ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

坂東三十三所巡礼13日目 大谷寺・慈恩寺

2021年7月22日(木祝)

㉑第十九番 天開山 大谷寺
また18きっぷの季節が巡ってきてしまった。夏の18きっぷと言えば、18きっぷの中でも本場である(??)。出かけないわけにはいかない。しかして、超絶暑い。涼しいところ、涼しいところ……。そう、大谷資料館である(巡礼はどうした)。

夏なので暑さと日の早さのせいか、ここのところ異様に朝早く目が覚めてしまうので、これを利用して早めに出発。6時半くらいに最寄り駅から出発、ちょうど9時くらいに宇都宮駅に到着。駅の観光案内所はちょうど空いたところで、ここで大谷観光一日乗車券を購入。大谷寺と大谷資料館の両方に路線バスで行くなら、これが断然オトク。更に窓口のおばさま、乗車券の他にとにかく大量のパンフレットをくれる。宇都宮、観光にめちゃくちゃ力入れてたんだな……。

おばさまにバス乗り場も教えてもらっていざ出発。30分くらいでまずは第一目的地である(もちろん)、大谷寺に到着。バス停から3分くらい歩くとすぐお寺、門のところには交通整理のおじさんとかもいて、観光地化されたお寺はこういうところが本当に有難いです。なので、入口には体温測定もあります。で、ワタクシ、この1年ちょいのこのシステムで初めて叩き出しました、37.5℃……。
お坊さん、「表面温度を測っているので、暑いですからね~、ちょっと待ってからもう1度お願いします~~」、すんまそん……。30秒後に測って37.0℃に下がっていたので無事に入れてもらいました。この日の午後に行った盆栽美術館では36.5℃だったので大丈夫でしゅ……。

大谷寺。大谷石の岩盤に築かれた寺院。そして、仏像。本当に、唯一無二の造形でした。特に、日本では珍しいその石仏。時の流れで摩耗した観音様は、だからこその美しさがありました。観音像の他にもいくつかの大きな石仏があり、そちらも本当に素晴らしかった。そのお堂の中に1匹の立派なトンボが虜になってしまっていて、その子を外に出してあげたのがこの日積んだ徳です……。
あと、ささやかな宝物館が併設されているのですが、屈葬されていた状態で発掘された縄文最古の人骨は本当に必見。

さて、お寺を出てすぐのところに、戦後に建立された27mの高さのある巨大な観音像が建っております。もちろん大谷石をくり抜く形で作られていて、本当に岩の土地なのだということを実感させられます。それはこの後に大谷資料館に向かうため歩いたほんの少しの道のりと、それこそ大谷石を切り出した跡地である大谷資料館そのものが圧倒的に語りかけてきてくれます。

大谷資料館。春先にちょっと調べたら(その時は未公開エリアも公開していて、それはそれで確かに魅力的であったのだけれど)、“夏でもちょー涼しいよ☆”って書いてあったから……。こりゃあもう夏の盛りに行くっきゃないっしょ……、と思いまして……。これ、まじ正解でした。サイトには「寒いので上着をご持参ください」って書いてあったから、一応リュックの底にパーカーを詰め込んでいったんだけど、あのね、必要なかった☆ いやー、めっちゃくちゃ寒がりな人とか、もうちょっと中途半端な季節の時は持って行った方が良いと思うんですけど、なんせ外気温がおそらく35℃近くあったので、坑内におそらく30分くらいはいたと思うんですけど、終始気持ちよかったです(笑)。とにかくあらゆる面で非常に圧倒的な場所なので、とても良かったです。

 
 
 
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㉒第十二番 華林山 慈恩寺
朝めちゃくちゃ早かったおかげで、大谷観光を終えて宇都宮駅に戻ってきた時点でまだ12時過ぎ。これは……もう1か寺行けるのでは?? 急遽、埼玉県最後の1か寺、慈恩寺に向かうこととします。帰り際に寄れる場所はもうここしかありません。18きっぷで大宮駅まで行き、アーバンパークラインという謎めいたネーミングの東武路線に乗り換えます。東武線ってチャレンジャーなネーミングしません??

で、豊春という今まで全く縁のなかった駅で降ります。駅前の住宅地を抜けると、宅地と田んぼと畑が良い具合に散らばるのどかな風景になります。歩道があんまりないのですが、プレ歩道みたいなスペースはあって、それだけでもだいぶ有難い……。いやね、人ぜんぜん歩いてないからそうなんだけど、歩道ってまじ大事よ……。
しかして、炎天下。だけど、思ってたほど辛くなかった片道30分強(平坦でもあったしね)。辿り着いた慈恩寺はシンプルでああるけれど広めの境内とどっしりとした本堂の、趣あるお寺さんでございました。

灼熱の来た道を戻って駅に辿り着き、それでもまだ15時過ぎ。これはもう、ずっと行ってみたかったあの場所に行くべきでは……?? 盆栽美術館に……。
アーバンパークラインの大宮公園駅で降りて、駅前からとにかく要所要所で案内板が建っていてくれる盆栽美術館。てゆーか、街自体が本当に盆栽盆栽しているのね。美術館自体はこじんまりとしているけれど、初心者には見易くて何よりです。企画展が「夏休みこども盆栽塾」だったのも有難かったね……。

 
 
 
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盆栽美術館を出たのが16時過ぎ。最最寄のJR土呂駅から再び18きっぷを行使して帰路につきます。いやー、我ながら詰め込んだ1日でした。面白かった!

 
 
 
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坂東三十三所巡礼12日目 浅草寺

2021年7月3日(土)

⑳第十三番 金龍山 浅草寺
いついけばいいのか、ぜんぜん分からなかった浅草寺。そんな超一大観光地・浅草寺、おもむろにここで挟む形になりました。過去イチ短い記事になると思われ。

ことの発端(?)は友人が浦和でひとり暮らしを始めたことで、じゃあ遊びに行くわーって話になって、「お昼に着くようにするね!」って行ったら……。なんとなく……、途中っぽい場所に浅草寺が、あるね……? じゃあ寄ればいいのでは……??
寄り道と言っていいのかどうか、ちょっと微妙なラインだったけど、まぁ良い機会ということで決めました。時は梅雨の終盤で超絶大雨、土曜の午前9時半。さしもの浅草寺とて流石に空いておろうという目測もございました。

そんな予想通り、めっちゃくちゃ空いていた浅草寺。人が、おらねぇ……。居心地が悪いほど人もいず、店も開いていない仲見世通りを通り抜け、あっさりと観音様にお参り。今まで人でごった返していた参道しか知らないから、本当に異世界ですよ。
そんなわけで、以前にも御朱印をいただいたことはあったのですが、その時とは授与所の場所も違っておりました。確か平常時は本堂でいただいた覚えがあるのですが、今回はもっと奥の方だよと矢印が指し示しているのでそちらへ。その途中でものすごい錦鯉がいらっしゃって、私は本当に延々と鯉を見ていられるよね……。てゆーか、都会のど真ん中にこんな流れのある美しい池と多数の錦鯉を整備してあるのは流石としか言いようがございませんよね。

そんな鯉の池を通り過ぎ、影向堂の方で御朱印をいただきました。影向堂には十二支の像がお祀りされておりました。こっちまで来たの初めてかも知んない。聳え立つ五重塔もね、本当に見事ですよね。改めて坂東巡礼ということで訪れてみると、またこんな時節というのもあるのでしょうけど、今まで見えなかったものも目に入ってくるようになりますね。そんな、再確認の浅草寺でございました。
帰りに雷門を出たら小雨降る中、YouTuberが1人ですんっっっごいハイテンションで撮影してて鋼の心臓やな……って思いました。あの仕事はやっぱり……、しゅごいわね。

あと、こないだの大御堂から「疫病退散」の印を押していただけるようになりました。これは坂東三十三所の総意みたいですね。今年は丑年、本来はご開帳の年……と説明にあったのですが、そういえば私は年女だったわって気付いて、だから巡礼を始めたのですは!??? という後付けの理由というか、お導きを得たような気持ちです。
そんな浅草寺のお参り。短いには短いけど、でもそこそこ書いたわね(笑)。

 
 
 
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2021年映画の旅①

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2021年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

モンスターハンター
 ★★★☆☆
3月も末になって……今年に入ってから1回も映画館に行っていないことに気付き。あぁ、映画館でポップコーン食べながらどうでもいい映画観たい……という欲求が生まれまして、意気揚々と、こちら。
正直お話としては虚無()ってゆーか、1回トイレで席を立ったんですけど、もうものすごく安心して行けると言いますか。でもこうゆう物語をめちゃくちゃ摂取したくなる時が人にはあるのです。

JUNK HEAD ★★★★☆
これは、凄まじい。この作品に独りで7年間も向き合い、自分の創っているものに確信を持ち続けた、その精神力が何よりも凄まじい。
相当にクセが強いし、ダメな人はとことんダメだと思うんだけど、いやこれは中毒的にハマる人が出るのは非常によく分かる。そこまで突き詰めた世界観。めちゃめちゃ面白かったしグッときました。いつか続編が制作されたら是非とも観たいです。

ザ・ロック ★★★★☆
いやー、この作品をスクリーンで観られる日が来るとは……。
初めて観たのは中学生の時、テレビ放映(おそらく地上波初ってやつだと思います)でした。圧倒的娯楽大作ですよ、もう超面白かった。その感想は本当に今回も変わらない。やっぱり私は文芸作品なんかよりも根本的にはこうゆー映画がいちばん好きなんだと思いますよ(笑)。
それにしたって改めて観ると、やっぱりこの作品はエド・ハリスの映画ですよね。ハメル准将の悲しみの物語。始まってすぐに壮大な音楽を映画館の音響で聴かされながら、作戦実行の決断を下す准将が映し出されたらもう、それだけで映画館で観るという喜びを嚙み締められましたわ。あのクライマックスの発煙筒を焚く名場面ももちろん。あー好き!!

アンタッチャブル ★★★★★
以前の午前十時の映画祭で観て以来、2度目です。なので感想を書くのも2度目なので割愛いたしますが。
もう何も言うことは無い圧倒的名作。ショーン・コネリーに愛をこめて。

ノマドランド ★★★★☆
フランシス・マクドーマンドは自分を魅せる作品を自ら作り上げているのが本当にすごいとしか言いようがないですわね……。
放浪の生活というのはもちろん憧れる部分もあるけど、実像としてはやっぱり過酷なんですよなぁ。ただ、人生の最後に目指すべき場所に辿り着こうとする人々はとても美しいなと思いました。静謐な空気がいつまでも余韻を残す。

グリーンランド ~地球最後の2日間~ ★★★☆☆
これよ。こーゆーのでいいんだよ! ってやつです。
いやね、突っ込みどころは満載よ。ストーリーの詰めの甘さは超絶ヤバいともいえるんだけど(最終的に何でシェルターに入れてもらえたのかがまじぜんぜん分かんない笑)、ハリウッド大作なんて究極これでいいですよってやつです。ぜんぜん特におススメもしませんし、語り継がれるようなことは一切ないんだろうと思いますが、こーゆうのでいいんですよ!!(??) 

イージー★ライダー ★★★☆☆
長い映画史の中では、こういう異質な映画が生まれかつちゃんと評価されているのがすごいなぁと思った次第。
まさに衝撃的なラストなんだけど、そこに至るまでの筋がほとんどあってないようなものなのでそれが救いです。夢と自由の国のこれが連綿と続く現実なんだよなぁと思い知ります。

ロミオ+ジュリエット  ★★★★☆
やべぇ。こいつはやべぇ。
いや、やべぇ要素は山のようにあるんだけど、もう何がやべぇってレオ様の美しさが……!!!!!!
私この作品、初見なんすよ。1996年作品って『タイタニック』の前なのね、そりゃあ観てないわ……(『タイタニック』はぎりぎり映画館で観ました、当時小6)。やっぱりあの年代のレオ様って本当の本当に混じりっけなしのスターとしか言いようがない圧倒的な輝き。そのキラキラ感の前ではあらゆることが野暮ですわよ。
つまり言ってしまえば、レオナルド・ディカプリオのための映画です。度肝を抜く演出も、華麗な衣装も、けっきょくレオ様を前にしたら沈黙に等しいのですよ。時代だと思いますけど、ここまでの純粋なるスターってこの先はなかなか出てくることは無いのでしょうね。だって本当に、あの時はみんなが彼に魅せられて、彼のための華やかなる大作がハリウッドでたくさん撮られた。そういう、最後の時代だったのだと。
てゆーか、午前十時の映画祭の中では客層がめちゃめちゃ若い女の子が多くて、25年前のレオ様強すぎんか!?? って思ったけど、この美しさは普遍的過ぎるし若い女子に鑑賞していただきたいわよね……。

2001年宇宙の旅 ★★★★★
私は! ららぽーと横浜のTOHOシネマズの係の人に!! 言いたい!!!
スクリーン13で上映してくれてありがとう!!!!!
……こちらも数年前にIMAXで観ております、そーゆうパターンも増えてきたわね。もちろんその時のIMAXの大画面には及ばないわけなんだけど、でもこの作品を大きめのスクリーン13(しかも空間的にも横長な作りの!)で上映してくれたこと、本当に嬉しかったのです。これはそうゆう劇場でこそ映える作品ですから(ちなみに翌週は違うスクリーンになってました、1週目にがんばって行って良かった……)。
スクリーン13は旧プレミアスクリーンで、その頃は午前十時の映画祭御用達のスクリーンだったけど、コロナ禍で改修して収容人数を増やしたため、めっきり縁が無くなってしまっておりました。それもあって、今回ここで観られて嬉しかったよ~~!! もはやぜんぜん映画の感想じゃないけど、それは以前に書いたからさぁ~~~!!!

 
 
 
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坂東三十三所巡礼11日目 楽法寺・大御堂

2021年6月19日(土)

⑱第二十四番 雨引山 楽法寺
なんと。前回から1か月以上空いたのですね。びっくりでございます。しかも今回は、完全に雨が降りまくっている中でのお参りです。降雨の中での参拝は、坂東さんに限って言えばですがもう2度と無いと思います(笑)。今回の雨引観音様は良かったけど、やっぱり他ではしんどいと思うので……(笑)。

というわけで、朝7時40分に家を出る時点から完璧な梅雨空です。大きめの雨粒は強固な意志でもって降り続いています。この状況でなお行こうと思いましたのは、楽法寺が紫陽花が有名と聞きつけてのことです。鎌倉の明月院とかにも別に紫陽花の時期に行ったこと無いけど、紫陽花自体にそんな思い入れもないのだけれど、せっかくだから見てみたいじゃないですかそげに名高し紫陽花……。

そして電車に揺られて2時間半強、最寄り駅のJR岩瀬駅に到着。駅前には妙に広々としたロータリー。暇そうなタクシーが2台、運転手さんはずーっと世間話してらっしゃった。そうなるよね……。
そんなロータリーの片隅で、日に数本のバスが来るのを待ちます。電車と接続してくれてるのだと思うので、そんなには待ちません。バスはたぶん市庁舎が始発で、先客は1人。駅で私ともう1人、おじさんが乗車して計3人を乗せて出発です。で、雨引山に寄ってくれるんですけど、これ本当にメインルートの国道を外れて結構な山道を登って寄り道で行ってくれるんですよね。雨引山に用事のない乗客にとってはかなりのタイムロスになるやつ。でも寄ってくれる。そして、この日この3人の中で降りたのは私だけ……。いや、私がいただけまだ良かったような気がする……。埼玉でバス廃止問題に直面した身としては、なんというか、マジありがとうですよ……。

しかして11時過ぎに辿り着いた雨引山はめちゃ混みであった(駐車場は満杯)。バス民の私は便が相当数限られている関係上、13時半くらいまでここを脱出できません。となると、お昼ご飯はここで食べないと食いっぱぐれるので、駐車場の端にある近辺唯一のお食事処で早めに中華料理(※何故か中華料理屋さんだったので)を食べます。山の上はちょっと肌寒いくらいだったので、薬膳スープが染みた……。

とりあえずゴハンにありつけて安心したので、降りやまない雨の中、境内に向けて出発です。すぐそこだけど……。ほんと、バスって有難いなぁ……。
紫陽花。こんなにもまじまじと向き合ったことは無かったかもしれない、紫陽花。毎年、道端に咲いている花を通りすがりに眺める程度だったのだなぁ。なんか改めて見ると、色んな種類もあってとても美しいものですね。あと、やっぱり雨が似合う。ただし雨引山は大きいお寺さんなので休憩所も売店も授与所でも雨宿りが出来たので今回の雨降り参拝がかなったのだけれど、他のお寺さんじゃなかなかこうはいかないのでやっぱりもう雨の中のお参りは無い気がする……。ここもちょっと乾いた季節にまた訪れたくはあるよね(笑)。

⑲第二十五番 筑波山 大御堂
さて、1時20分のバスに乗って雨引山に別れを告げ(ついに雨は降りやまなかった)、岩瀬駅には戻らずに筑波山口に向かいます。だがしかし。ここがかなり詰めが甘かったのですが、筑波山口のバス停から大御堂まで歩いて20分くらいかなぁ~と呑気に考えていたら、舗装されているとはいえ周りの草木も生い茂った、かなりの勾配の細い道……を45分くらい歩いた……。雨も小雨になっているとはいえまだ多少降ってる……。思いがけない山登り。し、しんど……。ついに大御堂の新築ぴかぴかの立派なお堂と階段に辿り着いたときには、本当にほっとしましたわよ……。

大御堂は本当にお堂だけというスタイルですが、新築でとっても立派。新築は新築の良さがあるわよね。御朱印のご対応いただいたご年配の尼さんに「お1人でいらしたんですか? ご立派なこと……」などともったいないお言葉をいただき、ここまでの苦労が報われましたわ……。
でもやっぱり心身ともにくたびれちゃったし、実は夜に全然別の用事もあったので、早々に引き上げることにいたします。もう少し天気が良かったら筑波山に登りたかったんだけど、それはまた改めて来ますわね。なんせ最近、登山に興味が出てきたもので……。というわけで、梅雨空の下の巡礼も良いお参りでございました。次も1か月後くらいかな~。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼10日目 正法寺・安楽寺

2021年5月8日(土)

⑯第十番 巌殿山 正法寺
前回の慈光寺に引き続き埼玉県、図らずも比企三山後編です。自動車で回られている方などは三山を1日で巡るのはまったく無理が無いと思うのですが、こちとら公共交通機関の鬼のため、JR沿線の慈光寺と東武線沿線のこの日の2寺は分けて参拝。どこも駅からまた遠いんだわ……。
とはいえ、この日1か寺目の正法寺の位置する高坂の町は、行ってみて痛感するのですが大東文化大学の城下町なのですね。ひっきりなしに往復する大学の送迎バス。もちろん私は乗せてもらえませんので、4kmほどの道のりを往路はとりあえず歩いて行ってみます。でも道も分かりやすいし歩道は車道よりも広くて超快適。

そう、普通の路線バスで向かったとしても最寄はそれこそ大東文化大学だそうなのですが、そちらからですと裏参道から入ることになるみたいで。経験的にも、あとガイドブックにも「ぜひ表参道から参拝して欲しい」ということが書かれており、それもあっての徒歩行程。いや、ここの表参道はすごいですよ。賑わっているとかそういうのでは全くない閑静な住宅街ですが、真っ直ぐに伸びる600mの参道。各家の入口には、往時の商号や屋号の看板が掲げられています。偲ばれるのはかつての繁栄ですわよね。何件か空き家も散見されたけど、だいたいのお家は普通の住宅として生活が営まれております。本当に、30年後はここもどうなっているのだろうか。その日その時、また確かめに来られたら本望です。

そんな参道の入口からすでにその山門と階段を見やることが出来る正法寺。歴史の果てに少々朽ちて、鄙びた風情の落ち着いたお寺さんです。お参りを済ませて御朱印をいただくために庫裏を訪ねた頃には、法事か何かで人が集まってきておりました。かつての栄華は今は遠く、けれど地域に溶け込んだお寺さんになっているんでしょうなぁ。

帰り道も表参道から後にしまして、でも途中のバス停でちょうど高坂駅行のバスを捕まえられたので(1時間に4~5本は走っているようだったので非常に助かりました)、2kmほどショートカット。後々思ったのだけど、ここをバスに頼って本当に良かった。次の吉見観音までのが遠かったからね……。高坂のがらんとした駅前にマックがあったのでハンバーガー食べまして、隣駅の東松山に向かいます。

⑰第十一番 岩殿山 安楽寺
前回の慈光寺でタッチの差で路線バスが廃止になってしまっていましたが、こちらも数年前までは吉見町の循環バスが走っていたようなのですが、廃止になってしまっております。東松山駅から5km近く徒歩の区間となります。ここで学んだのは、やっぱり分かりやすい道を選んだ方が結果的に近くなるので、入り組んだ住宅街を斜めに突っ切ろうとするのはやめようね……。早々に諦めて大通りを進みましたわぁ。

そのルート変更のため、帰りに寄ろうと思ってた吉見百穴と岩室観音の前を通ったので、そのまま寄ってしまいました。このまま歩いていくと、ちょうどお昼時にお寺に着くことになって、そうしますと納経所が閉まっておりますからね。てゆーか、岩室観音めちゃくちゃ道路わきに無造作にあってちょっとビビったわよね。
吉見百穴。なんとな~く存在は知っていて、ずっと「ひゃっけつ」って読むと思ってたらこの度「ひゃくあな」だと知りました。割と行けたら行ってみたいとなんとな~~く思っていたけど、まったく機会のないままでしたが、遂に訪れることが出来ました。割と古墳・墳墓好きなんですが、埼玉ってけっこう古墳が多いのね。その辺も今後、巡っていけたら良いなぁ。ライブで地方に行った際はここぞとばかりに観光しまくっていたけど、関東だとめんどくさくなっちゃって(ライブが夜遅くまでかかるので、どーしても疲れちゃうし……)そういうのサボりまくってたから……。

 
 
 
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百穴を覗き込み終え、時間もいい感じになってきたので吉見観音に向けて再び歩き始めます。往路はここからお寺さんまでの道がめちゃくちゃ長く感じました。道のりも、最後の最後で間違えて民家に入りそうになっちゃうトラップがあり、なかなか一筋縄ではいきませんでした……。ここは表参道まで回り込まずに、脇の細い道から意図せず入り込んじゃったなぁ。もうねぇ、それどころじゃなかったよね(笑)。

それでも姿を現した安楽寺は大きな伽藍を有した立派なお寺でございました。三重塔も大仏もあります。塔のあるお寺って銚子の円福寺以来かしら? 奈良をうろうろしているとこの規模の塔も伽藍もある意味ありふれているもので、西国と坂東の歴史的・文化的違いを痛感すると共に、埼玉県吉見町という今まで全然知らなかった田舎町でこんなお寺に出会えるのは感動いたします。

そうしてお参りを済ませて、再び来た道をてくてく歩いて東村山の駅へと戻ります。やっぱり帰りの方が道が分かっている分、気楽ではありますよね。とはいえまぁ1時間かかるのでやっぱし遠いよね……。この日も慈光寺同様、正法寺安楽寺と合わせてけっきょく15kmくらい歩きました。30年後も歩けるんかな……、最悪タクシーってゆうかまだ30年後の心配はよそうね……。翌日はめちゃめちゃ寝ちゃったよね、疲れちゃって。でも目的地があって、そこを目指して一生懸命歩くという行為はすごい充実感があるなぁと思いました。

 
 
 
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坂東三十三所巡礼9日目 慈光寺

2021年5月2日(日)

⑮第九番 都幾山 慈光寺
住まいのある神奈川県内9か寺の巡拝が済んでしまったので、いよいよどこを選んでも大変になってまいりました。これ以降は雨の季節もやってきますし、三十六不動尊巡礼もありますし、たぶんペースが落ちるんじゃないかと思います。思いますが天気が良ければ出かけるかも知んない……。とはいえ、ぼさっと起きて行ける距離でもなくなっているので、決め打ちで目覚まし時計かけなきゃなんだよなぁ……。

しかしながらこの日は前日から大気の状態が不安定と言われており、山に行くにはかなりの不安がございました。早朝の神奈川県内はキレイに晴れてる。だども前日も前々日も午後だったり夕方から急に天気が崩れて雷雨になったりとかしてた。山はリスキーだぁ、どうしよう……しかし今の勢いで行くのが良い気がする……、と悩みに悩みつつもえいやと出発です。目指すは八高線の明覚駅。人生初の八高線突入です。いやぁ~、行きは本当に長く感じましたなぁ。こんなに遠いのか、埼玉のこの辺。今後おそらくは秩父三十四ヶ所にも挑みたくあるのですが、いやはや~~。

そしてやっとこ辿り着いた明覚駅。空は一応青空が見えるんだが、山の方には不穏な色味の雲が所々……。しかし我はここまで来てしまったのだ。もちろん折り畳み傘はリュックに入っているし、念を入れて合羽も持ってきた。本当にもう観音様に祈る気持ちで駅から一歩を踏み出します。
そう、この日は本当にストイックです。なぜなら、3月末までは運行していた慈光寺方面行の路線バスが土日は完全に廃止になってしまったのです(平日も早朝に数便あるのみ)。タクシーを呼ぶか、歩くか。ええ、歩きましょう片道7km山登り付き! 山登りとは言っても、ちゃんと舗装されて車が上がれるような道です。ぜんぜん行けます。行けるのか……? いや、だからここまで来たら行くしかないのです。頑張るよ!!

とゆーわけで頑張りました。おおむね道中は広めの歩道がありまして、複雑な道順もなくほとんど1本道なので苦労はそんなにしません。途中から慈光寺の位置するときがわ町の由来である都幾川と並行して進み、非常に清々しいです。天気もまだもっていてくれています。と同時に驚いたのですが、ロードバイクで走る人の数がめちゃくちゃ多い。さっき調べてみたら屈指のヒルクライムポイントっぽく、大会などの舞台にもなっているそう。なんかこうして今まで訪れることのなかった場所を歩いていると、世界は広くて人々は多様であるっちゅーことをライブ遠征で日本全国飛び回ってた時よりすごい感じるのは、きっとこうして歩いている時間が長いからなんでしょうね……。
余談ですが帰り際に駅の近くでロードバイクにまたがった3人のおじさんが「いつもより全然人少ない」と話していたので、普段はもっと走っているみたい。

駅からすたこら歩いて確か70~80分で慈光寺入口(山の下らたへん)に到着。事前に調べていたショートカットの道を見落として川沿いそのまま歩いてしまったのと、直前にそれこそロードバイカーやハイカーのための公衆トイレがあったので立ち寄った時間も含めます。片道100分の予定でいたので、まぁまぁといった感じでしょうか。登り始めて直後に女人堂がありますので、もう本当に真剣に天気のことをお願いしましてから、本格的に登り始めます。

車は時々やってきますが、道も広いしすれ違うのに困るような場所もあまりなく、その辺の苦労は無かったです。路面は前日の雨と最近まで咲いていたであろう八重桜の花びらで少々滑りやすかったですが、あーここも桜の季節は本当に素晴らしいんだろうなぁと思い馳せましたわよね。でも桜の季節は短いから難しいわよね……。
しかし、満開だったのはシャガ。群生地ということで本当に道なりにずーっと咲いていていてくれました。この巡礼を始めてからシャガの花を意識するようになったなぁ。お寺さん周りには本当にこのお花が多い。

しかし、なんとこの山道の途中で遠く雷鳴を聞くのであります、マジかよ……。気合を入れてペースを上げます。入口の石碑が見えた時には本当にほっとしたわよ……。門に向かう階段で1匹の猫さんが現れて、こちらを気にするでもなくすたすたと前を歩いてくれたの嬉しかったなぁ。門前で「あら~、お帰りね~」って抱き上げられていたので、完全にお寺さんの子ね。きゃわ……。
いの一番に観音堂に向かいお参りを済ませ、本堂で御朱印をいただきます。この際、ご本尊はじめお堂内をご覧ください、こちらもどうぞとご案内いただきました。ありがたやー。

ただ、あまりゆっくりもしていられないので(なぜならまた全行程徒歩で駅まで戻らねばならないため)、お昼前くらいに下山を開始します。なんということでしょう、下りってちょーラクだし早い……。もうすぐ下の道路に出るというくらいでぽつぽつと降られましたが、本降りにはならず。帰りはちゃんとショートカットの道も使って、日差しと青空にも恵まれて駅前まで辿り着きました。観音様ありがとうございました……。

次の電車まで1時間近くあるので、近くの古民家カフェを覗いてみたのですが待っている人もいるようだったので却下。駅前の廃墟のような見た目(まじで)のデイリーヤマザキで自家製サンドイッチ他を買って、駅前のベンチで食べることにします。サンドイッチは美味しかったし、すっかり晴れ渡った空の下は清々しかったし、駅前なのに人はぜんぜんいないしでちょー気持ち良いランチでした。でも本当にデイリーヤマザキの見た目は廃墟でした。写真とかは流石に無いので、興味のある方は明覚駅前のデイリーヤマザキに行ってみてください。中は普通にキレイで清潔です。分からん、この直後に改修されてピカピカになるかも知らん。

そうして1時間後にやってきた電車に揺られて帰る時間は、行きよりも短く感じたのでございました。はぁ~、本当にストイックだったけど面白かったです。たぶんこういう回があと何回か発生する気がします。が、がんばるぞい……!

 
 
 
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坂東三十三所巡礼8日目 勝福寺・光明寺 / 関東三十六不動尊巡礼1日目 清瀧不動

2021年4月24日(土)

⑬第五番 飯泉山 勝福寺(飯泉観音)
天気が良かったので(毎回それ言ってんな……)、いそいそと東海道線に乗り込んで小田原の1コ手前の鴨宮駅へ。初めて降りてホームから見える富士山の大きさに感動。ここまで小田原に近いんだから当たり前なんだけど、山ひとつにここまで感情を揺さぶられるって、山頂に白雪を戴いた霊峰富士は本当に素晴らしいとしか言いようがないし、この山を信仰の対象にした人々の気持ちはとてもよく分かるのです。

飯泉観音を目指して20分ほど住宅街を行けばそのお姿は家々に隠れて見えなくなったのですが、非常に穏やかなその街並みを抜けて辿り着いたお寺さんもまたゆっくりとした時間が流れている静かな場所でございました。天然記念物のイチョウの巨木が境内にそびえていて、秋の黄葉も見事そう。

ーーさて。飯泉観音にお参りを済ませたワタクシは鴨宮駅には戻らず、伊豆箱根鉄道大雄山線(こんな路線があったこと自体を今回初めて知りました……)の五百羅漢駅まで20分ほど歩きます。なんとまさかの、タイトルにあります通り、新企画勃発です。

第二番 大雄山 金剛壽院 道了尊 最乗寺(清瀧不動尊
はい、関東三十六不動尊巡礼、ここよりスタートです。こちらの巡礼をすべてブログに書くだけの力が残されているのか私には少々自身が無いのですが、今回は坂東さんと抱き合わせになったことですし、発願回にもなりましたからこちらにしたためさせていただく次第。
三十六不動尊巡礼自体は1970年代以降に日本各地で次々と制定されていった霊場で(関東は1987年制定)、西国や坂東に比すると歴史は無く、現代に改めて寺院に人を呼ぶために制定されたフシがあります。ので、特に坂東が長い月日の果てに寺院同士の格差が大きく開いてしまっているのに対し、こちらはそこまでのことは無いんじゃないかなぁと思っているんだけどまだ始めたばっかりだから正直分かんないよね!

大雄山線の終点・大雄山駅から路線バスに乗り込んで(最近、路線バスの使い方がうまくなってきた気がするよ!)、終点の導了尊最乗寺へ。本堂他、大きなお堂が多い立派なお寺さんでございます。このお寺さんにお伺いしようと思ったきっかけはSNSで見たとんでもねー階段の写真だったのですが、その階段は奥の院に向かう際にありました。奥の院があると行かずにはいられない、階段があると登らずにはいられない、この謎の性。とはいえ、一直線の階段でここまでの段数は初めてだったかもしれない(もとより、それ以前にそこそこ階段登ってきてる)。ここは本当に凄まじかった……。登る価値、めちゃくちゃあります。階段お好きな方には是が非でもお勧めしたい。てゆーか書きながらの今気づいたんだけど、私たぶん階段萌えなんじゃろなぁ……。

そんなこんな奥の院まで無事にお参りできて、小田原に戻ってきて駅ビルで立派な天丼食べてめっちゃお腹いっぱいになったところで坂東さんに戻ります。

 
 
 
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⑬第七番 金目山 光明寺(金目観音)
小田原駅から今度は小田急線に乗り込みます。この日はものすごいあっちゃこっちゃ路線を乗り継ぎまくりです。向かったのは人生初の秦野……そしてすぐさま戸塚駅行の神奈川中央バスに乗り込みます。この辺の地域ではお世話になりまくりよカナチュウバス、乗り方も慣れた……。
そんなバスで少し走ると、景色は徐々に畑が広がる少々山なゾーンに突入。完全な思い込みだけど、このあたりってずーっと住宅地だと思ってたので心が和むとともに、え、じゃあ思ってるよりか山ん中のお寺!? と少々焦る。

しかして辿り着いたのは住宅街の中、とても心地よい水音を響かせる金目川のほとりのこじんまりながら非常に凛と美しいお堂。近所の子と思わしき男の子が自由に遊んでおりまして、日常の一部なんだろうなぁ。君が水琴窟の竹筒に耳を当ててくれたおかげで、私も水琴窟の聴き方が分かったよ……。金目川と相まって、とても水の印象が強いお寺になりました。小さな小さなご本尊(秘仏)は金目川下流で見つかったという伝承のあるお寺ですものなぁ~。

もう少し川沿いでその水音に耳を澄ませていたい気分でもございましたが、ゆっくりできるような場所が無くて完全なる歩道にいるしかなくなってしまうので、少々後ろ髪引かれつつもバス停に戻り、そのまま戸塚駅まで抜けます。時刻表とにらめっこしなくてもすぐにバスが来てくれるの、まじめちゃくちゃ有難い。しかし確かに小田急とJRの間のこの地域だと、公共交通機関はバスに頼るしかなくなりますし、これだけ住宅が広がっておりますものね。
そんなこんな、神奈川西部を縦横無尽に駆け巡った坂東8日目、そして関東不動尊1日目でございました。この日も良いお参りだったなぁ~ってしみじみ思えるよね!

 
 
 
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