ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2021年映画の旅②

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2021年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

シャイニング 北米公開版 ★★★★☆
ホラーは……怖いから……避けて避けて避けまくってきた道なのですが……。今回思い切って観に行った動機としては、暇だったとか暇だったとか色々あるんですけど、やっぱ『レディ・プレイヤー1』がでかかったかなぁ~~。なんせ「あ、このシーン、『レディ・プレイヤー1』で観た!!」って思いながら見てた(笑)。
しかしてネタ元は、確かにあれらのシーンは象徴的ではあるんだけれど、けっきょくジャック・ニコルソンシェリー・デュバルの怪演・狂演が凄まじすぎて、姉妹の亡霊なんかよりもぜんぜん怖くてウケた……(ウケない)。そうだよね、オマージュするならあの印象的な姉妹の亡霊だったり血のエレベーターしかやりようがないんだよね。なんせ真骨頂が役者の表情が凄すぎるって、それはもうオマージュの手の届かないところにあるよね。ジャック・ニコルソンはもちろんすげーんだけど、幸薄そうな黒髪のシェリー・デュバルやばかったな……。
けっきょく、ぜんぜん『シャイニング』ってタイトルじゃなくていいし、料理長も姉妹の亡霊も役割はめちゃくちゃ薄いし、ダニーの人格が最終的にどうなってたのか、あのホテルに飾られていた古い写真の人物は……?? とかあるんだけど、もう主演2人が真に迫りすぎててそれだけで成り立っちゃってるし、あーもーほんと怖かったわ……。でも観られて良かったです。自宅じゃ絶対に観られないから……。
※このあと、『レディ・プレイヤー1』見直しました。完コピ流石じゃん!!(笑)

インザハイツ ★★★★☆
小さな尊厳を守るもの……って、本当にそれよねってずっと頷きながら観ておりました。根本が移民の国であるアメリカが抱える、これはもう永遠の問題なのでしょうね。それを壮大に歌い踊りまくってくれるのはとても気持ちが良いです。あと、その尊厳におけるファッションってやっぱりすごい大事なんだなぁって思いましたので服買ってもいいですかね(え???)。
人類史の本を読んだ時に、「人が移住するのは“惹きつける力”か、“押し出す力か”」って話があったんだけど、殆どはやっぱり後者なんだろうなぁ。どこで生まれ育つかは選べないし、生きる場所を選ぶのもままならないけど、それでも彼らは許された範囲で選択していく。
あと、『ラ・ラ・ランド』の時も思ったんですけど、CGとミュージカル映画の親和性ってとっても良いですよね。現実的なテーマが根本にあるんだけど、演出はファンタジーしまくってくれていて、あくまでもとても美しいです。

ターミネーター ★★★★☆
私、観たことある……のか?? もしかしてないんじゃないかと思ってたけど、あった……??
とにかく、もしも観たことあったとして推定26年以上ぶりであろう気がするターミネーターシリーズすべての原点。思ったのは、話が圧倒的に面白いし魅せてくる。技術的にはすごい頑張ってるってゆうレベルだけど、あの象徴的過ぎる音楽と共にどうしたってドキドキしちゃう。そんでもって、サラ・コナーの覚醒が素晴らしい。

ターミネーター2 ★★★★★
終演後、客電が点いたときに劇場に満ち満ちたあの空気……。私も心の底から痛感したこの気持ち……、「面白すぎやしないか……!!?」。
もちろん観たことある。あの劇場内にいたほとんどがそうだろう(若い男の子たちが「泣いちゃったんだけど」って言ってて、彼らは初めてだったかもしれないし良かったねって思ったよ!)。観たことあるんだけど、たぶん20年ぶりくらいにきちんと観たんだよ私は。もちろん劇場で観るのは初めてだよ、だって30年前(!!)の作品だから。……面白すぎるよ!!!
ストーリーの巧みさも去ることながら、キャラ立ちの凄まじさ。圧倒的にハマったキャスティングの妙。この映画をここまで魅力的にしたのはそれに尽きると思う。『ターミネーター』の時はリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーのファッションとかにかなり時代を感じるんだけど、『2』になるとそういう古臭さが一切なくなるから、それがものすごい強い。脂ののったシュワルツェネッガーと、彼を従えるジョン・コナーの白皙の美少年っぷりたるや。そして彼らを追い詰める新型ターミネーターロバート・パトリックの怪演たるや。
ただし。今回1、2と立て続けに観て思ったのは、やはりこれはサラ・コナーの物語なんだってこと。まったくパッとしない平凡な若い娘が、不条理に満ちた宿命を背負いながら自立し覚醒する。だからジェームス・キャメロンが正当な続編を作るとなった時、彼女を再び主演に据える以外は無かったんだろうなと思ったのです。老年のサラ・コナーもエキセントリックで最強だった。でもやっぱりね、この映画はできすぎなくらい完璧なSFアクションで、それゆえに伝説なんですよね。

ドライブ・マイ・カー ★★★★★
村上春樹を明確に内包しながら、映画はそれを昇華しまったく違う姿を獲得した。僅か70ページの会話劇の短編を翼に変えて、より遠く、より高く。「僕は正しく傷つくべきだった」というそのあまりにも村上春樹的な台詞は、原作には(『木野』にも)存在しない。チェーホフの戯曲のあまりにも人生の悲哀に満ちた台詞の数々と共に、最高の脚色を経て生まれ変わった物語はただひたすらに美しく結晶する。
バチっとハマった配役の中でも、殊更に圧倒的な三浦透子の存在感。完璧に村上春樹的なみさきは彼女でしかありえなかった。
でも広島から北海道まで車走らせるってなったときは(原作にはない)、「神戸港からフェリーに乗ろうよ!!?」って思ったよね(笑)。直通なさそうだけど!!

オールド ★★★☆☆
製薬会社云々の設定はまったく蛇足な気がするし、なんか珊瑚がチャチかったのが最後どーしても気になっちゃったんだけど、たぶんそれが気になっちゃったのは、監督的にはそんな細かいことマジでどーでも良いからなんだろうなっていう(笑)。
描きたかったのは圧倒的かつ暴力的な時の流れにより凝縮して、否が応でも本質を浮き彫りにされた人間の一生であって、そのほかの些末なことはストーリーをとりあえず完成させるための要素に過ぎんのだよね。エキセントリックな設定は確かに悲劇なんだけど、あまりにも喜劇的で、手の打ちようのなさがあまりにも悲しい。

真昼の決闘 ★★★★☆
初見。町山智浩さん解説付き上映で鑑賞しました。政治的な背景とかはもう町山さんの話を聞いてください(笑)。町山さんのお話はそれすなわち歴史の話なので、歴史オタクとしては毎回とても楽しく拝聴しております。今回、西部劇ということで謎のちょーーーっとだけ西部感のある施設でニワトリの鳴き声をバックにウェスタンハット被って解説してたのは笑っちゃったけど(笑)。
登場する男どもは本当にもうどうしようもないんだけど、ブレイク前のグレース・ケリー演じる新妻エミィと、そして何よりも元カノのヘレンを演じたケティ・フラドの圧巻の力強さ。エミィの行動を引き出した「彼が私の男なら、私も銃を持って闘う」「彼は貴女の男でしょう?」という迷いのない、高純度の強い言葉。駆け戻るエミィと、彼女を見つめ去っていくヘレン。このケティ・フラドを観られて本当に良かったです。それにしたって、新妻と元カノが連れ立って去っていく絶望感ヤバいよね(笑)。

レミニセンス ★★★★☆
あーもーダメ男が~~~~!!!!!
……って感想に尽きません? 私はそれに尽きました(笑)。荒廃をもたらした戦争、記憶を辿り過去に縋る人々、潮に呑まれるがままの街……。細々した設定は散漫でもあるけれど、謎の女を彩って、だからつまりはダメ男の話です(笑)。
賢明にして勇敢なワッツを演じたタンディ・ニュートンがめちゃくちゃ素敵でした。

GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊 ★★★★☆
初履修。
なるほどこの世界観はまさしくジャパニメーションで、私は実際にはこのあたりを通ってきてはいないはずなのに、きちんと自分の中に根を下ろしている感覚があるのは、その地下茎が本当にくまなく創作界隈に張り巡らされているからなのでしょう。それこそが私を育ててきてくれた世界。もうちょっと細やかなストーリーがあってくれると助かった部分もあるんだけど、説明少なに突き進むこの感じも頼もしい。
てかキャスト、鬼豪華やな……。

 
 
 
 
 
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A post shared by つるや あさみ (@asami1837)