ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2018年映画の旅③

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2018年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ミッション:インポッシブル/フォール・アウト ★★★☆☆
すごいんだけど、映像すごいんだけど…!!! という気分ではあります!!
たぶん私が地上でアクションするよか、宇宙的SF・ファンタジー要素がある方が好きだからなんじゃろなって思いました! あと、私あんまりトム・クルーズにぐっとこないんだったトムごめん!! でも『3』の時くらいはめちゃめちゃカッコいいって思ってた気がするんだけど……時間経ったしね!!! でも今度『トップ・ガン』やるからそれは観てみようって思ってるけど、スケジュール合わなかったらトムごめん!! ひょー!!!

プラトーン ★★★★☆
今年は個人的にベトナム戦争の年になっています。ただし、『地獄の黙示録』は精鋭の特殊任務を追った作品だったのだけれど、こちらはベトナム戦争の基軸である密林での接近戦に挑む新兵。それはまさしく河惣益巳さんが『炎の月』で描いたベトナム戦争であって、私とベトナムのファーストコンタクトってあの漫画だったなぁと思い出しました。
あのあまりにも有名な、ポスターに使用されているシーンがスクリーンに映し出された瞬間は鳥肌(確かに私も「このポーズしてたの主人公じゃないんかーーーい!!!」とは全力で思った)。ウィレム・デフォー演じるエリアスは本当に魅力的だし、その光に対峙する闇として描かれたバーンズもベトナムの泥沼の中で生まれた必然的な存在感。そしてその2人の間で兵士として育っていかざるを得ない主人公テイラーも。
妙な言い方ですが、救いを求めなくていいという点で(結果として救いがもたらされた時の安堵は計り知れないわけですが)、私はとても戦争映画が好きなんだと思います。

トップ・ガン ★★★☆☆
スケジュール合ったよ、トム!! 『プラトーン』を観た後にこっちを観ると、もはや能天気さが凄いわけですが…!! 若い頃のトム・クルーズやっぱかっこいいね!!
30年ぶりの続編は観るかなどうだろうかな!??

灰とダイヤモンド ★★★☆☆
1958年ポーランド作品。噛みごたえ、それはもう本当に噛みごたえとしか。
映画を観てから解説とかその他諸々色々調べたのですが、確かにこれは予備知識がないとかなり厳しい。私も想像でなんとかした。まがいなりにも大学で西洋史専攻とした身で……。ただとっても安心したのが、映画関係者氏が「僕も分からない! 分からないから何回でも観るんだ!!」って熱弁してて。すごく励まされました。「この作品が名作とされるのは、時代背景が影響している。この時代にこれを作ったことが」。確かに私も観ながら「これ、共産体制下のポーランドでよく撮れたな…??」って思っていたので、なるほどー。
正直、上映中にオジサンの盛大なイビキが響き渡った時もあったし、「分かる! 分かるよその気持ち私も眠い!!」って思ったけど(笑)。でもやっぱり、追い詰められた主人公が悩める共産党幹部を殺害した瞬間の演出は、息を呑むほど美しい。そしてあのラストシーン。モノクロだからこその圧倒的な画面。

チューリップ・フィーバー ★★★☆☆
けっこうしんどかったオブザイヤーかもしれない…、アリシアの可愛さだけではカバーできなかった……(笑)。
てゆーか、主人公をソフィアに設定したのがそもそもの間違いで、マリアに焦点を絞った方が絶対に物語として勢いがあった気がするんだよなぁ。マリアというキャラクターのが圧倒的な生命力を持っていたし、あとはマリアの恋人のウィレム役のジャック・オコンネルがカッコ良すぎた。どう考えてもヒロインの不倫相手より魅力的だった。この映画が最強にもったいないのはそこなんだよなーーー!!! 各々のキャラ立ちはすっごい良かったから本当に。

バーバラと心の巨人 ★★★★★
それは、あるいはとてもよくある話なのかもしれない。いや、きっとよくある話なんだろう。ただ、それは本当に美しい、少女の人生奪還の物語だったんだ。
何か自分の過去を垣間見ることもあって、だばだば大泣きしてしまいました……。超大作ではないです。ストーリー展開も際立っているわけではないです。ただ、ひたすら丁寧に優しく寄り添って想像されたその物語の全てに、心打たれてやまないのです。良かったね、バーバラ。
(しっかし原題が『I KILL GIANTS』なのね。スクリーンに映し出された時びっくりしちゃった。でも確かにそれだけの強い意志に満ちてはいた)。

2001年宇宙の旅 ★★★★★
……映画鑑賞の記事のタイトルを改めてまじまじと見て頂きたいのですが……。その上で今からとんでもねーこと言い出しますが……。
おそらくあれは10歳くらいの時だったのだと思う。実家の畳敷きの6畳の居間、明るい昼間の時間帯、小さなブラウン管の画面。その状況で『2001年宇宙の旅』を観たことははっきり覚えている。思い返すことが叶うのは、ボーマン船長がスターゲイトを通過するあの延々と続く映像。のみ。もう、何も分からなかった。何でこんなにも分からないんだろうってくらいには底なしに分からなかった。
今回、公開半世紀(!!?)でIAMX上映という最強の環境で、私はそれを解き明かしたかったわけです。いくら10歳そこそこといえど、何故そんなにも分からなかったのか。その謎はすぐ解けました。これは…分からん!!!(笑)
いや、今観れば分かる。分かるってゆうか、今回は本当に当てられたってくらいにはくらっちゃって、この日はもう19時には倒れるように寝ちゃったよね……(???)。
あーもーすごい。すごかった。吐きそうになった本当。ヒトザルが空に骨片を放り投げて宇宙船が映し出された瞬間、HALが決断を下した瞬間、そしてそのHALの機能を切っていくあの流れから、遂に到達した木星モノリスにされるがままに意識の濁流に押し流されてボーマンが辿り着いた思念の部屋で年老い、再びモノリスが彼の前に現れたあの一瞬――映画館で、驚愕の声をあげかけた口元を押さえて足をバタバタさせざるを得なかったっす……。
50年前の作品とは思えないほどの映像の息を呑む美しさ。全編を彩る純粋な古典であるがゆえにあまりにも根源的な音楽が残す圧倒的な印象。今回の上映、本編上映前・休憩・上映後も完璧に再現してくれてるんですね。最初は「え? え??」って正直すっごい戸惑ったけど、いやぁぁぁぁ、有難かったです。『美しく青きドナウ』が流れたまんま客電が点いたから。もう、「はぁぁぁ~~~」って大きく息をつきましたあの時は。
そして50年前といえば、AI・HALの描写。2018年の今、見せつけられたそれの圧倒的なリアリティに戦慄を禁じ得ない。ボーマン以外の乗組員を殺害するシーンは、無音であるがために煽られる恐怖で満ち満ちている。プールが音も無く放り出されるあの宇宙の深淵の、闇。
もう今更私がどうこういう作品では無いですが(ぜんぶそーだけども)、やーーーすごかった。凄まじかった。その上で小説版もちゃんと読みたいなぁ。アーサー・C・クラークは短編がすごい読み易くて色々読んでいたのですが(とゆうか、私はSF小説は圧倒的に短編ばっかり読み漁っちゃう)、そのくせ『2001年宇宙の旅』の一連の作品群は全く手つかずだったので(あるいは10歳の頃の分からな過ぎた思い出が関係しているのかもしれないけれども)、このあと順次読んでいってみようと思います。それも楽しみ!!
これで映画関連記事のこの「○○年映画の旅」も堂々と掲げていくね!!(え?)

ボヘミアン・ラプソティー ★★★★★
「ラスト21分」。ぶっ通しのライブシーン。そこに至るまでの、バンドの物語。
……正直クイーンは全く通っていないのですが、バンドという存在に現状なお夢中になって人生を送っている我が心は揺さぶられっぱなしでした。あれだけのステージに立つためには、人間としてあれだけの力が必要なのだろうと改めて頭ブン殴られた次第。私も私の大好きなバンドの物語を精いっぱい読んでいきたい。だって彼らはまだ、私の目の前で歌ってくれているのだから。

くるみ割り人形と秘密の王国 ★★★★☆
チャイコフスキーのCDを引っ張り出してきて、とりあえずバレエ組曲くるみ割り人形』を聴きながらこれを書いておりますが……。もしもこれらの音楽が無かったらこの映画は成り立たなかったとも思うけれど、それにしたって観やすい映画でした。
てゆーかモーガン・フリーマンがびっくりするくらいちょびっとしか出てこなくてびっくりしたんですけど(語彙)、あああぁぁマッケンジー・フォイちょおおぉぉ可愛いなぁぁぁ……!!! そんでもって脇を固めるのがキーラ・ナイトレイにヘレン・ミランってむちゃくちゃ豪華じゃん……。
そして! お衣装が!! 最高に素敵でした!!! あの衣装を眺めるためにもう1回観たいくらい(いま1ヶ月映画フリーパス有効なのでホント観るかも)。現実世界でクララが着てるシフォンのラベンダー色のドレスからして激カワだし(ただしあれ1枚で雪原に出たら死ぬね!)、そのあと王宮でシュガー・プラムに着せ替えしてもらうあのドレスやばいですね。やばやばです。からの、あの軍服たまらん……。
モーガン・フリーマンもだけど、くるみ割り人形と、そしてバレリーナ・プリンセスにミスティ・コープランドをキャスティングしているところが話に聞いていた最近のディズニーだったし、すごいCLAMPぽさ感じました。伝わる人には伝わると思うんだけど…。
しかしこれを観て思ったのは、いかに普段は多大な労力を払い大変な物語を摂取しているかってことですよ……。

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