ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

坂東三十三所巡礼2日目 水澤寺

2021年3月6日(土)

③第十六番 五徳三 水澤寺(水沢観音)
いきなりの、十六番。いきなりの、群馬。
何故なら18きっぷの季節だから……。遠くから攻めたい遠くから。
あと、もともとこの日は天気予報があまり良くなくて(結果、割と晴れ間があったのだけれど)、あまり歩かずに済んで雨でも風情ありそうなところ(イメージ)としてチョイス。

公共交通機関の鬼ですので、上野東京ラインにてえっちらおっちら高崎を目指します。ここまではでも別にラク。問題はこの次で、路線バスに1時間揺られます。
とはいえ、今後たちはだかるであろう“最寄りのバス停から徒歩1時間”という猛者たちとは違います。何なら本堂の脇の駐車場に降ろしてくれます。そう、「水沢観音前」というバス停まで行ってしまうと仁王門をくぐることさえショートカットです。なので、しっかり石段踏みしめて仁王門からお参りしたい方はその1コ手前の「水沢」で降りるのがベストです。もしも次回詣でる機会があれば私もそうしたい所存(今回はぼーっと水沢観音前まで乗っちゃったよだってそこが最寄って書いてあったし確かに最寄ではあるし足腰に自信のない方はそれがよろしす)。
なんかこういう田舎のちょっと栄えているお寺さんのこの雰囲気、いったいいつのどこぶりだろう……。あぁ、これ、ここはそういうお寺なのね……! っていう気持ち。分かる??(分からんじゃろ)
しかしてイケイケ若者集団がいて一体これは……?? と思っていたらユーチューバーだったっぽい。一体どのような映像が完成するんだろう……ユーチューバーも大変やな……。

格子の隙間から頑張って観音様のご尊顔を拝もうとうっうっしたけどそんなに拝見できずにお参りは終了。お昼時だったので門前に連なる水沢うどんの目についたお店に適当に入り、うどんを食す。香川に行った時は讃岐うどんを食べた、秋田に行った時は稲庭うどんを食べた。今まで群馬に来た時は……パスタ、食べたな……(※高崎はパスタ推し)。水沢うどん三大うどんのひとつなんて今回初めて知ったし……。
何の気なしに入ったうどん屋さんのおじさんに「この後伊香保行くの~?」って訊かれて、ぜんぜん行く気なかったんだけど「えぇまぁちょっと覗きに……」とか言っちゃったら地図とかパンフレットとかくれておススメのお饅頭屋さんも教えてくれたので気分が乗ってきたので、知らん土地の路線バスを珍しく乗りこなすことに成功して一路伊香保温泉へ。その途中、とんでもねー規模の異国風の寺院が聳え立っておった。何あれしゅごい……あとで調べたら台湾系の仏教寺院だった。牛久の大仏行きたいノリで行ってみたいけどまた来られるだろーか……。

で、伊香保温泉。今回はまったく予定してなかったんだけど、土地土地の観光もできるだけしたいというのも私の巡礼のコンセプトなので、完全に成り行きだけど来れて良かったです。しかして街は開店休業状態だったけど……(教えてもらったお饅頭屋さんも完全にやってなかった……)。でもあの写真とか映像でよく見かけた階段をてくてく上がって頂上の神社にお参りして、遥か山並みを眺めて(てゆーか本当に山の上なんだなって行ってみて分かった。これはすごい)、伊香保まで来たぞ感を得る。よし、満足!

ちょうどいい時間の渋川駅行のバスがあったので、帰りはそちら経由で。18きっぱー(造語)なので、電車での移動距離が長い方がお得。この辺はライブ遠征ではまったく使う機会のない路線なので電車でもめちゃくちゃ新鮮。あぁやっぱりこういうささやかな旅が好きなんだなぁと実感した次第です。巡礼の効能。まだまだ始まったばかり。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼1日目 杉本寺・長谷寺

2021年2月27日(土)

思い立ったが吉日、坂東三十三所巡礼を開始いたしました。
巡る順番は霊場に振られた番号の順の限りではない、とのことですがやっぱり最初は一番の杉本寺に詣でて発願印をいただきたいし、最後はしっかり那古寺で結願したい。その間はその時々の巡りあわせでお参りしようという感じ。ちょうどいい塩梅です。正直これを書いている時点で巡礼を始めてからまだ日も浅く、訪ねた寺院も片手にも及ばないけども、次の週末はどこに行こうと巡礼のガイドブックとまっぷるジョルダンとにらめっこしてるの、めちゃくちゃ生活に彩を与えてくれる。こーゆうのも効能のひとつだと思うことにするの。

①第一番 大蔵山 杉本寺(杉本観音)
当方、横浜市内のけっこう中心的な横浜地帯にほど近い何とも言えないちょっとひなびた場所の在住です。鎌倉までは電車で30分くらい。この場所に一番のお寺さんがあるのは非常に有難いです。てゆーか実は前の週にも初詣だーっつって鎌倉に行っていて、その時初めて金沢街道の方のお寺さん(報国寺)を訪れたのですが、杉本寺にお参りせずに帰ってしまったのが今回の発願のきっかけです。
朝10時くらいの訪問だったのですが、その時は私以外にお参りしている人はおりませんでした。でもその後、本堂でお参りしていたら何名か入れ替わりでいらっしゃった。
さて、とゆーわけでこちらで納経帳も買い求めたのですが、その際にご対応いただいたお寺の方に「始められるのですね」と問うともなく、でも問われて「…はい!」と答えた瞬間にやっぱり決意新たに背筋が伸びましたわよね。それが非常に有難かったです。
基本的に私は仏像フリークで、特に奈良やら京都などですとガンガンに仏像を公開してくださっているお寺さんが多数あり、そういう場所ですと平気で20-30分くらい坐して向き合っていることがあるのですが、鎌倉ってそういうお寺さんは無い印象だったんです。が! 実はこちらの杉本寺ではご本尊をはじめとする仏像に、普段なら本堂に上がってお参りすることでできるのです!! が! ご時世が絶妙なため上がれませんでした!! いつか結願後にまたお逢いしに来たい!!! ありがとうございました!!!

②第四番 海光山 長谷寺長谷観音
杉本寺から小町通りの方に戻ってきて、ちょうどお昼時でお腹も空いたのでお気に入りのスープカレー屋さんでゴハン(と言いつつ、鎌倉店は初)ののち、四番の長谷寺へ。この間はぜんぶ徒歩です。できるだけ歩きたいとは心がけたい、心がけ。あとピカピカのペーパードライバーなので、公共交通機関の鬼としてこの先も巡礼を進めていきます。鎌倉ではそれはまったく障壁にはなりませんが、きっと今後えらいポイントになってくるのでしょお……。
で、長谷寺です。三十三所の中でも華やかさで言ったら上から2番目なんじゃないでしょうか(1番目は浅草寺だという個人の解釈)。梅をはじめとした季節の花も美しく、錫杖を手にした壮大な観音様はやっぱり圧巻であり力がございます。杉本寺は初めてのお参りだったけど、こちらは以前にも訪れたことがありましたが、改めてのお参りはやはり感慨深くありますね。お堂を少し改修しているようで多少足場が組まれていたので、こちらもまた結願後に再度お参りしたいものです。近いしね。

インスタに写真上げまくって、そこそこ文章も書いてはあったのですが、これはきちんと記録しておいた方が良いなと思いたち、こちらにもしたためる次第です。しかして写真をブログに上げるのが手間なのでインスタのリンク貼っとくね……。

 
 
 
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宗谷岬探訪記 2020年9月

北海道で空き日ができた、丸1日だ。
基本的にライブで(主に)札幌を訪れると、スケジュール的に札幌市内以外に行くことができない。そして札幌市内でできることと言ったらほとんど食べることだけなのだ(時計台観光などは1回目の札幌で済ませている)。これは非常に美味しい。
それは良い。とても良いのだがもう何回やったか分からぬ。そして今回、いつも通りにライブで訪れたのにも関わらず丸1日の空き日ができたのだ。そうしたら友人が言い出した、「宗谷岬行かない??」。

私は即答したよね、「行かないよ!???」(しかも他の友人数人の前で否定したな?)。でも結局のところ、私は行くことになったのです。あるよね、そーゆうこと。私はよくある。あぁ、小樽でゆっくりしようかなぁくらいに考えていたのに、我々は遠く日本最北端を目指すことになったのです。たぶんあんまりやる人いないであろう、札幌から日帰りというスケジュールで……。

7時30分札幌駅発、JR特急宗谷に乗り込みます。これでまずは稚内に向かいます。しかしまぁ、これがまた混んでいる。指定席は満席で、自由席には長蛇の列。何故なら特急宗谷は日に1往復しか出ていない。そして札幌から公共交通機関稚内を目指す場合、選択肢はめちゃくちゃ少ない。新千歳からANAが1便だけ飛んでるっぽいけど(飛んでない日もある)、べらぼうに高い。高速バスとか出てるのかも知らんが調べていないので分からない。今回は道内JR乗り放題だよ券を使用したので……。でもみんな、稚内まで何しに行くんだろう……私もだけど……。

とゆうわけで早朝に出発です。駅弁を買って乗り込み、9時くらいに黙々と食べます。美味しい。北海道はいつだって美味しい。途中いくつもの町と森と牧場を抜けますが、道程はずーっと内陸部。車窓的にめちゃくちゃ北海道雄大ドーンって感じでもないような印象ではありましたが(新千歳空港から札幌までの白樺の林にはいつも北海道みを強く感じる。あとは大昔に網走から釧路に抜ける旅行をしたことがあるのですが、私の北海道大自然イメージってそこ)、通り過ぎたひとつの町のほとんどの家の屋根に煙突があって、あぁここは本当にそういう土地なのだなって思いました。でもその町だけ異様に煙突率が高かったんだよなぁ。今となってはどの町だったのか知る術もないのだけれど。

そして特急電車に揺られること5時間。5時間……、まぁ長距離移動には慣れています。それまで内陸部を淡々と走り続けていた車内にいきなりのアナウンス、「左手に礼文島利尻島が見えます」――寡黙だった車内、いきなりの精神的盛り上がり。かくいう我々も盛り上がる。ルート上初めての海! そして島!! あぁ、あの2島は花が美しく咲くという……。いつか行ってみたいものですね……(こう考えると、本当に世界は広いな大きいなと思う。とてもじゃないが行き尽くせない)。

12時40分、札幌を出発してから5時間10分後、遂に終点の稚内駅に到着。稚内駅は想像の7倍くらいは立派だったし賑わっている。映画館まであるようだ。しかして目的地の宗谷岬はここからバスで50分かかります(爆)。あぁそれなのに、みんな宗谷岬に何しに行くんだい??(人のこと言えない) バス会社さん、臨時バス出して全員収容して運んでくれてまじありがとう。

だけどこの海岸線に沿って進むバス50分の道のりで見た景色が、本当の本当に美しかった。特に岬にほど近い遠浅の鉛色の海で、北国の低い日の光が差して鈍く光った水面に魚が跳ねたあの一瞬の光景は、この旅のハイライトとして終ぞ忘れえないものなのだろうなと思うのです。そこに「密漁禁止」って看板が等間隔で立ってたの超絶シュールだったな……。

そして14時10分。ついに目的地、日本最北端の地・宗谷岬到着。すごい! 何があるわけでは無い、あのTVとかで見たことある「最北端の地」ってモニュメントが建ってるだけなんだけど! 目の前に横たわる見渡す限りのオホーツク海はどこまでも寒々しく(9月なのに)、底なしの鉛色なんだけど!! あるいはもうほとんどそれだけの世界なのだけれど、異様な盛り上がりを見せる我々……最北端テンション。きゃーきゃー写真を撮り合うし、展望台みたいなところの鐘とか鳴らしちゃうし、エゾジカと目が合った。すごい剣呑な顔された、シカに。

しかし我々にはあまり時間が無いのです。宗谷岬から稚内駅への終バスは14時55分発(早)です。それを逃したらゲームオーバーです。いそいそとまた臨時バスに乗り込み、45分前に来た道を戻ります。そしてこれも逃したら試合終了の帰りの特急電車は17時47分発です。微妙に時間がるので、こちらも旅の発起人の発案で日本最北の水族館であるノシャップ寒流水族館に向かいます。まぁ水族館としては特筆すべきことは無いのですが(無いのかよ)、そこからほど近いノシャップ岬はちょうど夕暮れで美しく、しかし天気の豹変で降り出す9月の雨とそれに伴い吹きすさぶ強風は完全に冬のそれで、本当に厳しい土地なのだろうなぁと想像したのです。
(だけどこないだブラタモリで、オホーツクの北方民族にとっては北海道北岸は南の緑の地だったと聞いて、北には北がある……と思った次第)

そうして我々は迫りくる夜の闇に呑まれながら、手早く駅の売店で帰路の食糧(途中での補給網が完全に断たれているのでこれは死活問題)と心ばかりのお土産を買い込むと、帰りの特急に乗り込むのです。札幌から稚内までは途中の駅で人の動きはほぼ無かったんだけど、帰りは稚内からほど近い駅でけっこう降りる方々がいて、調べたら温泉地がありました。本当に、国内だけでも巡り切れんよね。

時折の町の灯だけを車窓に映しながら電車は進み、札幌到着は22時57分(多少遅れて23時回ってた気がする。待ち合わせの関係で遅延して、自販機しかない駅でけっこう停車、長時間乗車に飽いた乗客みんなぞろぞろホームに出てた覚え)。時間だけ見ればもうほとんど移動してただけの日なんだけど、その中で観たもの感じた空気が一生一度感がすごく忘れえない1日となったのです。

この2日後に余市のフゴッペ洞窟と、その近くの海岸を訪れたのですが、そこも素晴らしかった。洞窟に関しては完全に一生一度テンションの延長なので別にオススメはしませんが(しかも今はコロナの影響で洞窟自体には入れないし、じゃあそれで何があるかと言われればほぼ何も無い)、あの海岸の原風景は鮮やかに心に刻まれているのです(海岸だってただひたすら海と砂浜しかないんだけど、そこにはすべてがあったんだナァ)。その海は見知った色の青で、空はきちんと夏の色だった。小さな川が砂浜を割いて海に流れ込んでいて、そのわずかな流れに阻まれて我々はそれ以上には進めなかったのだけれど、その流れを軽々と飛び越えて対岸に舞い降りた1羽のカモメさんがめちゃくちゃ羨ましかったんだよなぁ。そんな、一生一度の旅の思い出であった。

2020年映画の旅②

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2020年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

千と千尋の神隠し ★★★★☆
最初に観た時から思っていた。今回も上映が終わって客電が点いて、ナウシカと同じくらいぐったりした客席の中で、前の列の男子が「こんなに難しい話だったっけ……」と顔を覆いながら呟いた。そう、難しいの。少なくとも私と、その男の子にとって。
両親のこと、不思議の街のこと、カオナシのこと、電車のこと、ハクのこと……もうすべての暗喩を解けていない気がするのです。私は。どれほどこの映画のことを汲み取れておるのだろうか……。
でもこの歳になってもう1度映画館で食らいつくように必死で観られる機会があって良かったです。あと、ナウシカ観た直後に鑑賞したので、この間にいかに洗練されたかというのが、繊細な画面のすべてから伝わってきましたよね。作画もだし、ストーリーも。そしてあの『いつも何度でも』が静謐に流れるエンドロールの前に、ただ静かに深く息を吸い込むしかないのです。

海の上のピアニスト 4K修復版 ★★★★☆
20年ぶりに観ました。大方のデティールは記憶どおりでした。細部に関しては完全に新鮮な気持ちで観られました。
案の定、始まってすぐ泣いて、泣いて、合間合間にちょいちょい泣いて、最終的にすーすー涙を流し続けたわけなのですが……。作品のノスタルジィなのか自分のノスタルジィなのかもう訳が分からず融解してしまったところでの涙だったので……。だからこそイタリア完全版も観てみたいなって思ってしまった……、観るまでは修復版だけでいいじゃろイタリア版長いしなぁって思っておったのに……(確かに今回そう言われて観てみたら、特に前半に端折ってんなぁ性急だなぁって印象を持ったせいも大きいです)。
だからまだけっきょく私はこの物語について掴み切れていなくて、けれど少女を目にしたナインティーハンドレッドが奏でた旋律の美しさそれだけであまりにも胸を打つこと、それは確固たるものでした。海の叫びを聴いたのだと。
※けっきょくイタリア完全版観られませんでした……。

インセプション ★★★★☆
こうして「映画館で観た映画」について数年間でも書くことを続けていくと、こうゆうことが起こるんです……前も、観た(笑)。あれは『ダンケルク』公開のタイミングだっので3年前ですね。こないだの『地獄の黙示録』はバージョンが違ったけど、今回は全く同じです。でもまぁ3年経ったし、おんなじ期間内に観たわけでなければひとまず書いておきます。
てゆーかあの…3年ぶりに観て……確信を忘れてたからちょーびっくりした(笑)。人は……忘れる(笑)。マリオン・コティヤールの美貌が鮮烈だったシーンとしては覚えてたのに、どーゆぅ文脈でそうなったのかを見事に忘れていたため、再度新鮮な気持ちで、かつ1度観ているという余裕があるので、とても落ち着いて楽しむことができました……(笑)。忘却にも良いところはあるね!!

Reframe THEATER EXPERIEN with you ★★★☆☆
今に至るまでPerfumeのライブ観たこと無いなぁって思って(よっぽどのことがないとフェスに行かないので、気軽に観る機会を作れないんだなぁ……)、せっかくなので観てきました。今こんな実験的なステージもやってたの!!! って度肝抜かれましたわよ……。照明フェチみたいなところあるから、あの完全コンピューター制御であろう照明の演出凄かった……。
てゆーか先日久々に「音楽と人」の表紙写真で3人のバストショットを拝見したらば、あ~もうすっかり大人になられて~~美しいぃ~~~!! ……ってなったわけですが。この映像作品を観ていて思ったのは、彼女たち3人がすでに圧倒的にPerfumeを全うしているにもかかわらず、それはまだまだ続いていく物語なのだということ。その覚悟が生半可ではないんだろうなということ。そしてけっきょく、その立ち位置で追随を許さなかったということ。

インターステラー ★★★★★
神がかっている。総て、総てが。
3時間弱、「時間が無い」と叫び続けるその物語に用意されたフィルムの中に、何ひとつ無駄な要素は無い。総てがあの結末に辿り着くためにあまりにも美しく必然として存在している。なんて美しい物語。
てゆーか!! いやぁホント凄い。凄まじい。時間の相対性に沿って光速(に近いスピード/少なくとも現在の技術では人体がその加速に耐えられないと言われていますが)で宇宙探査をする父親と、地球に残されて父を信じ疑いそれでも希望を模索し続ける娘の物語。どうしても問題になるのはその時間の進み方の差で、それをここまで美しい脚本に昇華できるなんて思いもよらなかった。すべからく時間の進み方が異なる……歳の取り方が違うというのは、共に生きる上でのあまりにも巨大な障壁になるのだから。それをこんな形でなぁ……。もうさぁ、最後の方は絶叫モノです……。
実は1か月くらい前にレンタルしてPCの画面で初めて観て、それはもう自室なので実際的に絶叫かつ大号泣したんですけど。もうこれはありとあらゆるシーンがIMAXで観るしかねぇの連続なので、嬉々として映画館に足を運びました。ああぁ~~~映像の凄さたるやも!!!
そしてキャスティングも完璧としか言いようがないと思うんですけど、主人公の子供たち2人がマッケンジー・フォイティモシー・シャラメって組み合わせマジ神がかり。大人になった時のジェシカ・チャステインケイシー・アフレックも。いやー、マーフの幼少期・大人の組み合わせね、ホント良いね。冗談抜きでその瞳に吸い込まれるね! そしてマシュー・マコノヒーの武骨さが、地球が砂と疫病に覆い尽くされ息絶えようとしている世界に与える圧倒的リアリティ。あと、マット・デイモンがこーゆう役やってるのが新鮮過ぎて、秋。
2001年宇宙の旅』でAIに対して圧倒的な不信感を植え付けられている我々にとって、TARSとCASEには最初どうしても警戒しちゃうんだけど、ゴメン。まじ疑ってゴメンな2人とも……。あー、そこもすごい良かった。君たちホント最高でした大好き(情緒不安定か)。
これ以降は私の完全な趣味なんですけど、“超ひも理論(超弦理論)”についてずっと以前から興味があり、特に2019年末から一般向けに書かれたそれらについての本(ブライアン・グリーン著『宇宙を織りなすもの』『隠されていた宇宙』他)をずーっと読んでいて(一読で理解する能力が無いため、4~5回くらい読み返しているという……)。なんとか古典物理学相対性理論量子力学、そして超ひも理論の言わんとすることを微々たるものですが汲み取るようなことが出来た気がしていて(ちなみに当方はド文系のため、高校でも物理を選択していません。生物と地学を選択した気がする……)、それはこの映画の中で語られる理論を解する上で、大きな助けになりました。でもむしろ、この映画を観て興味を持ってもらえればいいんじゃないのかと思います。SF取っつきにくいという気持ちも分かるのですが、有り余る好奇心を受け止めてなお神秘的な宇宙が事実として広がっている土台の上に更に、この作品のように美しく築くのは至難の業であろうとも、でもこんな物語が生まれるから私は愛してやまないのです。
神がかった、宇宙と人類の物語。

 
TENET テネット ★★★★☆
未来とは、エントロピーの増大する向きである――
それこそ繰り返し読んだ『宇宙を織りなすもの』で口を酸っぱくして作者氏が訴え続けた、時間の矢。時間の矢の向きを定義する物理法則は見つかっていない。ただし、仮に宇宙が極度の低エントロピー状態から始まったとすれば――それは途方もなく極端な世界でなくてはならない――混沌が増す方向が未来と呼ばれる方向である。
正直に言ってかなり難解。そういう前評判も聞いていたので、必死になって物語に食らいついていったんですが(その際にエントロピーの知識があったことはだいぶ助けになりました……)、それでも最後の戦闘を前にしてけっこう「????!!????」でしたね。ただ、この1回観ただけで分からせきれない、というこの映画の難解さこそが作品の魅力として際立っている稀有な例。

 
 
 
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2020年映画の旅①

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2020年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

アラビアのロレンス/完全版 ★★★★☆
初めて観ました。
「ここで終わらないでくれ」と願う刹那、スクリーンいっぱいに映し出された“THE END”の文字。
時間の重さを描けるのは時間だけだし、人生の重さを語れるのは人間だけ。直後に私が言えるのはただそれだけです。227分、その物語の幕切れは、その人生の幕引きは、あまりにも淋しい。悲しい、悲しいよ。

ダンス・ウィズ・ウルブズ ★★★★★
初めて観ました。
語るべきことは溢れるようにあって、でもそれは言葉にするべきことではないような気がします。大自然は怒りも喜びもなくそこに在り、人々はただ命をつなぐ。それだけのことがやがて圧倒的に許されなくなり、去っていく。
あまりにも美しく、悲しい。身体中に沁み渡る、清廉なる3時間。それは、世界の美しさと哀しみのすべてを背負った3時間。
「なぜ彼が去ったのか分からず混乱していた。でも分かった。お前が来るからだったのだな」。

大脱走 ★★★★☆
初めて観たっぽい……(え???)。
いや、小学生くらいの時に観たような気がするって思ってたけど、1秒も記憶にあるところ無かったから観てなかったんだと思われます……。軽快に鳴り響く大脱走のテーマだけはもちろん耳に馴染みまくっていたわけだけれども。
スティーブ・マックイーンがカッコイイのは分かるけどなんとなくピンと来ないまま今に至ってしまっており、でもやっぱりそこまでピンとこなかったけど私は閉所恐怖症のトンネル王に夢中になってしまって、彼が無事に逃げきれたからほっとした……(そうゆー問題じゃない気はしてる……)。

1917 ★★★★★
傑作。
IMAXで観るべき作品というのはまさにそうであって、巨大なスクリーンいっぱいに投影される、過ぎるほどに美しい人の生き死に。炎に呑まれ夜に浮かび上がるあの街の光景は、瞼に焼き付いて離れない。そして塹壕から死地を見上げなおその緑の草原に駆け出して行った若者の姿も。
1カメというのは後からついてきただけで、この物語の有無を言わせぬ力がそれを選んだだけなのだろうと思います。戦争映画によってもたらされる研ぎ澄まされた悲しみと絶望を、私は愛しています。

地獄の黙示録 ファイナルカット ★★★★☆
音が…音がやべぇすげえぇぇぇ……!!!
……とゆーわけで、ファイナルカット版です。数年前に映画館でたぶんオリジナル版(完全版じゃないと思うんだよね…)を観ているんですが、ぜんぜん記憶にないシーンがあったんですけど、あれはオリジナルには無かった……? や、まぁそんなのはいいです!!(いいの??)
あの、ワーグナーを爆音で流しながら密林に向かって掃射するシーン。常軌を逸したあの光景が、まさにそこに在る。これぞ映画館音響のなせる業。

ゼロ・グラビティ ★★★★★
2013年作品。当時は気になりながら、まだ映画館に行く習性を取り戻していない頃だったので、けっきょく観ないままになってしまっていたわけだけれど。
……ああ、いま、IMAX・3D、最高の環境で初めて観られて本当に良かった。エンドロールが流れ終わり客電が点いた瞬間に、近くにいたカップルの男の子のほうが「……すごかった」って絞り出すように呟いていたんだけど、やー……すごかった。
正に見ているだけで息が詰まる宇宙の暗闇、それは本当にクライマックスまで解かれることなどない。そして伸し掛かる、圧し潰されるような圧倒的な孤独。登場人物は実質的に2人。さらに極限の孤独へと向かうその果てで、主人公が人生を取り戻した瞬間。人が人を生きようとするその姿は、こんなにも美しいのかと思ったのです。

レディ・プレイヤー1 ★★★★★
やったーーー!!! あの日あの時観られなかった、IMAX・3Dチャンス再来!!
もうこればっかりはありがとうございました。封切られた当初、観に行くのが遅くなって、観終わってすぐ「もっかい観たい!!!」って思ったけどけっきょく観られなくて。そんでその時はフツーの上映だったけど、絶対3Dだったらすごいだろうなぁって思ってたの!! まもなく地上波初放送だろうと、映画館で観ますわ。やっぱりね、映画館で観るべき作品ってあるんです。

風の谷のナウシカ ★★★★☆
まじか……って気分ですよ……。この作品を映画館で観る日がこようとは……。
何回も観てるはずなんですが、確かに久しぶりに観た機会ではあるのですが。こんなにも苛烈で、過ぎるほどにストレートな物語であったのかと……。初期作品だから技術的にも粗削りだし(音響のバランスがこんなだったんだ…って思いました)、とにかく伝えたいという暴走にも近い強烈な想いが結末めがけて辺りのものをなぎ倒しながら全力疾走しているようなストーリー展開。そこにはもう、誰も何も口を挟む余地はない。
客電が点いても、誰も彼もぐったりと席に倒れ込んで口もきけないでいるような、あんな劇場の光景。それもほとんど全員が1回は観たことがあるであろう作品で。まるで劇薬のような物語。凄まじい。

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2019年映画の旅④

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2019年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ブレードランナー ★★★★☆
『~2049』を観る前に…観たかった……(笑)。1年越しの元ネタ回収……。
IMAXリバイバル上映してくれたので。こうゆうのもっといろんな映画でやってもらえたら最高に嬉しいなぁ。午前十時の映画祭も終幕しちゃうし。と言いつつ、同時期に公開してた『マトリックス』の4DMXはやっぱり挑戦できなかった……。だって4DMX、ご覧になれない方の注意書きに「乗り物酔いしやすい方」ってハッキリ書いてあるんだもの…無理ぽ……。
割とスターウォーズの直後なんですね。ハリソンがずっと落ち着いていてびっくりしました。

プライベート・ウォー ★★★★☆
シリア内戦の、あの極限の街の姿は、私もリアルタイムでブラウン管越しに観ていたので、背筋が凍るものがありました。正に“死の街”としか例えようのない、命の終わる街。その街を伝えようとし、伝えてもなお圧倒的に死が支配し続けたその街で命を吸い上げられたジャーナリスト。
ジャーナリズムとは、報道とは。私にとってのその答えはもちろん出ないけれど、自らの答えを持って死んでいったメリー・コルヴィン。彼女を演じ切ったロザムンド・パイク。迫真の。素晴らしかったです。

アド・アストラ ★★★★☆
宇宙が、好きです。いや、絶ッ対に行きたくないけど(笑)。
「地球のことなんか、家族のことなんか思い出さなかった」ってゆートミー・リー父ちゃんの言ってること、なんかすごい分かる。思いのほかさらっと再会できてて、そこまで距離とか時間が重々しく迫っては来なかったんだけど、やっぱり海王星IMAXのスクリーンで見られて良かったです。海王星ってなかなかフューチャーされないし(笑)。
ほんとに、二十億光年の孤独だよ。

時計じかけのオレンジ ★★★★☆
こないだ、『戦争論』についてのTV番組をちょびっとだけ観たんだけれど。やっぱりさぁ、人間って圧倒的に闘争本能の生き物だよなぁと思い、本能を理性で押し殺す道を選んだわけだけれども結局飼い慣らせてはいない世界です。
スタイリッシュで超絶カッコ良くて刺激的。あまりにも危険で、だからこそ魅力的で本能を蠱惑する。人間の、本質。圧倒的なそれとの闘いはどこに帰結するんだろう。
恐ろしく観る人を選ぶ作品です。それが名作としてこうして上映され続けてるんだから、それこそが映画の魅力だなぁって思います。

ジェミニマン ★★★★☆
いや~~~やっぱりウィル・スミスですよウィル~~~~!!!
お話としては非常に分かりやすい感じですがウィル。青年ウィルがあまりにもナチュラルな若者なので、ぜんぜんウィル味がなくてむしろなんか普通に他の俳優さんっぽく思えちゃうけど、振り返れば彼が本当に25歳くらいの頃なんてこんなセンシティブな役どころやってなかったものね。そりゃ既視感がないはずだわ。

フッド ザ・ビギニング ★★★☆☆
もうとにかく何も考えずにライトな映画観たい時ってあるじゃないですかその時に観たんですけどぴったり過ぎてあーもー超楽しかったです(笑)。特におすすめもしませんけど(笑)。
原題はまんま『ロビンフッド』なんですね。邦題を決めた人はとても素晴らしいかと思います。

ターミネーター ニューフェイト ★★★★☆
ターミネーター3』について述べるならば、私は世間よりもずっと気に入っていたのかもしれないけれど(笑)。そしてたぶん『4』は観ていない気がする…記憶がない……。
あの世界線の違う続編があったから、今回の“新たなる続編”が生きてきたと思うのよね。最良の道は、きっと『2』での終幕だった気がするから。
しかしそれにしたって、62歳になって、しかもハリウッド女優としてはかなりしっかりとした皺をその顔に力強く刻んだリンダ・ハミルトンが、白髪にサングラスでミリタリージャケットを羽織って躊躇なくマシンガンをぶっ放すその様は。それはもう、誰よりも美しかったのです。人生の目標にするしかないのです。

サウンド・オブ・ミュージック ★★★★☆
たぶん15年ぶりくらいに観た……。そして冒頭の空撮からの、マリアが草原で歌い出した瞬間に泣いた……(え??)。
美しい映画だなぁと思いつつ、今観ると確かに昔の映画なんだなぁと思うところも多々ありました。それでもあまりにも時代を超える力を持っている。
子供の頃に観ていた時は、後半にいきなり世界情勢が迫ってくる印象だったんですが、いま改めて観ると、かなり序盤から歴史の不穏な影が物語を覆っているのですね。この作品ですら世界史を把握していないと訳分かんなくなるんだろーなぁと思うと、歴史ものが苦手という人の気持ちも当然やも…と感じるのです。私も『灰とダイヤモンド』は意味不明だったもんなぁ……。
それにしたって、マリアのウェディングドレス美しすぎた……。何あのレース、いまあんなの作れないんじゃないかしらってゆう。大昔に1回だけ海外旅行に出た際に訪れたんですよ、ザルツブルクのあの教会。まるで夢みたいな。

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け ★★★★☆
もうね、映画として良いのか悪いのか分かんない!! 分かんないよ場面転換とか進行とか無茶苦茶だろこれのオンパレードなんだけど、そうでなきゃスター・ウォーズじゃないんだもん!! スター・ウォーズ全うした!! 私が!!!
……あー、こんなに喪失感が大きいとは思わなかった。終わっちゃったんだなぁ。切ない、切ないよ。デイジー・リドリーがレイやってくれて良かった、アダム・ドライバーがベンやってくれて良かった。惜しむらくはキャリー・フィッシャー。もし路半ばで倒れなければ、きっと他の作品でもう1度キャリアを積めたのじゃないかって思ってしまう。
本当の本当に色々あった、あまりにも巨大化した物語であったけれど、それは私の物語なんだと思える。10歳の時に出会ってから、はや四半世紀。一緒に年を重ねられて幸せでした。ありがとう、スカイウォーカーの物語。

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2019年映画の旅③

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2019年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

JAWSジョーズ ★★★★☆
22年ぶりくらいに観た……。
「サメが出る」という記憶しか残ってなかったんだけど、1回サメが出てきたシーンで本気でびくってなっちゃったの自分で自分にウケた(笑)。
サメ怖いからさぁ(怖いじゃん??)、観に行くかどうか迷ったんだけど、ジョン・ウィリアムズのあの音楽を映画館で聴く機会なんてもう廻ってこないだろうなぁという理由で足を運んだんですけど。
しかして、その後類似品が出回りまくった“サメ映画”の大古典にして金字塔は、圧倒的な人間ドラマにして海洋ロマンでした。「もしもCGがある時代に作ったら、間違いなく駄作になっていただろう」って、きっとそうなんでしょうね。バラバラだった3人が傷を見せ合い、あのインディアナポリス号のエピソードが語られた時に、この映画はただのパニック映画から絶対的に脱したのだろうなぁ。

E.T. ★★★★★
22年ぶりくらいに観た……(最近そんなんばっか)。
ああ、こんなに良い映画だったんだなぁって、本当に身に沁みて思いました。もう何か至る所で号泣したしE.T.との深い友情と兄弟愛に心打たれたし、今になると母親の気持ちもすごい分かって最後に笑ってくれてよかったなぁって。大人になってから観た方が、子供のころより感じ入られた気がします。今さら何を言うまでも無い作品ですが、本当に本当に良かった。ドリュー・バリモア演じる妹がE.T.と初対面した時に叫んじゃうシーンとか、劇場中が爆笑してて何度観ても笑えちゃうのすごい。
そして、全てをまとめ上げた(むしろそこに収束していったのかもだけども)ジョン・ウィリアムズの圧倒的音楽。あれが流れただけで反射的に泣ける……。音楽って素晴らしいものですね……。

ゴジラ キングオブモンスターズ ★★★★☆
洋ものゴジラ、初めて観たの…、だって、キングギドラモスララドンも出るからってゆうから…観た……ちょーアガった……(笑)。
当方、1954年作品『ゴジラ』から、平成VSシリーズ最終作『ゴジラVSデストロイア』までおそらく全て観ました。小学生くらいの時に。そんで、あれはもう3年くらい前ですか、『シン・ゴジラ』を観ました。もしも私がシンゴジしか観ていないタイプだったら絶対に違和感しか無かったんだろうけど…なんせそんな育てられ方をしたもので…もはやこれは……
三大怪獣 地球最大の決戦』!!!! ラドン付!!!!!!
ってゆーかさぁ!! ラドンの登場シーンがさぁ!!! ラドンでしかなくってさぁ!!! 「ラドンラドンラドン!!!」ってなったラドンでこんなにテンション上がると思わなくないキングギドラよりもアガったもん!!??
芹沢博士の時計の時刻は、日本人にしか分からないネタだったのかだけ知りたいんですけど他になんか意味あった……??

アラジン ★★★★★
ウィル・スミスはやっぱり破格の役者だった……。もうね、最初に言うべきことはそれだと思うの!! ウィル・スミスすごいウィル・スミスすごいよ!!!
最初にフツーのウィル・スミスが出てくるんだけど、あれって思うんだけど、や~、すんばらしかったですウィル・スミス。役者に関してはウィルが全てだよスター・ウォーズハリソン・フォード状態だよあれ……。
最近のディズニー映画では常にそうであるけれど、特に今回は舞台となっている地域がそうであるからなお一層、“世界中の女の子(特にそういった地域の)への強い応援”であったと思うの。そしてそれって、すごく意味のあることだと思うの。かつて自らが世界に流布させた古典的価値観の(それはそれで文化的に意味のあることだと思うし立派な歴史なのだけれど)物語を鮮やかに上書きしていくのはね、本当にすごいなって思います。

メン・イン・ブラック インターナショナル ★★★☆☆
たぶん私、途中観てないシリーズ作品がある気がする……。それこそ初代のウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの黄金コンビがやってた2作は観てるはずなんだけど。
安心して楽しめます、とってもライトでキュート。緊張感ないし(笑)。作品的にはそれ以上でもそれ以下でもないんだけど、テッサ・トンプソン可愛いなぁ~~。

世界の涯ての鼓動 ★★★★☆
TOHOシネマズのHPをポチポチ眺めてたら、都内のミニシアター系でしか公開してなくってノーマークだったんだけど、「あっれアリシア出てるじゃん!!!」って気付いちゃって、急遽観てまいりました。アリシア大好きおじさんなので…。
しかして今回はジェームズ・マカヴォイの存在感が光っておりました。そして主人公2人のあまりにも異質な世界軸が交わったことで、それぞれの抱える価値観があまりにもはっきりとした輪郭で突きつけられる。そしてそのもがき苦しむ世界の涯てで、「こんなもののために死んでたまるか」と最後の最後に走り出した男。
あぁ、今このシーンで、この光の中で終わってくれと、そう願っていたらエンドクレジットが流れ出したので。その波長が合ったのがとっても良かったです。私も、すべての障壁は歴史であると思うんだ。

ニュー・シネマ・パラダイス ★★★★★
初めて観ました。ずーっとずーっと観たかった。
で、予想通りなんかもう号泣に次ぐ号泣で、ほんとにエンドロールでいかに涙を拭えるかの勝負を繰り広げるあれ…隣の席で号泣してたおじさんも大変そうだったし……。そんな我々の姿は、新パラダイス座で誰も彼もが涙を流しながらスクリーンを見つめたあの画そのものであったら良いなと心の底から願うのです。
故に、今さら何も言うべきことはないです。老齢の母が告げた「本当の愛を」の言葉の後、映写機に映し出されたアルフレードの形見。涙が止まるわけなどなく。映画とは素晴らしいものだ。

命みじかし、恋せよ乙女 ★★★☆☆
オチはすんごいフツーだった(笑)。
いや、すんげぇ普通だったんだけど、全体的な余白がすごい好きでした。悪霊や幽霊やその他もろもろ出てくるけれど、映画そのものがそういった空気感でかなり捉えどころもなく、しかして張った伏線はあまりにも鮮やかに。物語そのものが幽玄の。樹木希林さんは言うまでもなくなんだけど、入月絢さんの雰囲気が素晴らしかったです。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド ★★★★☆
今まで観たどんなブラッド・ピットよりも、どんなレオナルド・ディカプリオよりも、この映画の中の2人は最高に魅力的だった。それはきっと役柄の生々しさが、彼らの存在に、ずーっとトップを走ってきたはずの彼らにとんでもなくフィットしていたからで、タランティーノ世界の無茶苦茶支離滅裂さの中で、めちゃくちゃにリアルだった。たぶんきっと、ハリウッドってこうゆうところなんだろうなって。いや知らんけど。でもきっと。
あぁこれは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のオマージュなんだろうなってシーンがちゃんと分かって良かったけど、当たり前だけどぜんぜん違う(笑)。

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