ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2020年映画の旅①

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2020年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

アラビアのロレンス/完全版 ★★★★☆
初めて観ました。
「ここで終わらないでくれ」と願う刹那、スクリーンいっぱいに映し出された“THE END”の文字。
時間の重さを描けるのは時間だけだし、人生の重さを語れるのは人間だけ。直後に私が言えるのはただそれだけです。227分、その物語の幕切れは、その人生の幕引きは、あまりにも淋しい。悲しい、悲しいよ。

ダンス・ウィズ・ウルブズ ★★★★★
初めて観ました。
語るべきことは溢れるようにあって、でもそれは言葉にするべきことではないような気がします。大自然は怒りも喜びもなくそこに在り、人々はただ命をつなぐ。それだけのことがやがて圧倒的に許されなくなり、去っていく。
あまりにも美しく、悲しい。身体中に沁み渡る、清廉なる3時間。それは、世界の美しさと哀しみのすべてを背負った3時間。
「なぜ彼が去ったのか分からず混乱していた。でも分かった。お前が来るからだったのだな」。

大脱走 ★★★★☆
初めて観たっぽい……(え???)。
いや、小学生くらいの時に観たような気がするって思ってたけど、1秒も記憶にあるところ無かったから観てなかったんだと思われます……。軽快に鳴り響く大脱走のテーマだけはもちろん耳に馴染みまくっていたわけだけれども。
スティーブ・マックイーンがカッコイイのは分かるけどなんとなくピンと来ないまま今に至ってしまっており、でもやっぱりそこまでピンとこなかったけど私は閉所恐怖症のトンネル王に夢中になってしまって、彼が無事に逃げきれたからほっとした……(そうゆー問題じゃない気はしてる……)。

1917 ★★★★★
傑作。
IMAXで観るべき作品というのはまさにそうであって、巨大なスクリーンいっぱいに投影される、過ぎるほどに美しい人の生き死に。炎に呑まれ夜に浮かび上がるあの街の光景は、瞼に焼き付いて離れない。そして塹壕から死地を見上げなおその緑の草原に駆け出して行った若者の姿も。
1カメというのは後からついてきただけで、この物語の有無を言わせぬ力がそれを選んだだけなのだろうと思います。戦争映画によってもたらされる研ぎ澄まされた悲しみと絶望を、私は愛しています。

地獄の黙示録 ファイナルカット ★★★★☆
音が…音がやべぇすげえぇぇぇ……!!!
……とゆーわけで、ファイナルカット版です。数年前に映画館でたぶんオリジナル版(完全版じゃないと思うんだよね…)を観ているんですが、ぜんぜん記憶にないシーンがあったんですけど、あれはオリジナルには無かった……? や、まぁそんなのはいいです!!(いいの??)
あの、ワーグナーを爆音で流しながら密林に向かって掃射するシーン。常軌を逸したあの光景が、まさにそこに在る。これぞ映画館音響のなせる業。

ゼロ・グラビティ ★★★★★
2013年作品。当時は気になりながら、まだ映画館に行く習性を取り戻していない頃だったので、けっきょく観ないままになってしまっていたわけだけれど。
……ああ、いま、IMAX・3D、最高の環境で初めて観られて本当に良かった。エンドロールが流れ終わり客電が点いた瞬間に、近くにいたカップルの男の子のほうが「……すごかった」って絞り出すように呟いていたんだけど、やー……すごかった。
正に見ているだけで息が詰まる宇宙の暗闇、それは本当にクライマックスまで解かれることなどない。そして伸し掛かる、圧し潰されるような圧倒的な孤独。登場人物は実質的に2人。さらに極限の孤独へと向かうその果てで、主人公が人生を取り戻した瞬間。人が人を生きようとするその姿は、こんなにも美しいのかと思ったのです。

レディ・プレイヤー1 ★★★★★
やったーーー!!! あの日あの時観られなかった、IMAX・3Dチャンス再来!!
もうこればっかりはありがとうございました。封切られた当初、観に行くのが遅くなって、観終わってすぐ「もっかい観たい!!!」って思ったけどけっきょく観られなくて。そんでその時はフツーの上映だったけど、絶対3Dだったらすごいだろうなぁって思ってたの!! まもなく地上波初放送だろうと、映画館で観ますわ。やっぱりね、映画館で観るべき作品ってあるんです。

風の谷のナウシカ ★★★★☆
まじか……って気分ですよ……。この作品を映画館で観る日がこようとは……。
何回も観てるはずなんですが、確かに久しぶりに観た機会ではあるのですが。こんなにも苛烈で、過ぎるほどにストレートな物語であったのかと……。初期作品だから技術的にも粗削りだし(音響のバランスがこんなだったんだ…って思いました)、とにかく伝えたいという暴走にも近い強烈な想いが結末めがけて辺りのものをなぎ倒しながら全力疾走しているようなストーリー展開。そこにはもう、誰も何も口を挟む余地はない。
客電が点いても、誰も彼もぐったりと席に倒れ込んで口もきけないでいるような、あんな劇場の光景。それもほとんど全員が1回は観たことがあるであろう作品で。まるで劇薬のような物語。凄まじい。

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