ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2023年映画の旅①

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2023年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ドリーム・ホース ★★★★☆
超序盤、仔馬が可愛いという最高に訳の分からない理由で泣き出して以降、ほっとんど泣き続けてた自分が怖いよ!! なんだよ、馬が可愛いからって!!?
ストーリー自体は超絶王道(実話が元ですが、だからこそ)で、もうめちゃくちゃ安心しながら号泣してました。最後、村の馬券売り場の窓口の老紳士が静かに泣いていたのがたまらんかったし、エンドロールでそれこそ実際のモデルになった人々がキャストと一緒に陽気に歌ってるの最高。
あと本筋とは関係ないんですけど、北アイルランドスコットランドイングランドと違う国ってゆうのは理解しているつもりだけど、ウェールズもひとつの違う国なんだわなぁ。

ヘアー ★★★★☆
確かにこれは壮大な皮肉なんだろうなぁ。大言壮語を叫びながら決して何も成すことのなかった彼らへの。
たった半世紀前、男性が長髪であるというだけで社会への反逆とみなされていた時代が確かにあった。『イージー☆ライダー』で初めて触れたそれはあまりにも理解から遠く、殺人にまで発展した時には本当に何に対する怒りなのか戸惑ったものですが、今の時代に想像すら及ばないというところまでこれたのは良かったのでしょう。

ヒトラーのための虐殺会議 ★★★★☆
音楽、一切無し。描かれたのは、1942年1月20日ヴァンゼー会議。舞台は、会議の行われた別荘のみ。出席者がやって来て、会議を行い、腹を探り合い、そして去って行く。
なので完全な会話劇なんですけど、観終わった後の体感90分くらいだったけど今調べたら112分って書いてあって、だからテンポめちゃくちゃ良いんだなって。制服組でも代理で出さされてるランゲ少佐にはちょっと好感を持ってしまうし、官僚背広組には肩入れしてしまう部分もあるので、物語というのは、人を人として炙り出すということは、本当に凄まじい威力だなと思い知ります。

ノースマン 導かれし復讐者 ★★★☆☆
神話ってそういうものだと思ってるんですが、誰にも感情移入するようなことが無かったので、「なるほどねー」って思いながら観てたんですけど、特に『ヒトラーのための虐殺会議』を観た直後だったので、これくらいでちょうど良かったです(笑)。
ただひとつ文句を言いたいんですけど、「数年後」って字幕で出て、まぁ直訳だと確かに数年後だったんだけど、でも実際20年後だったよね!?? ってゆー……(笑)。あの可愛い少年から血みどろマッチョマンへの変貌は数年ではない流石にね!!!(笑)
それにしたってアニャ・テイラー=ジョイ、めちゃくちゃ好きです。

キャバレー ★★★★★
クライマックス、サリーの選択が分かりすぎて、そして「僕も寝た」ってブライアンが言った時が本当にもう最高すぎて。
一応ミュージカルに分類されるみたいですが、ぜんぜん道端でいきなり歌い出さないのでミュージカル感はほぼ皆無(私判定)。ちゃんとステージの上でしか歌い踊らないので脈絡ありまくりです。そして恋愛映画の姿を借りた圧倒的な社会ドラマ。村の集まりで起こるあの合唱が喚起させる恐怖は、その後の史実を知っているから起こるだけであって、立ち上がり歌い出す人々を愚かだとは決して言えないんだよなぁ。

イニシェリン島の精霊 ★★★★☆
鈍器でぶん殴られたような物語でしたね……。
鑑賞後に色んな人の考察読んだけど、もしかして高尚な暗喩も隠喩もどうでもよくて、我々は結局なんか監督の掌でいいように転がされてただけなんじゃないかってゆう……。それほどまでに暴力的で病み荒んだ物語だし、動物が絡んじゃったらそりゃもうそうなっちゃうしかないよっていう。

バビロン ★★★★★
天乃忍さんの『シークレットガーデン』ってゆー短編漫画で、ある意味とても他愛のない台詞なのかもしれないけど、最後「それはまるで 夢のような日々でした」と回想を締めくくるのだけれど、もうすべてはそうなんだよな……と思います。
古き良き、本当に古き良き映画でした。それはたぶん、本当に無茶苦茶で理不尽な、だけれども情熱さえあればすべてを押し切り最高の景色を創り出すことが許された、今となれば本当に古き良き時代が舞台だからなのでしょう。そして時代というものは、絶対に移り変わらないわけにはいかないので、ひとはいつだって2度と戻らない失われた時代に想いを馳せるのでしょう。
エリノアがジャックに永遠を語るあのシーンは白眉。そこからもうボロボロに泣けてしまって駄目でしたわね。ジャックが「葉巻を取ってくる」と言っただけで、その後に何をするつもりなのか分かってしまうの辛すぎて。本当の意味で古き良き時代を回顧できたのはマニーだけだったし、でも彼がそう言える平凡な人生を歩んでくれて良かったと思うのです。そしてその幸せが素晴らしくも凡庸であればこそ、古き良き時代は光輝くのでしょう。それが実際にはどんなに酷い時代であったとしても。
「それはまるで 夢のような日々でした」。

以下羅列:ブラッド・ピットはやっぱりスター/マーゴット・ロビーはやっぱりスター/ディエゴ・ガルバめっちゃ好き(最後の方色々相まって若かりしアル・パチーノに似ててちょーカッコイイねってなっちゃった)/リー・ジュン・リー格好良すぎ/昨年末に無声映画を観る機会を持てて本当に良かった/『雨に唄えば』観たことなくてああぁ…ってなったけど、とりあえず『雨に唄えば』ってことは分かったので良かった。

私が映画を観る理由をぜんぶジャックが代弁してくれて、たぶんもうそれだけで良かった。そこに共感できるか否かがすべてを決する映画でした。私も、なるべく遠く遥か彼方に連れて行って欲しいの。あなたたちが創るその物語によって。

鬼滅の刃 上弦終結、そして刀鍛冶の里へ ★★★★☆
「一緒に観に行こう!!」って3回誘われまして、3回断ったんですけど……。だって原作もアニメも1mmも触れてなかったし……。4回目誘われまして……(普通3回断られてまだ誘う??笑)。「チケット代出してくれるならいいよ(笑)」って言ったら出してくれたので観に行きました(笑)。結果、面白く観られたから凄すぎん???(笑)
だって、物語中盤の超中途半端な3話分だよ?? それを今までのあらすじを最初の字幕説明だけで秒で分からせに来たの凄すぎん?? その作りも凄いけど、それでぜんぶ理解して馴染んだ私も凄ない??(笑)
いやホント面白かったです、流石!!

レナードの朝 ★★★★☆
驚異のロバート・デ・ニーロ、迫真のロビン・ウィリアムズ。そして患者や看護師を演じた人々も、すべてが圧巻。本当にもうデニーロについては筆舌に尽くし難い。
治療としては本当にギリギリな感じで、結果的に泡沫の夢だったわけだけれど、「命は与えられ、そして奪われるもの」って、それは確かに真理。