ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

2023年映画の旅⑤

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2023年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

ザ・クリエイター/創造者 ★★★★☆
『ローグ・ワン』の監督最新作! って宣伝文句でやってて、そこで押す?? って思ってたんですけど、なんか観たらめちゃくちゃ納得しちゃった(笑)。なるほど確かにあの世界観でした。
とにかく掃討兵器ノマドの造形が与える生存への恐怖が凄まじい。

ドミノ ★★★☆☆
予告の時点から予測できてたけど、こうゆう映画ってなんかこうなっちゃうんだよね、知ってる~! 知ってて観たからいいんだけど、ほんとにやっぱりこうなるもんなんだなぁって思いながら観てました(笑)。私が口癖のように言ってる「こういう映画も必要だよねぇ~」ってゆう、ポップコーン映画です(笑)。そういう心持で観ると、とても良いと思います!!

男と女 ★★★☆☆
いやなんだろう、分かる、分かるよ。アンヌが感じるあのあれ…あの感じ!!(語彙力) あの感じが分かるあたりに、何か自分の女性性を感じましたね。
殆どただそれだけの映画です。それと切に美しい音楽と。ほんとに教養としての映画鑑賞という部分は大きいのですが、映画館で観なかった映画はものすごい確率で永遠に観ることが無い映画になるので、できるだけきちんと向き合っていきたいです。

ゴジラ-1.0 ★★★★★
これを書いている時点で2回観ています。日曜日に観て、次の水曜日にはもう2回目の鑑賞をしました。そして、今すぐにでももう1回観たいくらいには。私は間違いなく、この物語に、あまりにも強烈なリアリティと完璧な虚構の入り混じった圧倒的なこの物語に、完全に憑りつかれています。

1954年版の初代『ゴジラ』を観たのは、たぶん8歳とか9歳くらいの時なんだと思うのですが。当時の小さなブラウン管、戦後復興した東京のミニチュアセットの街と、その中で暴れるアクターの演じる水爆怪獣と、超兵器オキシジェンデストロイヤーを抱えてその怪獣と共に海に消えた芹沢博士と。
それから色々なゴジラを観ました(実際に人生で最初に観たゴジラは8歳の時の『ゴジラVSモスラ』です)。それはそれは本当に多様なゴジラだった。そしてそのどれもがゴジラだった。ただ、『シン・ゴジラ』が本当に新しいゴジラだったのに対して、今回の-1.0は、その舞台が初めて1954年以前であるということもあり、原点回帰であると共に更に深いところまで抉ってきたというのが。ゴジラゴジラとして存在する唯一の理由。反核そして反戦というその一点をひたすらに、狂おしいほどに純粋に掘り下げた。
1954年版と同じく銀座に上陸したゴジラが、その頃とは比にならない熱線を発しゴジラ史上最悪のキノコ雲を画面いっぱいに描いたそのシーンに。咆哮する主人公の上に降り注いだ黒い雨に。国も軍も無い、物資も人も乏しい民間人組織だけで現実解釈版オキシジェンデストロイヤーを携えて、54年版と同じく海での決戦に挑むその物語は、原点でありながら更にその先だった。だからこそ、海に消えた芹沢博士の二の舞は決して描いてはならない。だからこそ、敷島浩一は絶対に生きて帰ってこなければならない。

エンドロールが終わったその瞬間、「もう1回観ます!!!」ってなりました。戦争末期から戦後直後の日本を、山崎貴がもはや流石としか言いようのないVFXで描き切ったその景色の中で、息の詰まるまでの凄絶な熱演で全ての俳優たちが命を吹き込み、そして有無を言わさぬ反戦映画としてのゴジラとなった。
機雷ひとつについても、あんな撤去作業を行っていたことを初めて知りました。すべてやり場のないその悲しみと貧しさと怒りとが、あまりにも真実だった。だからこそ野田が決戦前に語った「生きるための戦い」という言葉が、本当に胸に迫る。
そんなこの映画いちばんのカタルシスは、でもどうやったって伊福部昭が遺した日本映画音楽の金字塔と言って差し支えないであろうあのメインテーマが本編でたった1回だけ流れ出したあの瞬間(1回だけって過去最少ではなかろうか)。あの音楽さえ流れればすべてがゴジラになる圧巻の説得力。
シン・ゴジラ』の後にこれを撮ったのは本当に素晴らしいです。この2作立て続けの後に日本でゴジラを撮れる人が出てくるのかという話だけど、いつかまた誰かが時代に呼ばれて撮るんだろうなと思います。今作で「国は当てにならない、自分たちでやるしかない」と語られたその物語は、結果的に今この時に呼ばれたからなのだと思うのです。

暗殺の森 ★★★☆☆
教養としての映画鑑賞。公開期間の最中がほんっっっとに仕事が忙しくて(ゴジラなかなか観に行けなかったのもそれが大きい)、休日の朝がぜんぜん起きれなくて、滑り込みで海老名まで行って最終日に観てきました。有識者が「物語を追おうとしてはいけない!」と言ってて、難しいことを言う…! と思いましたが、確かに。
最初は極限までぼんやりしていた物語自体も、回想と分からない回想が進むにつれてうっすらと輪郭が浮かび上がってくる。くるんだけれどもそれでけっきょく主人公の何が分かるのかとなるとほぼほぼ何も分からない。ただ明らかな手触りをもってひしひしと伝わってくるのは、重苦しい時代の空気感。時代というのは、いつであろうとそれぞれに悲劇的なのだと私はいつでも思ってしまう。本当に、世界は難しいですね。

ボルサリーノ ★★★☆☆
アラン・ドランを初めてちゃんと観ました。こいつぁ…カッコいいわ……。途中からめちゃくちゃ長瀬智也に似てんな、だとしたら長瀬智也すげぇなってゆう訳分からん感想になってきたけど、いやぁカッコ良かったわ……。いるだけで画面が出来上がっちゃうのもはやウケるな……。
ねぇほんとに作中当時の治安ってこんなだったん!?? ってゆぅ永遠の疑問はあるんですけど(『アンタッチャブル』とかはまじでそうだったんだろうなって切迫感があるからそうだったんでしょうけど……)、それにしたって最後の洒脱さは流石すぎる。脱帽。

ロスト・フライト ★★★★☆
ジェラルド・バトラー主演作の、この、実家のような安心感……!!!(こんな物騒な実家嫌すぎるが)
とゆうわけで、すごく面白かったです(笑)。ぜんぜん名作じゃないし映画史に名も残さないし、特におススメもしませんが、とにかくスタンダードに面白くって良かったです、なんじゃそりゃって感じだけど(笑)。