもどこかお参りしたかったのですが、電車の運行に影響が出るほどの暴風雨に見舞われたため1週空きました。人はこうやって18きっぷの期限に追い立てられることになるのですね。うう……巡礼自体は急いでないんだけど、JRに急かされている、今この期間……。

なので、せっせと遠出です。行き先は割かし直前に天気予報と相談しつつも「あ、ここ行きたい!!」的直観で決めます。今回選ばれたのは茨城県笠間市にある佐白山正福寺でございます。
茨城県自体あんまし行ったこと無い上に、笠間駅のある水戸線に乗車するのは正真正銘初めてです。水戸まで行かないのに水戸線って名乗ってるの、良いよね(良いの??)。茨城って関東だといちばん行った回数少ない県ですわぁ。神奈川からだと単純に遠いんですよね。特に県庁所在地が遠いとね、なかなかね。

だもんで、行き慣れていない茨城。乗り慣れていない常磐線。上野で乗り換えを失敗する我!! 常磐線の案内いっぱいあって分からんぜよ……冷静に眺めたらひとつ隣なだけのホームだったんだだどもさ……。
とゆーわけで、常磐線から入るルートを予定していたもののあえなく失敗。調べ直したら「小山経由で行きなはれ」とアプリに命じられたので、急遽栃木経由で茨城入りです。柔軟に行きましょうね柔軟にね……。

そんなこんなで30分ほどロスしながらも10時半くらいには笠間駅に到着。そこそこ乗降客がいたけども無人駅っぽい(時間帯によるのかも)。住宅は広がっているけれども駅前には殆ど何もないので、笠間観光の中心であろう笠間稲荷神社の門前までてくてく歩きます。2kmくらいだけど平坦な町中の道なので特に問題もなく。周遊バスも出してくれてるけど、けっきょくぜんぶ歩いて回っちゃったなぁ。
神道系の大学を出ているからか何なのか、とにかく最初は土地の神様に挨拶せよという教えが身に付いているため、笠間稲荷神社に参拝。当たり前だけど狐さんいっぱい。門前はお土産屋さんとかたくさんで、今は人の出こそ少ないけど通常はなかなかに賑わっているんだろうなぁという雰囲気。そんでこの時点で11時半近くなっていたので、とりあえずお昼ゴハンを食べちゃおうということになる(※独り)。蔵を改装したというオシャレカフェでビーフシチューをいただく。当然ですが名物とかそうゆーものじゃあないわけですが、これほんと美味しかったです。ふわわわぁ……。あと、ずっと生トマト嫌いと声を大にして主張してきましたが、付け合わせのサラダの生トマトを割かし美味しく食べられたので(外で出されれば努力して食べます、オトナなので……)、そこまで嫌いじゃなくなったのかもしんないけど結論はまだ保留ね……。

さて、お腹もいっぱいになったけれども時間はちょうど正午を回った頃合いなので、観光寺院ならいーけどお昼時に小さい寺院を訪問するのは憚られるなと(単純に受付閉めてる場合もあるし)、先に笠間日動美術館に行ってみることに。美術館なる施設は随分と久々になってしまったのですが、いやぁ良かったなぁ。特に膨大な数の作家たちの制作を支えてきたであろうパレットコレクションは、他では観ることのできない展示で感動でございました。特別展・常設展と合わせて90分くらいいたかなぁ。

さて、本題です。ここまで長かったな……。美術館の隣にある正福寺を訪ねます。地図を見た限りでは「どこが入口ですか……???」と不安でいっぱいでしたが、道沿いに大きく“ここだよ!!”って看板出してくれてましたありがとうございます。そしてファンシーなアマビエの幕……。事前にHP覗いた際にもアマビエがオンパレードだったのでびっくりはしませんでしたが、ファンシー。門をくぐった後にはそのファンシーさに似合わない木組みの階段が続いていて、ちょっと登ります。両脇にシャクナゲだと思うんだけれど見事にびっしり植え込まれていて、季節にはさぞや美しいのだろうなぁという趣。
私がお参りした時には先客に父娘2人組(娘さんが高校生くらいかな)がいらっしゃって、アマビエ含む色とりどりの御朱印についてどれを授与していただくか受付の女性(ご住職なのかも)とあれやこれや相談されておりました。私はその間にお参りと建物などの写真を撮り(ここも平常時はご本尊を拝見できるそうなのですが、やっぱり今時期は入れてもらえなかった……)、少し離れた場所に猫さんを発見してアイコンタクトのみで遊んでいました。おいでよって言ったけど(身振り手振りで)、来てはくれなかった……。
こじんまりとしたお寺さんでしたけど、坂東の巡礼を始めてからちゃんと認識したのは、東のお寺は廃仏毀釈の影響をしっかりと被ってしまっているということ。関西でももちろん被害はあるんだろうけれど、関東はもともと大寺院であったというこちらの正福寺はじめ、他の三十三所の中でもかなり厳しい状況に追い込まれた寺院が多い印象。それでも生き延びたのもそれまでの歴史の力なのでもあろうとは言え。

帰りは笠間芸術の森公園の方までぐるっと回って、そちらの陶芸施設の中にあったカフェで笠間焼のお皿にのっかったイチゴのタルト(これもめちゃんこ美味しかった……)をいただく。てか笠間でびっくりしたのが、町中にあふれる笠間焼の窯元でしたり、それらの作品を展示販売するギャラリーの多さ。焼き物の町ってこういうことなのか……。いずれは益子にも伺う予定なので、俄然そちらも楽しみになってきました。とはいえ笠間では余裕ぶっこいてたらけっこう時間がカツカツまで駅まで小走りしたほどなので、ゆっくり焼き物見られなかった……。
そして今度こそ常磐線回りでトコトコと神奈川までの帰路に就いたのでしたとさ。いやー、毎回びっくりするほど楽しいのよね、坂東さんの旅。

 
 
 
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