ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2017年映画の旅①

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2017年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。


沈黙 サイレンス
 ★★★★★
上映が終わり、客電がついてからも劇場内を帳のように覆ったあの、沈黙。それがすべてを物語っていたように思います。
原作は読んでいないのですが、なぜ古来から人々が何らかの信仰に縋らなくてはならないのか、「獣のように生きて死ぬ人々には、美しく死ぬことはとても容易い」というその言葉に何たるかを教えられた気がしました。それと同時に日本人として、仏教キリスト教について「似ているから、それぞれでよいではないか」「日本人は自然の中にしか神を見出せない」という、迫害弾圧する側の言葉にシンパシーを強烈に感じました。
途中で一切BGMとしての音楽が使用されていないことに気付いた瞬間の戦慄(讃美歌や読経はなされ、祭囃子は響く)。劇中曲の不在で「エンドロールはどうするんだろう…」という疑問がよぎったのですが、そのエンドロール。あの、エンドロール。劇場中の息を殺す気配。素晴らしかったです。

ネオン・デーモン ★★★★☆
「お譲ちゃん! そんな下着みたいな恰好で夜道を歩いてたらそりゃ危ないことになりますよ!!!?」って気持ちでした…(笑)。いやでもね、ルビーみたいな素敵なお姉さんにだったら許そ!? ね!!? とも思いました(オイ)。
てか、ルビーがガウチョパンツ履いてて、アメリカでも流行ってるんですねって思ったり。モデルたちの胸がぺったんこで、しかも「仕事のために胸を減らした」みたいな台詞があってあ~トレンドとは~~ってなった。だからエル・ファニングの太ももがちゃんとボリュームがあって、太ももはこれくらいがいちばん艶があるよね~~などと何かすごいこの感想ドイヒーだな(笑)。いつも割とそうだとしてもアレだな(笑)。
極彩色のネオンと、大音量のクラブ・ミュージック。美への執念と妄執、底なしの悪夢。

マリアンヌ ★★★★★
マリオン・コティヤールほっそ! ほっそい!!! …って心の中で叫びながら観てました(★5つつけといて最初の感想それかよ)。なんてゆうか、ブラット・ピットには昔からそんなにときめかないもので…。マリオン・コティヤールは去年『マクベス』で観たんだけど、こうやって再会を重ねると、昨年から始まった私の映画強化生活もそこそこ続いてるんだなぁと実感。彼女みたいなクラシックな美貌が好きなんですね、あたくし。その細身の美貌をタイトなドレスに包んで機関銃ぶっ放してるのたまりませんでしたね!!
…本題。てか、冒頭に頭の中で「仏領モロッコ、ナチスの旗、パリからの…OK、ドイツ軍にフランスが占領された後ねOK,OK」って確認しながら観ていたのですが、おそらくはこの作業が滞るとけっこう分からなくなってしまうのではないかと思った時に、特に歴史ものに関しては知識があること前提で作られているからとっつきにくいと感じる人がいるのか…と今更ですが思いました。私は歴史もの大好き人間なので、むしろ戦時下のロンドンでの生活があんな感じだったのか~っていうところを興味津津に観ていましたが。
「彼女はドイツ兵だらけの酒場のピアノで、ラ・マルセイエーズを弾いたんだ」「あなたは空襲の夜に生まれたの」。

マグニフィセント・セブン ★★★★★
昨秋に『七人の侍』を観て、多大な衝撃と共に号泣した身としては「どうかな~」と思って観たのですが(『荒野の7人』は観たことないです)…とても、とても良かった…。てゆーか、デンゼル・ワシントンがカッコ良すぎて吐きそうだった…。あとイ・ビョンホンがそれはもう素敵だった……。
7人のメンバーが人種・国籍バラバラなのがとても現代的で良かったと思います。それに関して執拗な描写が無かったところもね。なんとなく『ヘイトフル・エイト』を彷彿とさせたけど、真逆の方法で同じことを描こうとしているような印象も受けたり。あーあと私は本当に純粋に、西部劇の衣装が好きです(笑)。本作でイ・ビョンホンにぼーっとなった最大要因はそれだと思う(笑)。で、なんで西部劇の衣装が好きかって言ったら、西部劇じゃなくて『スター・ウォーズ』のハン・ソロなんだけど(笑)。

ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち ★★★☆☆
いろんなギミック・トリックが凝っててすごい楽しかったんだけど、やっぱり私はこれを観るには歳を取り過ぎた!! いや、あるいは私にはこれを観るのに適した歳とか無かったかも!! って思いました(笑)。『バックトゥザフューチャー』観た時とおんなじ感覚かも。

お譲さん ★★★☆☆
官能美に特化した映画かな~と思って呑気にそういったことを楽しんでいたらすっげーミステリーだった!! しかしお嬢様の衣装が見事すぎてため息ものだし、女同士の情事は、なんというか潔癖だよね。天女のもののような。

ラ・ラ・ランド ★★★★★
“映画の魔法があなたを包む”――ああ、まさしくだ!!! って思いました。開始4分の3までは想像の18倍くらいお気楽で楽しかったし、最後の4分の1の胸張り裂けんばかりの圧倒的な美しさ!!
往年の映画監督たちは、こういうシーンを描きたくて、でも技術がまだなくて、いざ技術が出現した時には、映画監督たちはもう違うものを表現しようとしていて。長い年月を経てついに辿り着いたのではないか。そんな気がしました。
夏目友人帳』で有名な漫画家の緑川ゆきさんが、15年以上前に自身の抽象的な表現方法の限界に挑んだ『花の跡』という短編作品があって、私はそれを思い出しました。だからたぶん、色々感じる人といまいちピンとこない人に分かれそうだけど、それは何て素晴らしい。人生は何て美しい。


アサシンクリード ★★★★☆
博士をマリオン・コティヤールが演じてたことに、観終わってから作品HP観て知った\(^o^)/ 雰囲気違いすぎて分かんなかった…(笑)。すっげぇ印象的な瞳だなぁとは思ってたけど。とーちゃん博士役のジェレミー・アイアンズに関しては「どっかで観たことあるんだよな~~」って思ってたら、『ある天文学者の恋文』の天文学者だった。なるほどね!
いやもう、何の不安も緊張感もなしにアクション楽しめたし、途中から「こうなれ! こうなれ!!」って念じてたラストに雪崩れ込んでくれてスッキリ爽快だったし、あわよくば続編作りたいよ!! ってゆうの見え見えなのもすごく良かった(笑)。
ただ、キーワードになる過去が「1492年、スペイン」って冒頭でクレジットされた瞬間に「ああ、グラナダが陥落してレコンキスタイベリア半島における、キリスト教徒によるイスラム教徒からの国土回復戦争)が完了して、コロンブスが新大陸に到達した年だ」ってパって思いつくかどうか、まぁつかなくてもぜんぜん大丈夫だと思うけど。ついた方がやっぱりワクワクするんだよなぁって西洋史オタクは思いました(笑)。今更過ぎるけど、歴史ものもSFも大好きすぎるな私!!!

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