ぽぽぽ?(仮)

日々もろもろ。

坂東三十三所巡礼17日目 清瀧寺

2022年1月8日

㉘第二十六番 南明山清瀧寺
これぞ巡礼でございます。2022年初詣にもなりますので、意を決して詣でてまいりました。私の中で三大難関に指定したうちの1か寺、清瀧寺でございます。何が難関なのかって、あれよ、バス停から徒歩4kmなんすよ――……。
いや、第九番慈光寺は駅から7km歩きました。4kmくらいだったら十一番安楽寺だってそれくらい歩いてるかも知んない。でもね、なんだろう、やっぱり鉄道駅かバス停かっていったら、鉄道駅の方が確固たるものがあるじゃないですか?? 例え本数が1時間に1本で同じだったとして、よく分からん道っぱたに無造作に置いてあるバス停と、鉄道のレールが引かれてプラットホームがあって待合室まであって最近は無人駅でもだいたいICカードピッってやつポツンと設置してあるじゃないですか??? やっぱりね、信頼度が違うのよ……。

とは言え、最寄の土浦駅から歩くと訳分からん距離になるので、生活の足でしかないような(観光の匂いは一切しない)路線バスに乗り込み、お客さん2~3人が入れ替わり立ち代わりで、そして20分ほど揺られて「まだ? まだ? これ大丈夫なん??」と不安に駆られながら辿り着いた“藤沢十字路”なるバス停で下車。ちなみに前々日に関東地方的大雪が降っているので日陰にはけっこう雪が残っていて運転手さんもおっかなびっくり運転を繰り広げておりました。ただし幸い、お寺さんへ向かう道は南向きのため、ほぼほぼ残雪が無く非常に有難かったですね。

雪が残っていたら、そう、これは本当に困ったことになったはずなのだ。何故なら最寄バス停に着いたのが9時10分頃、帰りのバスは11時44分(定刻)、通常時で往復2時間を見込んで立てたスケジュールなので、雪が深ければ帰りのバスに間に合わない恐れがあり、そしてまぁバスは1時間に1本なので日に4本とかじゃないからいいっちゃいいけど周囲に民家しかないバス停で1時間も待つのマジで嫌なので……。しかし雪が無いからと言ってのんびり構えてもいられない、知らない土地の知らない道、サクサク行くわよ! しかし高低差もほぼ無く歩道もだいたい確保できて快適快適♪ 当初の予定通り1時間でお寺に到着です。

清瀧寺。事前に調べたら1,000年以上の寺の波乱に満ちた興亡の歴史の果てに現在では無住であり、地域の有志の方が御朱印の受付をされているとなっていたのですが、私がご対応いただいた方は何か仏門にあるような趣だったのですが確認したわけでは無いので不明です。雪が一切残っていない(これは本当に有難かった)石段を上がると、まだ一面雪の残った境内の奥で焚火をされていらっしゃいました。

とにかくお参りせねば、そして私が来たことを仏様(そして奥にいる住職っぽい方にも)お伝えせねばと思い、鐘を撞かせていただきました。梵鐘打たせていただけるのはやっぱり有難いし気が引き締まりますわね。そんで本堂でお参りしている最中に住職っぽい方が納経所に戻ってきてくださった……伝わった……。御朱印いただきまして、ここまでの道のりを思ってもう少しゆっくりしたくもあったのですが、なんせ帰りのバスがあるんでね、来た道をまたスタコラ引き返します。来た時はめちゃくちゃ寒かったけど、日も高くなって日差しもたっぷりで歩いてるとぽかぽかしてきていい感じ。

いい感じでね、藤沢十字路のバス停に辿り着いたのが11時25分くらいでね、少し早いけど他に時間潰すような場所もないしなぁ~ってボーっと突っ立ってたらね、バスがね、35分くらいに来てね、定刻より10分くらい早いんだけどね、私を乗せたら何の迷いもなくそのまま出たからね、まじでだからバス怖い……ってなった(笑)。ほんと間に合って良かったよ(笑)。いやぁ~、日輪寺ほんとどうしよう~~!!

 
 
 
 
 
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土浦駅に戻ってお昼ご飯食べて、せっかくここまで来たのでずっと行ってみたかった場所に行ってみることにしますよ。そう……牛久の大仏!!!! 牛久駅で降りて、今度はちゃんと観光の匂いが少しする、でもあくまで路線バスに乗り込んでまたしても20分くらい進みます。

牛久の大仏。細かいことはおいておいて、その物質的大きさで救いの大きさを体現してくるものがあって、やっぱりすごかったです。あくまで大仏なので窓は細いから眺望はめちゃくちゃ良いわけじゃないんだけど、やっぱりすごい高いんだなって実感。庭園は残雪が良い雰囲気を出していてそれも良かったです。いやもう頑張ったね、がんばって行って良かった! 2日後に筋肉痛きたけど、THE 巡礼を身に染みて感じました! でも日輪寺はやっぱり怖い!! あと5か寺頑張ります!!

 
 
 
 
 
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坂東三十三所巡礼16日目 高蔵寺・千葉寺

2021年12月11日

㉖第三十番 平野山高蔵寺
見てくださいよ、この山号。“平野山”って……千葉県に相応しい山号ですね!!!(※当方、千葉県出身です) 
とゆーわけで、16日目の巡礼スタートです。今回はもちろん公共交通機関の鬼なので、普通電車で木更津駅まで行って、そこから路線バスに乗り換えます。木更津駅、初めて来たんですけど(出身は太平洋側なもので)、思っていたよりも地味だった……。名が知れてる割にはってことで、まぁぜんぜん慣れてる地味さなんですけどね……。

まぁ言うて今回はそんなに交通不便なところではございません。少なくとも往きに関しては直行バスです。駅の時点でお客さんは私ともう1人で、もう1人のおばさまが割と早い段階で下車して、そのあと途中でおじさんが乗ってきたけどやっぱり先に降りちゃって、終点ひとつ手前の高倉観音バス停ではもちろん私1人でございます。だから運転手さんが「観音様行くの??」って訊いて下さり、「じゃああの坂を上って行けばいいよ」って教えてくれました運転手さんありがとう!!

指定された坂を200mほど登ればすぐ見えてきました高倉観音。この日は12月11日でしたが山門にはすでにでっかく「謹賀新年」の文字……早すぎでは……?? いやぁもちろん古刹ではあるんだけど、全体にちょっとチープなこの感じ、嫌いじゃないよ!(笑) やっぱり坂東は西国に比べてずっと弱いからね、浅草寺とか鎌倉のお寺以外は本当に大変なんだろうなって思います。いろいろ創意工夫が見え隠れ。

さて。お参りを終えて木更津駅に戻るんですけど、往きに使ったバス停で待ってても向こう2時間くらいバスがこないので、500mほど歩いたところにある複合施設かずさアークのバス停から帰ることにします。つってもそこのバスもあと1時間後くらいなんですけどね! でも時はすでにお昼ですし、途中に都合よくファミマと人がいなそうな大きい公園があったので、ファミマでゴハン買って公園でお昼食べます。いい天気過ぎるし超のどかで良かった……。

㉗第二十九番 海上千葉寺
さて、無事にかずさアークからのバスを捕まえて木更津駅に戻り、内房線で上って今度は蘇我駅で下車。房総半島出身者として散々乗換駅として利用してきた蘇我ですが、降りるの初めて。ここから30分くらい歩いて二十九番の千葉寺に向かいます。読みは正確には「せんようじ」ですが、最寄り駅となる京成線の千葉寺駅は確か「ちばでら」。実は帰りはJRの本千葉駅まで歩くつもりだったんだけど、疲れちゃったからけっきょく千葉寺駅使っちゃったよね☆

千葉寺。先ほどの高蔵寺が山間のお寺だったのと比べて、古いながらも賑やかな住宅街の中のお寺さん。見事な大銀杏の黄葉が素晴らしくって、たまたまこの季節に訪れただけなんだけど、とても縁を感じました。境内はそのイチョウをカメラに収める人だったり数人がのんびりと過ごしている感じ。私としてもとっても居心地よかったです。とはいえ朝から稼働していて本千葉まで細い道を歩いていくのは流石にちょっとくたびれたわってことで、来た道を戻って千葉寺駅から電車に乗り込み帰途につきました。今回はでも割とゆったりのんびりスケジュールで良かったなぁ。

 
 
 
 
 
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坂東三十三所巡礼15日目 笠森寺・清水寺

2021年10月30日

㉔第三十一番 大悲山笠森寺
私は今まで、自らをこの二つ名で名乗り続けてきました。そう……“公共交通機関の鬼”と……。
今回ね、三十一番と三十二番なんですけどね、この辺ね、私の地元にほど近いんですよ(ただしどちらも行ったことは無かったです)。しかもね、、三十一番はまだなんとかバスが通っているらしいんですけどね、三十二番に関しては駅から徒歩4kmでしてね、直接距離ではそこそこ近いこの2か寺を合わせてお参りするのがけっこうタイトなんですよ。地元だけあって駅前の状況とかも分かっている身としてはね、ぜんぜん知らない土地よりもひよるってゆーか……。だからね、ついね、やっぱりね、公共交通機関の鬼、ついに後輩(高校時代の)に車出してもらいました!! なんとゆーことでしょう、ラク!!!

とゆうわけで茂原駅でピックアップしてもらって、まずは三十一番の笠森観音へ向かいます。後輩がナビに入れてくれるだけで連れてってくれるので、今回ほど道のりをまったく調べていないことは無いね!! すーぐ着いちゃった。で、この段階で薄々気付くんですけど、やっぱり巡礼ってそれじゃいかんよねって……(笑)。ラクだし楽しいんだけど、これじゃないんですよ(笑)。

まぁでも今回はもうこれで始まっちゃったからこれでいくしかないです(笑)。後輩ときゃーきゃー言いながら(ちなみに後輩はエキセントリックでクセが強い)、笠森観音の日本で唯一という四方懸造りの建築はやはりみごと。それにとっても賑わっていて、確かにきゃーきゃー来るには良い感じ。はー、実家の近所(最寄駅間電車で50分のところを近所というのかは各自の感覚ですが)にこんな立派なお寺さんがござったのね。観音堂からの眺望はそれは見事。とても華やかなお寺さんでした。

㉕第三十二番 音羽山清水寺
で、割とお昼に近い時間だったけどとりあえずゴハンより先に三十二番を目指そうということになり、一路車を走らせます、後輩が(ちなみに私は免許を持っていますが、もう10年以上ハンドルを握っていないので惨事が起こる未来しか見えないんですけど、後輩の運転も相当大惨事レベルなので助手席で何回か叫んでいました)。しかも一路って言ってるけど、ナビに対して「この道はヤダな」とケチ付けながらなのでけっこう右往左往した。ぜんぜん一路じゃなかった。

それはさておき音羽山清水寺……。京の清水と同じ山号同じ寺名を持つ、日本三清水のひとつだそうです。先ほどの笠森寺のような賑わいは無くひっそり静まり返っていますが、とても情緒ある趣。到着時点では納経所がお昼休みだったので、鯉に餌やったりしながらのんびりすごします。本当に他に参拝客が1人2人ちらほら現れては去っていく感じで、とても良いです。

で、無事に御朱印いただきましてこの日はこの2か寺の巡礼と相成りました。近くのお蕎麦屋さんでご飯食べて、後輩がよく行く神社とかに連れてってもらって、最終的に茂原のココスで後輩がパクチーを克服するのに付き合ってた(克服できたのかは相当疑わしい)。いやぁ、楽しかった! 楽しかったし後輩には感謝しかないんだけど、なんちゃってであっても“巡礼”であって、私にとってそれは公共交通機関の鬼であることがその条件なんだなって思いました(笑)。

というわけで巡礼後半戦、改めて公共交通機関と自らの足でやり切る決意を固めました!

 
 
 
 
 
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2021年映画の旅④

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2021年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

グッドフェローズ ★★★★☆
マフィアってこんな簡単になれるもんだんだなってゆーか、まぁマフィアはマフィアでも平社員みたいなマフィアなんだけど、それでも奥さんも旦那のためにと本気出して俄然ヤバくなっていくからヒラだろうとアタマだろうとマフィアはマフィア。ぶっ殺されるもぶっ殺すも、やっぱりマフィア。
実話に基づく(最近この表現異常に多いけど何か取り決めがあるのでしょうか??)からそこまで派手じゃないマフィア映画だけど(まぁバンバン人殺しまくってますけど)、だからその分リアルに肉薄してくる。それにつけてもマフィア映画には絶対にロバート・デニーロが必要だよね!!

ダ・ヴィンチは誰に微笑む ★★★☆☆
「美術品はマネーロンダリングの道具」ってゆー、この概念の壮絶さ。端くれのハシクレではあるけども、一応博物館学を履修して学芸員資格(正確にはアレ資格じゃないんだけども)を持つ身として、いや~グレーな世界なんだよなぁって思いましたけど、99.999%のキュレーターはあんな派手なことしてないと思います(笑)。
真作とは、贋作とは。工房作をどこまでそれとするのか。かつてゴッホの絵に感銘を受けて研究者になった方は、のちにその時の絵が贋作だと判明した際に「絵は偽物だったが自分の感動は本物だった」と言った話を聞いたのですが。作品の価値は画家の名前なのか、では最初にその名前を評価するのは? その値段は??
ぜんぜんどーでもいいけど、ロシア人(ロシア人富豪個人)のことロシア人って呼び続けてたのまじウケた(笑)。

マトリックス ★★★★★
150年ぶり(訳注:15年ぶり)くらいにちゃんと観ました……まじエポックメイキング!!
1999年作品で、当時は映画館で観てないんですけど、TV放映の時かなんかに観てやっぱり衝撃的でしたよね。ただ実は私は映像の革新性も去ることながら、サイバーパンクの極致ともいうべきあの世界観にこれでもかって惹かれた身であり。1作目は主にマトリックス内部での戦闘だけど、2作目・3作目で現実世界の戦争も激化する中で描かれるマッドな世界観に完全に酔いしれましたよね……。
とゆーわけで日曜日に劇場で1作目をIMAXで観た後、アマプラで月曜日に2作目・火曜日に3作目を部屋を真っ暗にして超絶真剣に観ましたよね! あー、好き。叶うことなら全部IMAXで観たかった!! てゆーか改めて観たらこの時期のキアヌ・リーヴス激烈カッコ良すぎん!?? そして新作の予告観た時「キアヌその髪型のまんまネオやんの!!???」って思いませんでしたか私は力いっぱい思いました!!!!! 
……でもね、やっぱりあの頃のキアヌが年取って今のキアヌがあるんだから、キアヌの代名詞たるネオも年取ったらこうなるのも必然なのかも。予告映像でキアヌのインタビュー繰り返し観たけどさ、「色んな人が『マトリックス』で人生が変わったと言ってくれる。ありがとう、僕もだよ」ってゆーキアヌはまじキアヌで良いなぁと思ったのです。まじ人生。
続編やるって聞いたとき、「えぇぇ~、やっちゃう~~!??」って思ったのも事実だけど、改めて観直したらいくらでもやりようがあるなって思いました。どう料理してくるか、どう転ぶか分からんけども、でもこの世界観にもう1度浸れるのは圧倒的喜び。これを書いている時点で明日、スターウォーズ以来の公開初日キメてきます。震える~~~!!!

ラストナイト・イン・ソーホー ★★★★★
スタンディングオベーション!!!
ほんと! 素晴らしかった!!! エリーが「嫌」って言い切ったあの瞬間、ガッツポーズですわよ!! 歴史上、すべての夢を見果てた女の子たちの復讐を、あのたった一言でやり切った。
エリーとサンディ、シンクロする役だから観る前は同じ役者さんかとも思ったけど、ちゃんと違うのね。そしてちゃんと違うのには理由がある。初めて60年代のソーホーに紛れ込んだエリーを迎える007の大看板に、かつてのボンドガールを揃えたキャスティングは意識していなかったはずはない。だけどやっぱり“ショーン・コネリー主演”と大きく書かれたあの看板に抗いがたく胸を躍らせないわけにはいないのも事実で、だからこそサンディは夢を見て、夢に溺れていく。
ジョン(演マイケル・アジャオ。まだぜんぜん情報が無いからまたいつか会いたいね)がまじいいやつで、ほんとジョンがいてくれてめちゃくちゃ助かったわ……。あと、ジャックの役者さんがドクターフーのドクター経験者で、そのことを後から知ったんだけどめちゃくちゃイギリスっぽくていいなって思いました(笑)。

マトリックス レザレクションズ ★★★★☆
そして昨日の今日です、やってきました公開初日。お客さんいっぱいだけどガチしかいない映画館、サイコーですね。ほんとのガチは日が変わってすぐの最速上映行ってる人々だけどもね!!
これはね、否定論が湧きまくっても本当に仕方ないとも思う映画ではありました。ネオが出てきてからの20分間(体感)、めちゃくちゃメタくてほんとヒヤヒヤしたもん。これどーすんの??? って。でもそのメタさは、もはやアイコンとして消費され尽くしてしまったような『マトリックス』を、ネオ(ひいてはキアヌ)に取り戻すための物語なんだと思ったのです。
現実世界(マトリックス外部の世界ね)の設定を生半可に20年後とかじゃなくて、「君たちがマシーンシティに向かってから60年が経った」って言われた瞬間に、まじトリップしましたのよ。なんかそれだけでもう圧倒的に切なくなったのよ。それでさ、キアヌの髪型問題がさ、まさかのここで生きてくるんだけどさ、現実世界だとちゃんと坊主頭にしてくれててさ、「あぁ、こんなに齢を取っていたんだなぁ……」って思ったのよ、その姿を見た時。そう見えるように演じているからというのももちろんあるんだけど、でも確かにそこにいたのは弱弱しく衰えた初老の男だったんだよ。往時のネオも悩み悶えてそれでも輝いていたのは、若さの持つ生命の強さみたいなものが確かにそこに在ったんだよね。まだ人生において、そしてなにより物語において無限の可能性が広がっている。
けれど、齢を重ねるということは、人生の選択を進めたその先にひとつひとつ道が減っていくということ。物語の進む先は絞られてくるということ。やっぱりそれは果てしなく悲しくて切ないよ。かつての強さを喪失したヒーローの姿がそこにある。60年の時を経て、かつて共に闘った仲間たちの死を知り、新しい世代の戦士たちと出会い、自分の時代が終わったことを知るヒーローの。同時にそれは、『マトリックス』という一世を風靡したコンテンツの終わりをも象徴しているように思えたのです。だからこそネオはキアヌの今の髪型をそのまんま踏襲したんだよね(想像)。あの頃のマトリックス的ネオはもういない。時代と共に擦り減って死んでしまった。生きていたのは齢を重ねたか細い初老の男、もはや力を失った長髪の。
これ作ったなら責任もってあと2作くらい作って欲しくはあるけど難しいか。でもね、言いたいことはすっっっごい伝わった気がしてはいるのよ。ここまで書いたことを友達に話したら「そこまで汲んでくれたら製作者冥利に尽きるよ」って言われました(笑)。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ★★★★☆
12月25日の午前中に1人で観に行きました! 偉い!!(そうか??)
そんでもって初見でしたし何ならティム・バートンが監督だとばっかり思ってたんですけど違うんですね! 監督ヘンリー・セリック氏はストップモーションアニメの巨匠ということで、今ならCGで何でもできるけど、やっぱりこの質感は生身を撮らないと映せないんだなぁと思いました。光と影が本物だからね。
あとはもう断然素敵な音楽と、お伽噺はこうでなくっちゃという残酷さ。とびきり怖くてキュートで、時に厳しい。優しさはあんまりなくってとってもロマンチック。そう、こうでなくっちゃね。

 
 
 
 
 
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2021年映画の旅③

ものすごい主観であります。かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2021年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

隠し砦の三悪人 ★★★☆☆
雪姫を演じた上原美佐さんの、圧倒的姫でしかない感と言ったら……!! って調べたら活動期間2年で引退されていて、まぁだからこそ美しいのかも知れないけど、もったいなさはありますよね。その、高貴なる力のある瞳。
ストーリー自体は完全に娯楽に振り切ったチャンバラ冒険活劇で、話の作り自体は古いんだけど、それはつまり古典であるということで、しっかり今でも笑えちゃうから凄い。

クーリエ 最高機密の運び屋 ★★★★★
とりあえず『カリオストロの城』は観に行かなきゃって思ってて……でもカリオストロは何回も観たことあるから他にも1本観たいなって思って……時間もちょうど合うから観てみよう~という、かなり軽いノリで観たのですが……。
…………だっばだばに泣いてしまった。
決して派手な映画じゃないんだけど、たまにこうゆう巡り合わせがあるから映画観るのやめられんな~、あと私は映画館で観るとホントに没入できる才能が割とあるな……(世間的にも割とある才能だと思われ)となって、映画熱が再燃してる自覚があります。
市井の一市民が、詰まるところは家族の命を守るために動かざるを得ないほどの危機的状況を迎えた時代に、かく戦いけり勇敢な人々に。奔走した結果に「貴方が正しかった」と言った彼女と、「君も正しかった」と答えたその老獪な彼も。今も知る由もないところで、こんなことが静かにけれど激しく巻き起こっているのだろうか。それはおそらく。
あと、音楽が本当に素晴らしかったです。

ルパン三世 カリオストロの城 ★★★★☆
同時上映『ルパンは今も燃えているか』。こうやって並べて観てみると、ルパン三世って本当に大勢のクリエイターの創作意欲を掻き立てて、そのすべてを柔軟に受け入れてきたあまりにも稀有なコンテンツなんだなぁと再確認した次第。カリオストロと180度違うもんね。このあと金曜ロードショーで元祖(ってゆーか、アニメ1st第1話なのね)の『ルパンは燃えているか』を観る機会もあって良かったです。
で、『カリオストロの城』。なのでそうして並べて観た時に、まぁ当たり前なんですけど、ジブリですね!! そしてだからこそこんなにも愛されているんだよなぁって。たぶん90分あるかないかくらいの作品なんですけど、まーあ無駄がひとつもない。そのうえで冒険・ロマンス・陰謀、欲しいもの全部乗せで一切くどさが無い。そんで何度でも観たくなっちゃうから今回こうして劇場にも足を運んだわけですが(笑)。本当に幼少期から何回観たのよ……(笑)。これから先もルパン三世は自由に展開していくしそうであって欲しいし、そしてこの作品は不朽の名作。

007 ノータイムトゥダイ ★★★★☆
大切なお知らせなんですけど、私、ショーン・コネリー好きだ好きだと言い続けて早幾年月!なんと!!  007シリーズを今回初めて観ました!!! もちろん今作はダニエル・クレイグボンドです! 初めて観ました!!!(大事なことなので2回言いました)
いや~、流石世界的タイトル! お見事としか言いようのないアクション超大作!! クレイグ超絶カッコいいぃ!!! 前作からそこそこ続きモノだったことに観始めてから気付いたんだけど、ぜんぜん問題なかったね!!(観てるに越したこと無いけど、気になんなかった)
パロマちょー可愛いなって思ったらホントにあのシーンでしか出てこなくて、美女の使い方贅沢だな~流石~~ってなった(笑)。『ブレードランナー2049』のあの子ですわね!! そしてみんなつおい流石……。
極めつけは最後のテロップよ、訳文もつけずに原文一言のあの威力よ。いやー、ジェームズ・ボンドってゆーアイコンの強さ……。

最後の決闘裁判 ★★★★☆
この題材を圧巻の物語に仕立て上げたのはやはりリドリー・スコット凄しとしか言いようがない。同時に商業的成功がついてこないのも仕方ない題材。本当によく撮ったよね……。
陰湿ながらも義母の放った「今生きている」という言葉の重み。そしてヒロインにとっては結局、夫も強姦魔もどちらも許し難い存在と化し、それぞれが死したことでやっと解放される。「再婚することは無かった」という字幕はつまり、「2度と結婚することは無かった」ということ。
主演3人の演技が圧巻。殊更、ジョディ・カマーの内なる炎が燃え滾る美しさの際立つこと。

DUNE/デューン 砂の惑星 ★★★★☆
最初に全ッ然関係ないこと言うんですけど!! ティモシー・シャラメは今のうちにタイタニック的な圧倒的にして記念碑的ラブストーリーを1回やっといて欲しいんですけど!!! そんなことはご本人とハリウッドの偉い人たちに委ねますけど!!!!(真剣に関係ない話をしました!!)
閑話休題。なんだけどもう、この映画についてはネットで見かけた「オシャレなスターウォーズ」って一言でいいと思うんだよね(笑)。ポールたちが駆けていったエアポートにミレニアムファルコンがあっても全然違和感ないもん(笑)。かーちゃんはフォースを操りし一族だし(違)。そんでポール、いきなり闇落ち発言しだすから「お前はアナキン・スカイウォーカーかっ!!」って思ったよね(笑)。ちなみにオスカー・アイザックも出演しててそこもスターウォーズではあるけど、彼については役柄がポー・ダメロンとは180度違うので全然スターウォーズ味は無いです!!
ストーリー自体はまだまだ序章なので、後編が楽しみです(あるんだよね???)。SFオタクだけど原作全く存じ上げなかったので(それはもはやオタクではない)、どの程度まで闇落ちギリギリいくのか楽しみです!!
だって! なんてったって全編に渡ってアンニュイ極まったティモシー・シャラメが!! IMAXのでっかい画面に!!! そんでもってジェイソン・モモアとのあの体格差見ました!?? 屈強な兵士と!! 線の細いしなやかな少年!!!(なんかヤバい発言である自覚はあります)
……だから最初の話に戻るんですけど、記念碑的ラブストーリー……はまぁ、『君の名前で僕を呼んで』があったからいいか……。いやでも望みはまだ捨ててないよ……。若い女の子2人組が特典のポスターと嬉しそうに写真撮ってて、やっぱ脈々と受け継がれてきたハリウッドスターってそうあって欲しくあるんだよね~~。ポスターもらえるなんて知らなかったから、うまく持って帰ってこられなくてくしゃっとなっちゃったのだけが残念……。

未来世紀ブラジル ★★★★☆
あまりにも濃厚で混沌たる、不条理の世界。
ベースは完全にジョージ・オーウェルの『1984年』なんですけど、もうなんかあれを遥かに凌ぐ圧巻の情報量が押し寄せてくるので、まだあんの!? まだやるん!?? ってなりました(笑)。そりゃあもう凄まじいです(笑)。
主人公の妄想もなかなかのものだし、その妄想に起因する謎行動に結局は乗っかった彼女も大したものだし、ジョージ・オーウェルが築いた情報局とかナントカ局の殺人的イメージを継承した世界観もやばいんだけど、たぶんこの作品をこの作品たらしめたのはあのダクト修理のおじさん(※ロバート・デ・ニーロのことを言っています)だよね!! 普通に階段かなんかで登ってきて、帰りだけ滑空していくあのおじさん!! あのおじさんがいなかったら随分殺伐とした話になってしまっていたと思うんだけど、総ての希望をあのおじさん(ロバート以下略)に託せる可能性が残されていただけで、強烈な悲喜劇になったよなぁ……。
クライマックスはそうして、結局は『1984年』に帰結する。人はいつだって、完成されたディストピアの夢を見る。

ユージュアル・サスペクツ ★★★★☆
何て鮮やかな。もうその一言です。
めちゃくちゃ素直なので、見事なミスリードにスムーズに乗せられて、それはもう最後の種明かしで「うわあああぁぁぁぁー!!!」となって、めっちゃくちゃ気持ち良かったです(笑)。素直っていいものですね!!(笑) サクッと観られる尺も有難いです。

ファイト・クラブ ★★★★☆
未来世紀ブラジルにも匹敵する怒涛の情報量。もうね、圧倒的に疲れるしめっちゃくちゃ振り回される(笑)。もちろん物理の殴打も超絶凶悪なんだけど、情報量の暴力がヤバヤバで、最終的に交錯する情報に追い詰められていく。
強烈なアイコンとしてのブラッド・ピットヘレナ・ボナム・カーターはあまりにも象徴的なんだけど、“普通の”会社員であったはずのエドワード・ノートンが堕していく様こそが恐ろしい。ぜんッぜん万人受けしないからアレだけど、そう、本当に『時計仕掛けのオレンジ』だよね。

 
 
 
 
 
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2021年映画の旅②

ものすごい主観であります。
かなり偏った趣味だと思われます。ラインナップ的にも。「2021年に映画館で観た」作品を扱っています。ので、制作年度は準じていないです。あと、基本甘口評価でいきたいタイプです。

シャイニング 北米公開版 ★★★★☆
ホラーは……怖いから……避けて避けて避けまくってきた道なのですが……。今回思い切って観に行った動機としては、暇だったとか暇だったとか色々あるんですけど、やっぱ『レディ・プレイヤー1』がでかかったかなぁ~~。なんせ「あ、このシーン、『レディ・プレイヤー1』で観た!!」って思いながら見てた(笑)。
しかしてネタ元は、確かにあれらのシーンは象徴的ではあるんだけれど、けっきょくジャック・ニコルソンシェリー・デュバルの怪演・狂演が凄まじすぎて、姉妹の亡霊なんかよりもぜんぜん怖くてウケた……(ウケない)。そうだよね、オマージュするならあの印象的な姉妹の亡霊だったり血のエレベーターしかやりようがないんだよね。なんせ真骨頂が役者の表情が凄すぎるって、それはもうオマージュの手の届かないところにあるよね。ジャック・ニコルソンはもちろんすげーんだけど、幸薄そうな黒髪のシェリー・デュバルやばかったな……。
けっきょく、ぜんぜん『シャイニング』ってタイトルじゃなくていいし、料理長も姉妹の亡霊も役割はめちゃくちゃ薄いし、ダニーの人格が最終的にどうなってたのか、あのホテルに飾られていた古い写真の人物は……?? とかあるんだけど、もう主演2人が真に迫りすぎててそれだけで成り立っちゃってるし、あーもーほんと怖かったわ……。でも観られて良かったです。自宅じゃ絶対に観られないから……。
※このあと、『レディ・プレイヤー1』見直しました。完コピ流石じゃん!!(笑)

インザハイツ ★★★★☆
小さな尊厳を守るもの……って、本当にそれよねってずっと頷きながら観ておりました。根本が移民の国であるアメリカが抱える、これはもう永遠の問題なのでしょうね。それを壮大に歌い踊りまくってくれるのはとても気持ちが良いです。あと、その尊厳におけるファッションってやっぱりすごい大事なんだなぁって思いましたので服買ってもいいですかね(え???)。
人類史の本を読んだ時に、「人が移住するのは“惹きつける力”か、“押し出す力か”」って話があったんだけど、殆どはやっぱり後者なんだろうなぁ。どこで生まれ育つかは選べないし、生きる場所を選ぶのもままならないけど、それでも彼らは許された範囲で選択していく。
あと、『ラ・ラ・ランド』の時も思ったんですけど、CGとミュージカル映画の親和性ってとっても良いですよね。現実的なテーマが根本にあるんだけど、演出はファンタジーしまくってくれていて、あくまでもとても美しいです。

ターミネーター ★★★★☆
私、観たことある……のか?? もしかしてないんじゃないかと思ってたけど、あった……??
とにかく、もしも観たことあったとして推定26年以上ぶりであろう気がするターミネーターシリーズすべての原点。思ったのは、話が圧倒的に面白いし魅せてくる。技術的にはすごい頑張ってるってゆうレベルだけど、あの象徴的過ぎる音楽と共にどうしたってドキドキしちゃう。そんでもって、サラ・コナーの覚醒が素晴らしい。

ターミネーター2 ★★★★★
終演後、客電が点いたときに劇場に満ち満ちたあの空気……。私も心の底から痛感したこの気持ち……、「面白すぎやしないか……!!?」。
もちろん観たことある。あの劇場内にいたほとんどがそうだろう(若い男の子たちが「泣いちゃったんだけど」って言ってて、彼らは初めてだったかもしれないし良かったねって思ったよ!)。観たことあるんだけど、たぶん20年ぶりくらいにきちんと観たんだよ私は。もちろん劇場で観るのは初めてだよ、だって30年前(!!)の作品だから。……面白すぎるよ!!!
ストーリーの巧みさも去ることながら、キャラ立ちの凄まじさ。圧倒的にハマったキャスティングの妙。この映画をここまで魅力的にしたのはそれに尽きると思う。『ターミネーター』の時はリンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーのファッションとかにかなり時代を感じるんだけど、『2』になるとそういう古臭さが一切なくなるから、それがものすごい強い。脂ののったシュワルツェネッガーと、彼を従えるジョン・コナーの白皙の美少年っぷりたるや。そして彼らを追い詰める新型ターミネーターロバート・パトリックの怪演たるや。
ただし。今回1、2と立て続けに観て思ったのは、やはりこれはサラ・コナーの物語なんだってこと。まったくパッとしない平凡な若い娘が、不条理に満ちた宿命を背負いながら自立し覚醒する。だからジェームス・キャメロンが正当な続編を作るとなった時、彼女を再び主演に据える以外は無かったんだろうなと思ったのです。老年のサラ・コナーもエキセントリックで最強だった。でもやっぱりね、この映画はできすぎなくらい完璧なSFアクションで、それゆえに伝説なんですよね。

ドライブ・マイ・カー ★★★★★
村上春樹を明確に内包しながら、映画はそれを昇華しまったく違う姿を獲得した。僅か70ページの会話劇の短編を翼に変えて、より遠く、より高く。「僕は正しく傷つくべきだった」というそのあまりにも村上春樹的な台詞は、原作には(『木野』にも)存在しない。チェーホフの戯曲のあまりにも人生の悲哀に満ちた台詞の数々と共に、最高の脚色を経て生まれ変わった物語はただひたすらに美しく結晶する。
バチっとハマった配役の中でも、殊更に圧倒的な三浦透子の存在感。完璧に村上春樹的なみさきは彼女でしかありえなかった。
でも広島から北海道まで車走らせるってなったときは(原作にはない)、「神戸港からフェリーに乗ろうよ!!?」って思ったよね(笑)。直通なさそうだけど!!

オールド ★★★☆☆
製薬会社云々の設定はまったく蛇足な気がするし、なんか珊瑚がチャチかったのが最後どーしても気になっちゃったんだけど、たぶんそれが気になっちゃったのは、監督的にはそんな細かいことマジでどーでも良いからなんだろうなっていう(笑)。
描きたかったのは圧倒的かつ暴力的な時の流れにより凝縮して、否が応でも本質を浮き彫りにされた人間の一生であって、そのほかの些末なことはストーリーをとりあえず完成させるための要素に過ぎんのだよね。エキセントリックな設定は確かに悲劇なんだけど、あまりにも喜劇的で、手の打ちようのなさがあまりにも悲しい。

真昼の決闘 ★★★★☆
初見。町山智浩さん解説付き上映で鑑賞しました。政治的な背景とかはもう町山さんの話を聞いてください(笑)。町山さんのお話はそれすなわち歴史の話なので、歴史オタクとしては毎回とても楽しく拝聴しております。今回、西部劇ということで謎のちょーーーっとだけ西部感のある施設でニワトリの鳴き声をバックにウェスタンハット被って解説してたのは笑っちゃったけど(笑)。
登場する男どもは本当にもうどうしようもないんだけど、ブレイク前のグレース・ケリー演じる新妻エミィと、そして何よりも元カノのヘレンを演じたケティ・フラドの圧巻の力強さ。エミィの行動を引き出した「彼が私の男なら、私も銃を持って闘う」「彼は貴女の男でしょう?」という迷いのない、高純度の強い言葉。駆け戻るエミィと、彼女を見つめ去っていくヘレン。このケティ・フラドを観られて本当に良かったです。それにしたって、新妻と元カノが連れ立って去っていく絶望感ヤバいよね(笑)。

レミニセンス ★★★★☆
あーもーダメ男が~~~~!!!!!
……って感想に尽きません? 私はそれに尽きました(笑)。荒廃をもたらした戦争、記憶を辿り過去に縋る人々、潮に呑まれるがままの街……。細々した設定は散漫でもあるけれど、謎の女を彩って、だからつまりはダメ男の話です(笑)。
賢明にして勇敢なワッツを演じたタンディ・ニュートンがめちゃくちゃ素敵でした。

GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊 ★★★★☆
初履修。
なるほどこの世界観はまさしくジャパニメーションで、私は実際にはこのあたりを通ってきてはいないはずなのに、きちんと自分の中に根を下ろしている感覚があるのは、その地下茎が本当にくまなく創作界隈に張り巡らされているからなのでしょう。それこそが私を育ててきてくれた世界。もうちょっと細やかなストーリーがあってくれると助かった部分もあるんだけど、説明少なに突き進むこの感じも頼もしい。
てかキャスト、鬼豪華やな……。

 
 
 
 
 
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坂東三十三所巡礼14日目 佐竹寺

2021年7月24日(土)

㉓第二十二番 妙福山明音院 佐竹寺
18きっぷの(以下略)。この日こそ朝早くもぞもぞと布団から這い出しまして、最寄り駅を6時の電車に乗り込みまして……。いざゆかん、茨城県水郡線の果てに……。
もうね、前回・前々回で慈恩寺浅草寺に行っちゃったので、もはや残っているのがだいぶ大変なところだけになって参りましたね。それにしたって水郡線水郡線って言っても分線みたいな方で、ゆうても水戸駅から割かしすぐのはずなんだけど、なんでこんな時間かかるんだろう(50分)って思ってたら、マジで驚愕だったんだけど途中駅で25分くらい待ち合わせがあったってゆー……私史上でも乗り換えでもなく待ち合わせでそれって最長だよ……。半端ないぜ、水郡線

でも、車窓は思ったよりぜんぜん住宅地。田園もあるけどきちんと住宅地。辿り着いた終点・常陸太田駅も有人駅だし、キレイで明るいし駅前のロータリーも広々。バスもそこそこ走ってるみたい。みたいなんだけど、目指す佐竹寺方面に出ているかはよく分からない。道すがらにバス停を見かけなかったから、やっぱり無かったのだと思いまふ。レッツ徒歩、多少登りだけど緩やかだし2kmくらいだし、軽いです!(だんだん感覚がおかしくなってきております) まぁ暑いはめちゃくちゃ暑かったんだけど……。

しかして佐竹寺。けっこう道路沿いにポンッと現れてびっくりだったのですが、茅葺の本堂が本当に見事。境内の写真撮影が禁止だったので近影も無く、こじんまりとして殆ど本堂にお参りしたらおしまいではあるのですが、他のお寺さんには無い独特の趣があり素晴らしかったです。

 
 
 
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さて。お参りは済んだけどこのまま駅に向かうのも味気ないし、ゴハン食べたいしちょうどいい時間の電車もないし(2時間に1本くらい)。気軽に行けて時間潰し放題の場所を、ワタクシ事前にリサーチいたしました。そう、道の駅です! もちろん歩いていくよ!!
とゆーわけで、目指すは道の駅ひたちおおたです。と言っても道の駅なので、電車の常陸太田駅とは方向がちょっと違うので、お寺から住宅街を抜けて、まじでだだっ広い田んぼの中の道を抜けます。こんなところ農作業でもなんでもないひとが歩いてたらすげー不審だろうなって自覚はあるんだけど、でも自分の外見が不審に見えないってゆー圧倒的謎自信があるので、堂々と田んぼの真ん中を突き進みます。超絶暑かったですけどね、でも風は気持ち良かったです。日には焼けた……。

そんなこんな30分以上田んぼを突き進んで辿り着いた道の駅ひたちおおた。ここで食べたお蕎麦が、そしてそれに添えてあった野菜のかき揚げが……めっちゃくちゃ美味しかった……!!! いや、お蕎麦もなんですけど、野菜のかき揚げよ! 南瓜がメインの本当に野菜だけのかき揚げなんだけど、すっごいボリューム満点でやばやばの美味しさ! 上に貼ったインスタの写真の最後にあります。感動のかき揚げ、本当におススメです。

さて。お参りして蕎麦もかき揚げも食べ、ジェラート(常陸大黒という、特産のインゲン味)だって食べた。炎天下の中、最寄の河合駅でのんびりと電車を待ち、やってきた水郡線に乗り込んで一路帰路……というには、まだちょっと時間に余裕もある(※朝めちゃくちゃ早かったから)。ずっと行ってみたかったところが帰り道にあるんだ……そう、霞ヶ浦です!!!(え???)

――霞ヶ浦。琵琶湖に次いで日本2番目の面積を誇る湖です。周囲の長さなら日本一だそうです。ちなみに隣に細長い湖(北浦)あるじゃないですか。あれもまとめて霞ヶ浦なんだって知ってました? 私は今年に入ってから知りました(ずっと行きたかったんじゃないのか)。それでも圧倒的に地味な霞ヶ浦。生活の湖だし、あんまりパッとしたイメージが無いからなんでしょうけど、でもどんなに電車で近くを通っても車窓からは眺めることがかなわないこの湖を、なんだかずーっと見てみたかったのです。

ですので、土浦で途中下車です。見るだけだと秒で終わるので、せっかくなので観光船にも乗ってみることにします。観光船。観光船の乗り場ってもっと華やかなイメージがあるんですけど、これもかなり地味……。これは実際に霞ヶ浦に出てから感じたのですが、ヨットとか小型船が練習してたりレジャーしてたりで、どっちらというと船舶免許とかを取るための場所だったりという面が強そうで、そういうところがやっぱり生活の湖だなぁと思うわけです。でも15時半くらいの出発だったけどお客さんはそこそこいましたし、乗り場まで案内してくれたお姉さんも船のスタッフの方もとても親切でした。

とても親切なのですが、この遊覧船、またしても私史上ではありますが、遊覧船としては最もスピード出しました。ある意味でめちゃくちゃスリリング。2階建てだったのでわーいって2階に登っちゃったんですけど、出港後少しして「今から40kmまで加速するんで帽子とか荷物とか気を付けてね~!」ってアナウンス後に急加速。まじではええぇ……。はえぇけどまぁ、気持ち良いです、夏だしね。近くの湖面にはヨットの群れ、はるか遠くに筑波山。正直それ以外は大して何もないし湖面だって別にぜんぜんキレイじゃないんだけど、これが霞ヶ浦という湖なのだなぁ。実際にこうして全身で感じることが出来で良かったです。
土浦駅でお土産にれんこんサブレー買って、今度こそ本当に帰路。この日も濃かったなぁ……。

 
 
 
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