ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2022年映画の旅③

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2022年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

オートクチュール ★★★★☆
終演後におばさま達が「どうして才能があるって見抜いたのかしら~」「手先じゃないの~??」ってお話されていたのですが、私もそれ疑問だったのですがたぶんそうゆうことなんでしょうね(笑)。
ともあれ繊細な服飾に彩られたとても逞しい物語でした。エステルが「化繊ばっかり着て!」って憤ってたけど、綿や麻ならともかく絹なんて値段的にも管理的にも着れないってゆーか普段着にはできないよおおぉぉ!! って思いましたわよね(笑)。

フォレスト・ガンプ 一期一会 ★★★★★
2年くらい前にアマプラで観たのが初めてでした。その時も大概泣いたんですけども、内容知ってる今回も少年フォレストが走り出した時点で泣いたから末期。それを時代が移るたびに繰り返して、クライマックスは大洪水。ちょろすぎんかとも思ったけど、でもやっぱりこの映画にはそれだけの力がある。改めて観るとトム・ハンクスがやっぱりすごすぎる。
そう、強く思ったんですよ、“人生とはかく在らねばならない”と。同時にこうあることはあまりにも困難なので、だから私は物語を(映画にせよ漫画にせよ小説にせよ、他何にせよフィクションの力というものを)求め続けるのだろうと思ったのです。永遠の名作。

イングリッシュ・ペイシェント ★★★★☆
かつて芸術が芸術たるために最も重要視された、格調というもの。おそらく20世紀初頭以前の文芸作品が綿々と描き続けた、全体小説の如く。その舞台に必要なのは戦争であり、そして大人の男女の愛。
まさに格調高く上品に情熱的に、そして非常にアカデミックに。丁寧に丁寧に編み上げた傑作。愛があり、憎しみがあり、血が流れ、死が訪れる。アカデミーがアカデミー然としていた時代の最後の輝き。
2人のヒロイン、ハナとキャサリンのクラシックかつ燃え立つ美しさ。それにしてもウィレム・デフォーは何に出てても存在感と目力が凄くて惹きこまれちゃう……。

ひまわり 50周年HDレストア版 ★★★★☆
時代の残酷さの前に今改めてスクリーンに映し出される景色。カラーで映画を撮ることの意味を、あの圧倒的な(数多の死体の上に植えられた)ひまわりの黄色が物語っている。
ソフィア・ローレン演じる傲慢なまでに力強いジョバンナ(言葉も通じぬ社会主義の異国に独り赴き、数々の賢明な言葉を無視し遂に夫を探し当てえた彼女のことを一体誰が責められよう)が、マーシャと出会った瞬間にお互いに察し気遣うあの空気が忘れ難く胸に残る。そして確かに長い年月を経てしまったあの雷鳴とどろく最後の夜の邂逅も。
――私は長いこと、自分が生きる時代は何もない時代だと思っていました。歴史書で語られてきた数限りない事件を経て、今この時代を後世の教科書は多くは言葉にすることも無いだろうと思っていました。けれど旅客機が貿易センタービルに突っ込むのを、津波が町を飲み込み火の手が上がる中に残された病院の屋上で救助を待つ人々の姿を、世界中に蔓延した未知のウイルスが荒れ狂うさまを、私はこの時代で目の当たりにすることになりました。そして今、この時代にもはや起こることは無いと思っていた戦火の映像を観ています。本当に何もない時代であらなければならなかったのだと、今は思います。

ベルファスト ★★★★☆
戦争の話。それは規模としてはあまりにもささやかな戦争で、ささやかに確実に日常を変容させ、実際的な血が流される。
とーちゃんとかーちゃんの関係が、それでも何ひとつ疑われることのない愛が素晴らしいなと思いました。そしてじーちゃんとばーちゃんの物語も。キアラン・ハインズ演じる祖父ポップの遺した「人は胸の高鳴りからしか学ぶことはできない」というあまりにも美しい真実の前に、私はただ深くうなずくしかできないのです。

ナイトメア・アリー ★★★★☆
淀みなくギレルモ・デル・トロ作品。耽美で、妖艶で、血が流れ、愚か者は堕していく。
すごい意外性はないんだけど、こうゆー作品としてはだから珍しく安心して(?)観られるってゆーか、私が訓練されただけなのかもしれないけども(笑)。ルーニー・マーラ可愛いなぁ~(笑)。

アネット ★★★☆☆
難解だった……、途中で遭難しそうになったくらいには……。
最後の最後、何かを掴めそうになった気がして手をめいいっぱい伸ばしたけど、まぁ軽々とするりかわされました……。140分くらいの作品だから短くは無いけど、それにしたって5時間くらいの体感だったな……。
とゆーわけで完全にキャストに惹かれて観に行ったのですが、気軽に手を出したらいかんかった(笑)。とても人様には薦められないけど、アダム・ドライバーは本当に生粋の俳優なんだなって思いました。“ハンサム”“非ハンサム”の役を両方ここまで圧倒的な説得力を持ってできる人はいないですわ。あとまじマリオン・コティヤールが画面におわしますだけでもう私は満足です(笑)。

カモン カモン ★★★☆☆
色彩のない白黒の画面に咲いた、鮮やかな物語。抑制があると同時に、激情。
実際的には淡々としたお話なのでやっぱり眠くなっちゃうところもないではないんですけども、主人公たち3人の関係が新しく築かれていく終盤はやはり美しかったです。

ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガー ★★★☆☆
やっぱりたまにはこうゆうマジどうでもいい映画の摂取が必要になるよね! こーゆーんじゃなきゃ満たせない人間の欲望っちゅーもんがあるのよ!!(たぶん) 前作一切観てないし何なら存在すら知らなかったんだけど問題ナッシングでした。
それにしたってライアン・レイノルズとそしてもちろんサミュエル・L・ジャクソンの個性は際立っててすごいわけですが、けっきょくアントニオ・バンデラスモーガン・フリーマンが出てきちゃったらもうぜんぶ持ってかれちゃうわけですよ(笑)。まじこの2人ずっと精力的でバカバカしい役もやり続けて尊敬するほかございませんわよ。

 
 
 
 
 
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A post shared by つるや あさみ (@asami1837)